AI時代におけるプロフェッショナルファームの組織構造と働き方の変革

先日、Deloitte UKの Equity Partnerが前年比6.5%増え、過去最多の784人になったという同社の決算ニュースがふと流れてきたのを見て、少し昔のことを思い出しました。

私が監査法人にいた2003年からの数年間は、今よりも組織全体に占めるパートナーの割合が高かった記憶があります。その後の約20年は、あくまで肌感覚ですが、パートナー比率を下げて若手を厚くし、大きなピラミッド型の組織へ向かってきたように思います。多くのスタッフが現場の作業を担い、少数のパートナーがそれを束ねる。それが事業を拡大するための自然なかたちでした。

でも、AIによってこの流れが反転するのかもしれない。最近、そんなことを考えています。リサーチ、ドラフト作成、データの照合といった定型業務をAIが担うようになれば、より多くの人が早い段階から専門性を高め、顧客と直接向き合い、Partnerレベルの仕事をするようになるはずです。そうなれば、これまで全構成員の10%程度だったパートナーが、将来は15%、20%になっていてもおかしくありません。組織のかたちも、ピラミッド型から少しずつ円柱型に近づいていくのではないでしょうか。もちろん、経験を積むことの大切さは変わりません。ただ、その中身は「時間をかけて作業をこなすこと」から、「早くから顧客の課題に向き合い、判断を重ねること」へ変わっていくのだと思います。

そして、私がいちばん面白いと感じるのはここからです。これまでプロフェッショナルが自分の裁量で仕事をつくろうとすると、独立が大きな選択肢でした。けれどもこれからは、独立しなくても、組織の中で経営者のように仕事をつくることができる。しかも、組織のブランドや仲間、ネットワークを活かして、一人ではできないことを大きなスケールで実現できる。

そんな未来なら、プロフェッショナルにとってすごく面白いと思います。

Share:
前川研吾 X(旧Twitter) RSM汐留パートナーズ 採用X(旧Twitter)
Scroll to Top