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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

定時株主総会で会計監査人の選任を忘れてしまったときはどうすればいいですか?

会計監査人の設置義務

大会社でかつ公開会社である会社は監査役会及び会計監査人を置かなければならず、大会社でかつ非公開会社である会社は会計監査人を置かなければなりません(会社法第328条)。

大会社とは、次のいずれかの要件を満たしている会社のことをいいます(会社法第2条6号)。

  • 最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が5億円以上
  • 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上
前年度末に大会社へ移行した

例えば3月末を事業年度末にしている資本金3億円(負債1億円)の株式会社が、2019年2月に増資をして資本金が5億円となったときは、2019年の4-6月に開催する定時株主総会で会計監査人を選任します。

≫大会社への移行と会計監査人の設置

さて、このような株式会社が定時株主総会で、会計監査人を選任することを忘れてしまっていた場合はどうすればよいでしょうか。

臨時株主総会を開催する

会計監査人の選任は株主総会の決議で行いますが、定時株主総会は終わってしまっていますので、臨時株主総会を開催します。

会計監査人を初めて置くときは、会計監査人を置く旨を定款に定めることが一般的ですので、併せて定款の変更についても決議します。

第1号議案 定款一部変更の件
第2号議案 会計監査人選任の件

定款変更には特別決議、会計監査人の選任には普通決議の要件を満たす必要があります。

会計監査人の就任承諾

会社と会計監査人は委任関係に基づきますので、会計監査人に就任を承諾してもらいます。

口頭でも委任契約は成立しますが、就任承諾書に会計監査人から記名押印をもらうことが一般的です。

この就任承諾書は、会計監査人の就任に係る登記申請の添付書類となります。

登記申請をする

会計監査人が就任してから2週間以内に、管轄法務局へ会計監査人の就任に係る登記申請をします。

当該登記申請の添付書類の一例は次のとおりです。

  • 臨時株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 会計監査人が監査法人であるときは、監査法人の登記事項証明書
  • 会計監査人が監査法人でないときは、会計士であることの証明書

会計監査人が既にいて、今後も継続して置く場合

会計監査人を既に設置していて、今後も継続して同じ会計監査人を置く場合は、定時株主総会で会計監査人の選任(再任)決議は不要です。

会計監査人は、定時株主総会において別段の決議がなされなかったときは、当該定時株主総会において再任されたものとみなされるためです(会社法第338条第2項)。

≫定時株主総会と会計監査人の重任登記

会計監査人の重任登記は自動的にはされないため、その登記をし忘れているのであればなるべく早く登記申請をしておきましょう。

なお、今までとは別の会計監査人を置く場合は、その会計監査人を選任する決議が必要となります。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

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