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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

特例有限会社が行う募集株式の発行(増資)の手続きと登記(第三者割当)

特例有限会社と増資

特例有限会社が出資者を募りたい場合、株式会社と同様に募集株式の発行をすることができます。

募集株式の発行をする際に、新たに株式を発行することによって資本金を増加させることをここでは増資といいます。

第三者から出資を受ける場合や、オーナーが追加で出資をする場合、あるいは社長からの借入金を資本金に組み替えるDESをする場合は、増資の手続きを行うことになります。

特例有限会社の増資手続き

特例有限会社の増資手続きの一例は次のとおりです。

引受先が1名であれば申込み+割当方式ではなく総数引受契約方式で行ったり、申込み+割当方式を採用するのであれば株主総会の開催は1回で済ませられるようにするケースが多いでしょう。

  1. 取締役の決定(増資の意思決定、株主総会の招集決定
  2. 株主総会の招集
  3. 株主総会の決議(募集事項の承認、条件付きで割当先の承認)
  4. 募集事項等の通知
  5. 引受けの申込み
  6. 割当ての通知
  7. 出資の履行
  8. 登記申請

次のページは株式会社の増資手続きが記載されていますが、特例有限会社の増資手続きも類似していますのでご参照ください。

≫第三者割当による募集株式の発行(増資)手続き

特例有限会社の増資手続きの注意点

特例有限会社の増資手続きは株式会社と類似していることは上記のとおりです。

しかし、株式会社と特例有限会社の違いから、次の点に注意を要します。

特別決議の要件

募集事項の決定をするには、株主総会の特別決議によって承認する必要があります。

そして、株式会社と特例有限会社の特別決議の要件は異なります。

特例有限会社の特別決議の要件は、総株主の半数以上でかつ、総株主の議決権の4分の3以上の賛成を要します(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第14条3項)。

≫有限会社の特別決議は、株式会社の特別決議と要件が異なるというお話

特例有限会社の特別決議は、株式会社のそれよりも決議要件が重くなっています。

発行可能株式総数に余裕はあるか

特例有限会社の発行可能株式総数及び発行済株式数は、60株となっていることが多いのではないでしょうか。

これは、会社法が施行される前の有限会社の多くが、資本金300万円、出資1口の金額を5万円としていることに起因します。

発行可能株式総数=発行済株式数の状態では、新たに株式を発行することができません。

増資をする前提として、発行可能株式総数の変更決議もしておきます。

第1号議案を定款の一部変更(発行可能株式総数の変更)、第2号議案を募集株式の発行とする等して、1回の株主総会の開催で済ませることもできます。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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