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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

合同会社の清算手続きの内容とスケジュール例

合同会社の解散と清算手続き

合同会社が解散事由に該当することにより解散をしたとしても、すぐに会社が消滅してなくなるわけではありません。

清算とは、会社に残っている事務を完了し、未回収の債権を取り立て、未払いの債務を弁済し、残った財産を社員(=出資者)へ分配する手続きのことをいいます。

清算手続きでは、官報公告により債権者の通知を行ったあと2ヶ月の申し出期間を設ける必要があるため、少なくとも解散から2ヶ月間は清算手続きは終えることができません。

なお、債務超過の会社が解散するときは、特別清算という手続きになり裁判所の監督の下で手続きを行っていくことになります。

親会社や代表社員からの貸付金しか債務がない会社においては、親会社や代表取締役が債権放棄をすることにより特別清算を回避するケースがほとんどでしょう。

合同会社の解散事由

合同会社は次の事由によって解散をします(会社法第641条)。

  1. 定款で定めた存続期間の満了
  2. 定款で定めた解散事由の発生
  3. 総社員の同意
  4. 社員が欠けたこと
  5. 合併により消滅する場合
  6. 破産手続開始決定
  7. 解散を命ずる裁判

合同会社の解散においては、「3.総社員の同意」によって解散するケースが多いのではないでしょうか。

以下は、債務超過ではない合同会社における総社員の同意によって解散した場合の清算手続きの流れの一例です。

清算手続きのスケジュール

清算手続きの一般的なスケジュール例は次のとおりです。

なお、合同会社には清算人会を設置することはできません。

日程
合同会社の手続き

1月31日
総社員の同意(解散、清算人選任)

官報公告の申込み
1月31日以降
登記申請(2週間以内)


1月31日以降
会社財産の調査
財産目録の作成
貸借対照表の作成
現務の結了、財産の換価
債権の取り立て

2月18日
官報に解散公告掲載

知れたる債権者へ個別催告
3月1日
社員へ財産目録等の通知
3月31日まで
税務署へ確定申告(解散後2ヶ月以内)
4月18日
債権者保護手続きの期間満了
4月20日
債務の弁済
残余財産の分配
4月20日
総社員の同意(決算報告の承認)

4月20日以降
登記申請(2週間以内)

税務署へ清算結了の届出

①解散事由の発生、解散・清算人選任の登記申請

総社員の同意によって解散をしたときは、清算合同会社には1人又は2人以上の清算人を置かなければなりませんので(会社法第646条)、清算人を選任します。

合同会社の清算人は、次の者がなります(会社法第647条1項)。

  1. 業務を執行する社員
  2. 定款で定める者
  3. 社員(業務を執行する社員を定款で定めた場合にあっては、その社員)の過半数の同意によって定める者

上記1.2.の場合は、解散・清算人選任の登記申請の添付書類に定款を求められることになるため、1人合同会社の場合は特に、総社員の同意によって「解散+清算人選任」を行ってしまうケースが多いのではないでしょうか。

解散及び清算人の選任のした後は、その効力が生じた時から2週間以内にその旨の登記申請をします。

≫合同会社の解散事由と解散の登記手続き

②官報公告と債権者への各別催告

債権者に対して債権の申し出をするように官報に公告をし、知れたる債権者には個別に催告をします。

知れたる債権者がいないときは官報公告だけを行います。

官報公告(解散)は申し込みをしてから掲載されるまで10営業日程度かかります。

解散公告の例は次のとおりです。

解散公告
 当社は、令和3年1月31日総社員の同意により解散いたしましたので、当社に債権を有する方は、本公告掲載の翌日から二箇月以内にお申し出下さい。
 なお、右期間内にお申し出がないときは清算から除斥します。
  東京都中央区銀座七丁目13番8号
   汐留太郎合同会社
    代表清算人 汐留太郎
③解散日の財産目録、貸借対照表の通知

清算人は、その就任後遅滞なく、合同会社の財産の現況を調査し、解散日における財産目録及び貸借対照表を作成し、各社員にその内容を通知します(会社法第658条1項)。

財産目録、貸借対照表が株主総会で承認された後は、税務署へ確定申告を行います。

④債権の取立て、債務の弁済

合同会社は解散後、未回収の債権を回収したり、会社財産を換価したりします。

なお、債権の申出期間中(公告・催告から2ヶ月間)は、債権者及びその総債権額が確定していないため、一部の債権者に弁済をすることはできません(会社法第661条)。

債権の申出期間が経過後、債権者及びその総債権額が確定した後に債権者へ弁済をします。

⑤残余財産の分配

債権者に対して債務を全て弁済しても会社に財産が残っている場合は、当該残余財産を社員に分配をします。

残余財産の分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定めます(会社法第666条)。

⑥清算計算書の作成

残余財産の分配が終わった後は、清算人が清算計算書を作成します(会社法第667条1項)。

⑦清算計算書の承認(総社員の同意)

清算計算書を総社員が承認します(会社法第667条1項)。

この承認を得ることにより、合同会社は清算が結了し、合同会社は消滅することになります。

⑧清算結了の登記申請

清算計算書につき総社員の同意を得た日から2週間以内に、清算結了の登記申請をします。

清算結了の登記の登録免許税は2,000円です。

当該登記の添付書類の一例は次のとおりです。

  • 総社員の同意書
  • 清算計算書

清算結了後、税務署へ異動届を提出します。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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