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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

役員(取締役、監査役、理事、監事)の重任日はいつ?

役員と重任

役員の重任登記、しっかりとしていますか?

同じ人が取締役であり続ける場合も、その任期が満了したときは改めて取締役として選任する手続きをしなければなりません。

そして、取締役として誰かを選任したときは、それが以前と変わらない取締役であったとしても、その取締役の就任時から2週間以内に法務局へその旨の登記申請をする必要があります。

重任とは

役員の重任とは、役員の任期が満了したときに、任期満了と就任が同時に行われることをいいます。

重任は、役員としての資格は、退任時と就任時で同じものである必要があり、例えば取締役が退任してすぐに監査役として選任・就任したとしてもそれは重任には該当しません。

また、任期満了による退任と就任が同時に行われる必要がありますので、取締役として退任をした翌日に取締役に就任した場合も重任には該当しません。
(上記どちらも「重任」ではなく、「退任」及び「就任」と登記申請をします。)

重任とその登記を忘れるとどうなるか

役員の任期が満了しているのにも関わらず、役員の重任(再任)手続きを忘れると役員の選任を懈怠している状況になってしまっています。

役員の選任懈怠は過料の対象となります。

また、役員の重任手続き及びその登記を忘れていて最後に登記をしたときから株式会社の場合は12年間、一般社団法人の場合は5年間経過していると休眠会社・休眠法人として整理されてしまうかもしれません。

整理されるとは、実際は動いていないであろう会社として勝手に解散登記を入れられてしまうことをいいます。

会社登記を怠っていると、ある日突然自社の登記簿を確認したときに解散してしまっている状態になっていて、取引に支障をきたしてしまう可能性があります。

≫平成28年度休眠会社の整理
≫一般社団法人の休眠の定義は5年間登記をしていないこと
≫みなし解散状態を脱する方法(会社継続の登記)

役員の任期は、選任時からスタートする

役員の任期の起算点は、当該役員を選任時です。

2017年3月15日に取締役を選任し、その取締役が2017年4月1日に就任承諾をしたときは、役員の任期の起算日は2017年3月16日(初日不算入)となります。

任期を定時株主総会の終結時とする場合

以前の商法の時代とは異なり、法律上の役員の任期の定め方は次のとおりとなりました。

会社法等の法定の役員の任期

会社法では、例えば株式会社の取締役の任期は「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」とされており(会社法第332条1項)、また監査役の任期は「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」とされています(会社法第336条1項)。

非公開会社においては、上記の「2年」または「4年」の部分を「10年」まで伸長することができます。

≫取締役、監査役の任期の計算方法

なお、有限会社や合同会社は取締役、監査役や業務執行社員、代表社員の任期はありませんので、重任登記の心配をする必要がありません。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律においても、理事や監事の法定任期は上記と似たように「~定時社員総会の終結のときまで」とされています。

役員の重任日

このような任期の定め方の場合、任期の満了は該当する定時株主総会・定時社員総会(以下、定時株主総会等といいます)が閉会した時点に訪れます。

一般的には、任期満了の対象となる定時株主総会等において、任期満了により退任する役員の後任(同一人物可)を選任します。

任期満了により退任する役員を、定時株主総会等で後任(次)の役員として選任したときは「重任」となります。

定時株主総会等の終結時に、役員の退任と就任が同時に生じるからです。

確定任期の場合

確定した任期(以下、確定任期といいます)とは「取締役の任期は2年とする」というように任期が確定している定め方をしているケースのことをいいます。

あるいは、「当会社の設立時取締役の任期は、2019年12月31日までとする。」というように定めている会社・法人もあるかもしれません。

この任期の定め方の場合、再任に係る定時株主総会等の開催日がいつかに関わらず、役員は任期の満了日が到来することによって任期満了により退任することになります。

もっとも、法定の役員数を満たしていないときは役員の選任(再任含む)をし直す必要がありますので、株式会社や一般社団法人でこのような任期の定め方をする会社・法人はほとんどありません。
(再任の必要があるケースで、任期満了日と同日あるいはその前に定時株主総会等を開催しておかないと役員の選任懈怠になってしまいます。)

確定任期の起算点

「取締役の任期を2年とする」という会社の場合、次のようになります。

2017年9月15日に選任された新任の取締役の任期のスタートは、初日を参入しませんので2017年9月16日となり、任期の満了は2019年9月15日(の24:00)までとなります。

役員の重任日

それでは、役員の任期が確定任期である会社・法人の役員の重任日がいつになるのかというと、上記の例では2019年9月16日が重任の日付になるかと思います。

また、「当会社の設立時取締役の任期は、2019年12月31日までとする。」としている会社であれば、2019年1月1日が重任の日付になります。

株式会社や一般社団法人においては、選任時が役員の任期の起算点であるため確定任期はあまり使い勝手が良くありません。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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