「パートナー=出資者」を超える組織づくり

私は公認会計士として、資本主義経済の中で生きている人間の一人です。しかし、日々の実務を通じて多様な組織のあり方に触れるうち、どんなビジネスにおいても株式という仕組みが常に美しくフィットするわけではないのではないか、と感じる機会があります。

例えば、プロフェッショナルサービスファームのような業態は、製造業のように大規模な初期設備投資を必要としません。このような領域で、創業期に少額の資金を出資した人間が有限責任のまま、その後も永続的にリターンを受け取り続ける構造には、少し違和感があります。

さらに、近年の税理士法人は急激に大規模化・グループ化が進んでおり、かつての「数人の先生が集まる事務所」という規模を遥かに超越しています。この変化に対し、出資者を資格者のみに限定する仕組みも、無限責任も、現代の多様な働き方や人員構成を考えると、法律が当初想定していたものを大きく越えてしまっているように感じます。抜本的な見直しが必要な時期に差し掛かっているのではないでしょうか。

実際、私たちのようにワンストップサービスを提供する組織では、公認会計士・税理士・社労士・行政書士・司法書士などの士業だけでなく、ITや人事、マーケティング、管理部門のプロもたくさん活躍しています。

そうした環境において、旧来の「パートナー=出資者」という構造は、組織の実態にフィットしない場合があると思っています。実際に価値を創造しているのは、日々の現場で自らの専門性を発揮し、貴重なリソースを投じてくれているメンバーでもあります。

こうした課題を解決する糸口として、欧米で普及している ESOP(Employee Stock Ownership Plan)のように、働く人々が自らオーナーシップを持てる仕組みに可能性を感じています。日本でも従業員持株会活用型ESOPといった形で取り入れられているようです。

法的な規制や制度の壁など、乗り越えるべきハードルは多く、私の単なる妄想で終わってしまう可能性も大いにあります。それでも、人生における最も尊い「時間」という最大の資本を投じてくれているメンバーに対し、その貢献にまっすぐ報いることができる、これからの時代にふさわしい新たな還元の仕組みを、模索し創り上げていきたいと思っています。

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前川研吾 X(旧Twitter) RSM汐留パートナーズ 採用X(旧Twitter)
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