遺言関係 遺言を書くときに、まず何をするべきか。
遺言を書いてみようと思ったら
遺言の必要性は理解した、遺言の種類(自筆証書や公正証書遺言など)も決めた。
いざ遺言を書こうと決心しても、一体何から手をつけ始めればいいのか迷ってしまう方もいらっしゃると思います。
そのような方はまず、次の2つを調査してみてはいかがでしょうか。
①推定相続人の調査
②自身の財産の調査
推定相続人
推定相続人とは、ある人が亡くなってその人の相続が開始されたと仮定した場合に、相続財産を受けとるであろうと想定されている人のことを言います。
誰が相続人になるのかは民法に定められています。
推定相続人の調査方法
ご自身の「戸籍謄本」「除籍謄本」「改製原戸籍」などを、ご自身の出生から死亡までの分につき、その全てを取得すれば基本的には確認することができます。
ただし、ご自身だけでは取得できない戸籍(例えば甥の戸籍など)が必要な場合など、ご自身だけでは戸籍を全部集めることができない場合もございますので、その場合は専門家にご相談ください。
誰が推定相続人であるか
簡単な説明では、配偶者は必ず推定相続人となります。配偶者の他に、子や孫がいれば子や孫が、子や孫がいなければ親や祖父母が、子・孫・父母・祖父母がいなければ兄弟姉妹あるいは甥姪が推定相続人になります。詳細はまた、別の記事にてご紹介します。
財産の調査
財産と呼ばれるものは、一般的には次のとおりです。
不動産や預貯金、自動車といったプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続の対象となりますので確認をしておきましょう。
プラスの財産
・不動産・・・・・・・・・・土地(宅地、貸地、農地、駐車場)、建物(自宅、貸家、店舗、工場)など
・不動産に付随する権利・・・借地権、地上権など
・動産・・・・・・・・・・・車、家財道具、宝石、貴金属など
・金融資産・・・・・・・・・現金、預貯金、有価証券、株式、国債、貸付金、売掛金など
・その他・・・・・・・・・・著作権、特許権、ゴルフ会員権など
マイナスの財産
・借金・・・・・借入金、買掛金など
・公租公課・・・未払の所得税、住民税・固定資産税など
・保証債務
・その他・・・・未払費用、未払いの医療費、預かり敷金など
財産目録
財産目録とは、ご自身の財産(マイナス財産を含む)が一覧でわかるようにした表のことを言います。
プラスの財産においては、借地権を財産だと思っていらっしゃらない方、マイナスの財産においては、保証債務を忘れてしまわれる方がいらっしゃるので財産目録を作成する際は漏れがないようにご注意ください。
特に保証債務は、何十年も前に友人が事業を始める際に保証人になったかもしれない、など忘れやすく、また、その保証した金額が大きいということがよくあります。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。