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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株式会社を設立する時に、株式に譲渡制限を付ける理由は何ですか?

株式会社の設立と株式の譲渡制限

株式会社を設立するときは、商号や本店、資本金等を決定する必要がある他に、株式に譲渡制限を付けるかどうかを決めなければなりません。

正確な統計はありませんが、新しく設立される株式会社の99%以上は株式に譲渡制限を付けているのではないでしょうか。

もちろん、株式に譲渡制限を付けることが新しく設立される株式会社にとってメリットがあるため付けているわけです。

公開会社が発行する株式の全てに譲渡制限を付ける手続きについては、こちらの記事をご参照ください。

≫公開会社が株式の全部に譲渡制限を設けて非公開会社になる手続きと登記

株式の譲渡制限とは

株式会社の株式には、譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要することを、株式の内容として定めることができます(会社法第107条1項)。

株式の全てに譲渡制限が付いている株式会社のことを「非公開会社」、それ以外の株式会社のことを「公開会社」といいます。

譲渡制限の付いている株式の株主も、株式を譲渡することにつき当該会社が承認することを請求することができ、この承認機関は取締役会や株主総会等が当たります。

≫司法書士が株式会社の定款の条文を解説します(株式の譲渡制限編)

株式に譲渡制限を付けるメリット

非公開会社と公開会社では、機関設計等において大きな違いがあります。

特に規模の小さい会社においては、非公開会社であるメリットが少なくありません。

以下、非公開会社であることによって適用され、会社によってはメリットとなり得るものの一部について記載します。

ここに記載されていない非公開会社と公開会社の違いについては、次の記事をご参照ください。

≫非公開会社と公開会社の違い

知らない人が株主になることを防ぐ

株式に譲渡制限を付けておくことにより、他の株主や役員が知らない人、あるいは敵対している人が株主となることを防ぐことができます。

1株しか保有していない株主にも多くの権利が生じるため、株主は身内や関係者で固めておいた方が会社運営がスムーズにいくことが多いでしょう。

≫パートナーには何株まで持ってもらう?持株数に応じた株主の権利を確認する

ただし、株主と仲が悪くなる等して株式の譲渡承認通知をされたときは、株式を買い取る人を探したり会社が買い取る等の対応をしなければなりません。

取締役・監査役の任期を10年まで伸長できる

取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(会社法第332条1項)。

株式に譲渡制限を付けておくと、定款に定めることにより、取締役の任期を選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます(会社法第332条2項)。

監査役の任期についても、同様に伸長することができる旨の会社法の規定があります(会社法第336条)。

取締役が1名の株式会社や、取締役が家族のみの株式会社は、取締役の任期を伸長するメリットが大きいのではないでしょうか。

取締役会を設置する義務がない

会社法上、非公開会社(監査役会設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社を除く)には取締役会を設置する義務が生じません(会社法第327条1項)。

取締役会を置く株式会社は、取締役3名以上と監査役を1名以上を置かなければならず、最低4名の役員を用意しなければなりません。

そのため、取締役1名のみの株式会社を設立するには株式に譲渡制限を付ける必要があります。

監査役を設置する義務がない

上記のとおり、非公開会社には監査役の設置義務がありません。

ただし、非公開会社においても次の株式会社は監査役の設置義務が生じます。

  1. 取締役会設置会社 ※会計参与を設置しない場合
  2. 会計監査人設置会社
  3. 監査役会設置会社
  4. 役員の責任免除規定を定款に設ける場合
監査役の監査権限を会計に限定できる

監査役には業務監査と会計監査をする権限がありますが、非公開会社は、監査役の権限を会計に関するものに限定することができます(会社法第389条1項)。

ただし、 会計監査人設置会社、監査役会設置会社は監査役の権限を会計に関するものに限定することができず、役員の責任免除規定を定款に定めている株式会社が監査役の権限を限定するときは当該責任免除規定も定款から削除しなければなりません。

監査役の権限を会計に関するものに限定する旨を定款に定めたときは、当該規定は登記事項とされています。

≫監査役の監査の範囲に関する登記

株主総会の招集期間を短縮できる

公開会社が株主総会を招集するには、株主総会の日の2週間前までに、株主に対してその通知を発しなければなりません(会社法第299条1項)。

非公開会社では、出席しない株主が書面決議を行える旨を定めた場合等を除き、この期間を1週間に短縮することができます。

また、非公開会社で取締役会を設置していない株式会社では、この1週間という招集期間につきこれを下回る期間を定款に定めることができます。

発行可能株式総数を自由に設定できる

公開会社の発行可能株式総数は、発行済株式数の4倍を超えることができません(会社法第113条3項)。

ただし、株式会社が公開会社でない場合はこのような制限はないため、発行可能株式総数を自由に設定することができます。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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