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代表司法書士・相続診断士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

一般社団法人の理事会議事録に記載する事項を確認する

一般社団法人と理事会議事録

一般社団法人は、理事会の議事につきその議事録を作成しなければならないとされており(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「法人法」といいます)第95条1項)、理事会の日から10年間その議事録を主たる事務所に備え置かなければなりません(法人法第97条1項)。

代表理事は、3ヶ月に1回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければなりませんので(法人法第91条2項)、年に最低4階は理事会は開催され、その議事録を作成する機会があります。

※ただし、定款で毎事業年度に4ヶ月を超える間隔で2回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りではありません(法人法第91条2項ただし書き)。

理事会議事録には何を記載しなければならないのでしょうか。

理事会議事録に記載する事項

理事会議事録に記載する事項は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則第15条に定められています。

まず、理事会議事録は書面または電磁的記録で作成しなければならないとされており(法人法施行規則第15条2項)、現在では書面で作成されている法人が多いかと思います。

理事会議事録には次の事項を記載します(法人法施行規則第15条3項)。

  1. 理事会が開催された日時及び場所
  2. 理事会が招集権者以外の者が招集して開催された場合は、その旨
  3. 理事会の議事の経過の要領及びその結果
  4. 決議を要する事項について特別の利害関係を有する理事があるときは、当該理事の氏名
  5. 利益相反等の報告に関する意見または発言の内容の概要
  6. 理事会議事録への署名等に関する定めが定款にあるときは、代表理事以外の理事会に出席した理事の氏名
  7. 理事会に出席した会計監査人の氏名または名称
  8. 理事会の議長が存するときは、議長の氏名
1. 理事会が開催された日時及び場所

理事会議事録には、理事会が開催された日時及び場所を記載します。

理事や監事等の役員は、テレビ電話会議システムやビデオ会議システム等によって理事会に参加することも可能であり、開催場所に存在せずに理事会に参加した役員がいるときは、その出席の方法も記載します。

2. 理事会が招集権者以外の者が招集して開催された場合は、その旨

理事会が次に掲げるいずれかのものに該当するときは、その旨を記載します。

  1. 招集権者以外の理事が請求して開催した理事会
  2. 監事が請求して開催した理事会
3. 理事会の議事の経過の要領及びその結果

理事会の議事の経過の要領及びその結果を記載します。

経過の要領とその結果を記載すれば良いため、議長等の発言を一言一句そのまま記載する必要はありません。

異議等ないのであれば、一例として次のような記載でも問題ないでしょう。

議長は、代表理事として●●●●を選定したい旨を説明し、一同に諮ったところ、満場一致をもって異議なく可決承認した。
4. 決議を要する事項について特別の利害関係を有する理事があるときは、当該理事の氏名

理事会の決議事項につき、当該決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができません(法人法第95条2項)。

特別の利害関係とは、例えば法人が理事にお金を貸すようなケースが考えられます。

特別の利害関係の有無は、理事会ごとではなく、決議事項ごとに判断をしていきます。

決議事項に特別の利害関係を有する理事がいるときは、当該理事の氏名を記載します。

5. 利益相反等の報告に関する意見または発言の内容の概要

次に掲げる規定により理事会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見または発言の内容の概要を記載します。

  1. 競業及び利益相反取引の報告に関するもの
  2. 不正の行為等、法令若・定款に違反する事実、著しく不当な事実があるときの報告に関するもの
  3. 理事会に出席した監事の意見
6. 理事会議事録への署名等に関する定めが定款にあるときは、代表理事以外の理事会に出席した理事の氏名

理事会議事録が、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事及び監事は、これに署名または記名押印しなければならないところ(法人法第95条3項)、定款で理事会議事録に署名または記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがあることができます(法人法第95条3項)。

この定めが定款にある一般社団法人は、代表理事のみが理事会議事録に署名または記名押印をします。

この場合、当該理事会に出席した、代表理事以外の理事の氏名を理事会議事録に記載します。

7. 理事会に出席した会計監査人の氏名または名称

理事会に参加した理事、監事または会計監査人の氏名または名称を記載します。

この記載はフルネームで、登記簿に記載されている氏名と一致する記載が望ましいでしょう。

旧姓を法人内で使用している人は、登記簿上の姓または旧姓をカッコ書きで併記しているケースもあります。

会計監査人だけ氏名または名称となっているのは、公認会計士という個人だけでなく、監査法人という法人も会計監査人となれるためです。

8. 理事会の議長が存するときは、議長の氏名

理事会の議長を定めたときは、その議長の氏名を理事会議事録に記載します。

議長は議事の進行、整理を行いますが、代表理事が議長となるケースが多いでしょうか。

理事会を開催するたびに議長を選定しなくてもいいように、定款に理事会の議長を定めている一般社団法人も少なくありません。

議事録の作成に係る職務を行った者の氏名

理事会議事録を作成した人の氏名は、法人法及び法人法施行規則において必須の記載事項とはされていません。

しかし、任意的に記載することは問題なく、議事録作成者を明確にしておきたいという法人のニーズもあり、議事録作成者の氏名を議事録に記載しておいてもいいでしょう。

なお、みなし理事会決議にかかる議事録については、議事録の作成に係る職務を行った理事の氏名が議事録の記載事項とされています。

みなし理事会決議を利用した場合

理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき議決権のある理事の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示をしたときは(監事が異議を述べた場合を除く)、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができます。(法人法第96条)。

決議事項だけでなく報告事項についても、理事及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、業務を執行する理事の業務執行状況の報告(法人法第91条2項)を除き、報告事項についても同様にあったものとみなすことが可能です(法人法第98条1項、2項)。

これは「みなし理事会」「理事会の書面決議」と呼ばれていますが、みなし理事会決議及びその議事録の記載内容についてはこちらの記事をご参照ください。

≫一般社団法人における理事会の決議省略(みなし決議)

理事会議事録と押印義務

理事会議事録が、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事及び監事は、これに署名または記名押印しなければなりません(法人法第95条3項)。

社員総会議事録とは異なり、法人法で理事会に出席した理事及び監事に署名または押印義務がある点に注意が必要です。

ただし、定款で理事会議事録に署名または記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事のみ署名または記名押印をします。

理事会議事録に押す印鑑は法人法で定められていませんが、代表理事は法人実印を押すことが一派的であり、役員変更の登記申請に理事会議事録を使用するときは、登記手続き上、法人実印の押印が求められる場合があります。


この記事の著者

司法書士/相続診断士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

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商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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