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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株主が議決権を行使することができないとき

株主と議決権

株主は基本的に、株主総会において、その有する株式1株につき1個の議決権を有しています(会社法第308条1項)。

なお、会社が保有する自己株式や、議決権が制限されている株式、単元未満株式、相互保有株式(25%以上)等には議決権がありません。

≫株主総会の決議等による自己株式の取得
≫議決権制限株式(種類株式)
≫単元株

株主が議決権を行使できないとき

会社法では、株主総会において下記の場合を除き、議案の内容に対して特別の利害関係を有している株主も、株主総会において議決権を行使することを制限していません。

ただし、特別の利害関係を有している株主が議決権を行使したことにより著しく不当な決議がなされたときは、それは決議取消事由となり(会社法第831条)、株主総会決議日から3ヶ月以内に、訴えをもって当該決議を取り消すことができます。

自己株式を取得する場面

株主は、基本的には株主総会における全ての決議に議決権を行使することができますが、会社が自己株式を取得する特定の場面においてはその議決権を行使することができません。

1.株式譲渡不承認による自己株式の取得

非公開会社において、株主から譲渡等承認請求がされたときに、当該会社がその譲渡を承認しないときは、当該会社が当該譲渡等承認請求にかかる株式を買い取らなければなりません(会社法第140条1項)。

このときに、当該会社は次の事項を株主総会の決議によって決定することになりますが、この決議において譲渡等承認請求者は議決権を行使することができません(会社法第140条3項)。

  1. 譲渡等承認請求にかかる株式を買い取る旨
  2. 株式会社が買い取る譲渡等承認請求にかかる株式の数
2.特定の株主を対象とする自己株式の取得

株式会社が特定の株主から自己株式を取得するときは、当該特定の株主は、自己株式の取得にかかる株主総会の決議について議決権を行使することができません(会社法第160条4項)。

自己株式の取得を株主総会で行う手続きについては、こちらの記事をご参照ください。
≫株主総会の決議等による自己株式の取得

3.相続人等からの売渡請求による自己株式の取得

会社法第174条の規定による定款の定めがある株式会社が、その規定に基づき相続人等に株式の売り渡すことの請求をしようとするときは、株主総会の決議によって、次の事項を定めなければならないとされていますが(会社法第175条1項)、当該決議において対象となる相続人等は議決権を行使することができません(会社法第175条2項)。

  1. 請求をする株式の数
  2. 請求にかかる株式を有する者の氏名・名称

(相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め)
会社法第174条

株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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