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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

司法書士が一般社団法人の定款の条文を解説します(経費等の負担編)

一般社団法人の定款の条文の内容を解説します。

一般社団法人は協会ビジネスをされる方や社会貢献活動をされる方に人気のある法人形態です。

現在は色々なサイトで株式会社の設立に関する情報が溢れているため、ご自身で一般社団法人設立の手続きをされるケースも少なくありません。

しかし、インターネット上にある定款の内容をよく理解せずに、そのまま利用している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ご自身で一般社団法人を設立する方のために、≫日本公証人連合会のホームページに掲載されている定款等記載例をベースとして、一般社団法人の定款の各条文について解説をしていきたいと思います。

以下、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律を「法人法」といいます。

ビジネスに専念したい方

一般社団法人設立の手続きは初めて行う方には時間がかかる上に、一生のうちにその知識を何度も使うわけではありません。

一般社団法人設立の手続きは専門家に任せて自分のビジネスに集中したい方は、こちらのページをご参照ください。

≫一般社団法人設立サービス

経費等の負担に関する条文

(経費等の負担)
第6条 社員は、当法人の目的を達成するため、それに必要な経費を支払う義務を負う。
2 社員は、社員総会において別に定める入会金及び会費を納入しなければならない。

この規定は、第1項で社員の経費負担について定めていて、第2項で入会金及び会費について定めています。

この第6条(経費等の負担)の規定は、任意的に定めている規定であり、法律上必ず定款に定めなければならない事項ではありません。

社員と経費の負担

一般社団法人には、株式会社や合同会社と異なり資本金というものがありません。

一般社団法人が活動する以上その費用が必要となりますので、誰かから借りるのか(借入)もらうのか(寄付)、会費や入会金で賄うのか、あるいは事業を行ってそこから生じた売上を費用に充てる等して活動していくことになります。

法人法上、一般社団法人は定款に定めることにより社員に経費を負担させることができます(法人法第27条)。

この場合、返還義務のある(短期・長期)借入金として計上することが多いのではないでしょうか。

(経費の負担)
法人法第27条

社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。

社員と入会金及び会費の負担

法人法上、社員に入会金や会費の負担義務、支払義務はありません。

しかし、任意的に入会金や会費を定款に定めて、社員や会員に負担をさせることもできます。

なお、入会金や会費という名目に限られず、法律に触れない限りにおいて自由に会費のようなものを設定することができます。

事業収益だけで活動費用を得ることができるのであれば、入会金や会費を設けなくても運営をしていけるでしょう。

事業計画においてどのように一般社団法人が活動をしていくのか検討をした上で、必要に応じて経費負担や入会金、会費について定款に記載していくことになります。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
様々なサポートを行っております。


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