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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

一般社団法人における代表理事の選定方法

一般社団法人と代表理事

理事会を置いていない一般社団法人(理事会非設置一般社団法人)の理事は当該一般社団法人を代表しますが、理事の中から代表理事を選定したときは、その代表理事が一般社団法人を代表します。

理事会非設置一般社団法人においては、特定の理事を代表理事としなかったときは、全員が代表理事になります。

理事会を置いている一般社団法人(理事会設置一般社団法人)は、理事会の決議によって代表理事を選定し(法人法第90条3項)、選定された代表理事が一般社団法人を代表します。

理事会設置一般社団法人においては、理事会の決議によって理事全員を代表理事として選定することもできます。

※一般社団法人及び一般財団法人に関する法律を、このページでは「法人法」といいます。

代表理事の選定方法

代表理事の選定方法は、理事会非設置一般社団法人と理事会設置一般社団法人で異なります。

なお、ここでは一般社団法人設立時の代表理事の選定方法は割愛しています。

理事会非設置一般社団法人の場合

理事会非設置一般社団法人における代表理事の選定方法は次のとおりです。

  1. 社員総会の決議により代表理事を選定する。
    ▶社員総会の普通決議(≫決議要件)によって代表理事を選定します。
  2. 定款の定めに基づき、理事の互選によって代表理事を選定する。
    ▶理事の互選によって代表理事を選定します。定款にその旨の定めが必要です。
  3. 定款で直接代表理事を定める。
    ▶社員総会の特別決議(≫決議要件)による定款変更の方法により、定款に代表理事を直接記載して代表理事を定めます。
  4. 代表理事を選定しない。
    ▶理事全員が代表理事となります。
理事会設置一般社団法人

理事会設置一般社団法人の代表理事は、理事会の決議によって選定します(法人法第90条3項)。

理事会の決議は、定款に別段の定めがない限り、議決に加わることができる理事の過半数が理事会へ出席し、出席した理事の過半数をもって行います。

理事会の決議事項に特別の利害関係を有する理事は議決権を行使することはできませんが、代表理事として選定される理事は当該決議につき、特別な利害関係があるとはみなされませんので決議に参加することができます。

なお、一定の条件を満たしたときは、理事会の決議を省略することもできます。
≫一般社団法人における理事会の決議省略(みなし決議)

定款の定めと社員総会による代表理事の選定

上記のとおり、理事会設置一般社団法人においては理事会の決議によって代表理事を選定します。

しかし、理事会設置一般社団法人においても定款に定めることにより、社員総会の決議によって代表理事を選定することもできるとされています。

なお、理事会設置一般社団法人が社員総会の決議によって代表理事を選定したときの代表理事の変更登記では、代表理事を選定したことを証する書面として、社員総会議事録の他に定款の添付も必要となります。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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