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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

少数株主権

株主の権利

株式会社の株主は、その発行会社に対して有する権利(以下、株主権といいます)があります。主な株主権として次の3つが挙げられますが、詳細は割愛します。

  1. 株主総会における議決権
  2. 剰余金配当請求権
  3. 残余財産分配請求権
少数株主権

少数株主権とは、株式会社の株主権のうちの1つであり、一定割合または一定数以上の株式を保有する株主のみが行使できる権利のことをいいます。

公開会社の場合は、株式の保有については、6ヶ月前から引き続き保有していることを要求する場合があります。

単独株主権

少数株主権に対して、1株のみ有する株主であっても行使可能な権利を単独株主権といいます。

単独株主権についてはこちらをご参照ください。
≫単独株主権

少数株主権一覧

少数株主権の主なものは次の表のとおりです。

保有要件※
行使できる株主の権利
権利の内容
総議決権の1/10以上募集株式発行における株主総会請求権
(公開会社)
支配株主が変わることになる募集株式を発行するときに、株主総会での決議を要求することができる。
総議決権の1/10以上募集新株予約権発行における株主総会請求権
(公開会社)
募集新株予約権に係る対象株式が交付されたときに、支配株主が変わることになる募集新株予約権を発行するときに、株主総会での決議を要求することができる。
総議決権の3/100以上●株主総会招集請求権株主総会の招集を請求することができる。
総議決権の1/100以上または300個以上の議決権●株主提案権
(取締役会設置会社)
一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができる。
総議決権の1/100以上または300個以上の議決権●議案通知請求権
(取締役会設置会社)
株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知することを請求することができる。
総議決権の1/100以上●株主総会の検査役選任請求権株主総会の手続を調査させるため、検査役の選任の申立てをすることができる。
総議決権または発行済株式の3/100以上業務執行に関する検査役の選任請求権業務の執行について不正が疑われるときに、その調査のため、検査役の選任の申立てをすることができる。
総議決権の3/100以上役員等の責任軽減への異議申立権取締役会の決議によって役員の責任免除をするときに、それを阻止することができる。
総議決権または発行済株式の3/100以上会計帳簿閲覧請求権会計帳簿またはこれに関する資料の閲覧・謄写を請求することができる。
定足数のときに特別決議を否決することのできる議決権以上簡易合併等に対する反対権簡易合併等の際に反対することにより株主総会決議を省略できなくすることができる。
議決権または発行済株式の1/10以上解散請求権やむを得ない事由があるときは、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。
最終完全親会社等の総議決権または発行済株式の100分の1以上●多重代表訴訟提起権当該会社(子会社)特定責任に係る責任追及等の訴えの提起を請求することができる。
総議決権または発行済株式の3/100以上●役員解任請求権一定の要件の下、当該役員解任の訴えを裁判所に提起できる。

※定款に定めることにより、その要件を緩和することができるケースがあります。
●がついているものは、公開会社の場合、6ヶ月前から引き続き株式を保有していることが条件とされています。

以下、上記一覧の要件を満たす株主を、少数株主と表現します。

募集株式発行における株主総会請求権(会社法第206条の2)

公開会社においては、機動的な資金調達の要請から、募集株式を発行するときは、取締役会が募集事項を決定することができます。

募集株式における引受人(その子会社等を含む)が会社の支配株主となるような募集株式の発行を行うときは、少数株主は、会社に対して当該募集株式の発行に反対する旨を通知することができ、この通知があったときは、会社は株主総会の決議によって当該募集株式の発行について承認を受けなければなりません。

株主総会招集請求権(会社法第297条)

少数株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができます。この株主総会の目的である事項は、当該株主が議決権を行使することができる事項に限られています。

なお、上記請求をした株主は、請求の後遅滞なく招集の手続が行われない場合等のときは、裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができます。

株主提案権(会社法第303条)

取締役会設置会社においては、少数株主は、取締役に対し、一定の事項を株主総会の目的とすることを請求することができ、この請求は、株主総会の日の8週間前までにしなければなりません。この一定の事項は、当該株主が議決権を行使することができる事項に限られています。

なお、取締役会のない会社においては、議案通知請求権は単独株主権となり、8週間前までという要件もありません。

議案通知請求権(会社法第305条)

取締役会設置会社において、少数株主は、取締役に対し、株主総会の日の8週間前までに、株主総会の目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知することを請求することができます。

なお、取締役会のない会社においては、議案通知請求権は単独株主権となりますが、8週間前までという要件は変わりません。

株主総会の検査役選任請求権(会社法第306条)

少数株主は、株主総会に係る招集の手続及び決議の方法を調査させるため、当該株主総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができます。この申し立てを受けた裁判所は不適法として却下する場合を除いて、検査役を選任しなければならないとされています。

業務執行に関する検査役の選任請求権(会社法第358条)

少数株主は、会社の業務執行に関して、不正の行為、法令もしくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、当該会社の業務及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができます。この申し立てを受けた裁判所は不適法として却下する場合を除いて、検査役を選任しなければならないとされています。

役員等の責任軽減への異議申立権(会社法第426条)

一定の株式会社は、会社に対する損害賠償責任について、会社に損害を与えた役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、一定の額まで、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款で定めることができます。

当該取締役会決議に対して、少数株主は、一定期間内に異議を述べることができ、少数株主によって異議が述べられたときは取締役会決議による当該賠償責任の免除を行うことはできなくなります。

会計帳簿閲覧請求権(会社法第433条)

少数株主は、会社の営業時間内はいつでも、請求の理由を明らかにすることにより、会計帳簿またはこれに関する資料の閲覧または謄写の請求をすることができます。

但し、会社は会社法第433条第2項に該当するときは、当該請求を拒否することができます。

簡易合併等に対する反対権(会社法第796条他)

簡易合併等を行うときは株主総会での決議を省略することができる場合があるところ、少数株主(割合としては少数といえるか分かりませんが。。)が反対したときは、株主総会決議を省略できなくなります。

ここでいう少数株主の要件である「定足数のときに特別決議を否決することのできる議決権以上」とは、特別決議の定足数を定款で特に定めていないときは6分の1+以上、定足数を5分の2以上と定款で定めているときは15分の2+以上、定足数を3分の1以上と定款で定めているときは9分の1+以上となります。

解散請求権(会社法第833条)

次の場合において、やむを得ない事由があるときは、少数株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができます。

  1. 会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該会社に回復することができない損害が生じ、または生ずるおそれがあるとき
  2. 会社の財産の管理または処分が著しく失当で、当該会社の存立を危うくするとき
多重代表訴訟提起権(会社法第847条の3)

最終完全親会社等の少数株主は、その完全子会社等に対して、一定の条件の下、一定の責任を追及するために訴えの提起を請求することができます。

役員解任請求権(会社法第854条)

役員の職務の執行に関し不正の行為または法令もしくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたときは、少数株主は、当該株主総会の日から30日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができます。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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