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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

一般社団法人の理事、監事全員が重任(再任)するときの手続きと登記

役員の任期と再任手続き

一般社団法人の理事と監事(以下、併せて「役員」といいます)には任期があり、任期を満了した役員は退任することになります。

そのため、役員の任期を把握しておくことは一般社団法人において大切な事項です。

≫一般社団法人・一般財団法人の理事・監事の任期

以下、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律を[法人法」といいます。

同じ人が役員を継続する場合

役員は同じ人が継続して行うので、役員変更(重任)の手続きは不要だと誤解している会社は少なくありません。

しかし、役員を別の人に変える予定がない状況であったとしても、任期が満了した役員は退任します。

継続して役員として業務を執行するのであれば、任期が満了するタイミングで再度役員に選任することになります。

既に任期が過ぎてしまっている場合は、こちらの記事をご確認ください。

≫一般社団法人の役員(理事・監事)の任期が過ぎてしまっているとき

役員を選任する手続き

ある役員がその役職を継続する場合でも、任期が満了すれば退任となってしまい、それを避けるのであれば任期満了と同時に再度役員として選任する必要があります。

役員選任の手続きと登記までのおおまかな流れは次のとおりです。

法人の機関設計や定款の内容によって異なる場合があります。

  1. 理事会の決議・理事の決定(決算承認、社員総会の開催決定)
  2. 招集通知の発送
  3. 定時社員総会の開催
  4. 理事会の決議・理事の互選(代表理事選定)
  5. 登記申請(役員就任から2週間以内)

以下、「3」以降を見ていきます。

定時社員総会の開催

理事Aの任期が満了するのは第2回定時社員総会の終結時である法人の場合、当該定時社員総会の決議でAを理事として選任することになります。

役員選任の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行います(普通決議)(法人法第49条1項、第63条1項)。

社員が少数である法人は、みなし社員総会・書面決議の方法が便利かもしれません(法人法第58条1項)。

定時社員総会では事業報告、決算承認も行いますが、これもみなし社員総会で行うことができます(法人法第59条)。

≫一般社団法人における理事会の決議省略(みなし決議・書面決議)

理事会の決議

理事の任期が満了すると理事を一度退任するため、同じ人が代表理事を継続する場合でも代表理事を選定し直さなければなりません。

代表理事の選定の仕方は、多くの会社では次のいずれかに当てはまるでしょう。

  • 理事会の決議(理事会設置会社)
  • 理事の互選(理事会非設置会社、定款に理事の互選によって代表理事を定める記載あり)
  • 社員総会の決議((理事会非設置会社、定款に社員総会の決議によって代表理事を定める記載あり)

理事会の決議も、定款にその旨の記載がある場合、書面決議や電磁的記録による決議をすることも可能です。

≫一般社団法人における理事会の決議省略(みなし決議・書面決議)

役員変更登記の申請

役員が就任(重任)したときは、就任日から2週間以内にその登記申請をしなければなりません(法人法第303条)。

役員変更登記には、次の書類を添付します。

なお、商業登記規則第61条の関係上、代表理事を選定したことを証する書面には代表理事が法人実印を押すことをお勧めします。

役員及び代表理事の就任承諾を証する書面につき、議事録の記載を援用する方法については、こちらの記事をご確認ください。

≫株主総会議事録を取締役、監査役の就任承諾を証する書面として援用する

理事設置会社
  • 社員総会議事録
  • 理事会議事録
  • 役員及び代表理事の就任の承諾を証する書面
理事非設置会社(代表理事の選定方法は理事の互選)
  • 社員総会議事録
  • 理事の互選書
  • 定款
  • 役員及び代表理事の就任の承諾を証する書面
理事非設置会社(代表理事の選定方法は社員総会)
  • 社員総会議事録
  • 役員及び代表理事の就任の承諾を証する書面
役員変更登記の登録免許税

役員変更登記の登録免許税は、1万円です。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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