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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

2019年5月、6月の定時社員総会で役員の選任手続きが必要となる一般社団法人

定時社員総会と役員の任期

事業年度末を毎年3月末としている一般社団法人は少なくなく、当該一般社団法人は5月または6月に定時社員総会を開催することが一般的です。

定時社員総会では、理事及び監事といった役員の任期が満了することがあるため、役員の任期の確認は必須でしょう。

今年の定時社員総会の終結の時に任期が切れる役員がいるときに、当該役員に役員を継続してもらうのであれば定時社員総会において選任(再任)の決議を行わなければなりません。

また、当該役員が任期満了退任することにより、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「法人法」といいます)や定款で定める役員数を下回ることになる場合は、それを満たす人数の役員を選任する必要があります。

理事、監事の任期はいつまでか

理事及び監事の任期はいつまででしょうか。

理事及び監事の任期は法人法で定められており、それは、選任後●年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとなっています。

詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
≫一般社団法人・一般財団法人の理事・監事の任期

理事監事
理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする(法人法第66条)。監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする(法人法第67条1項)。
定款または社員総会により短縮可能定款により、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで短縮可能

2019年5月、6月の定時社員総会の終結時に任期が満了する理事・監事

2019年5月、6月の定時社員総会の終結時に任期が満了する理事及び監事は、いつ選任された理事及び監事が該当するでしょうか。

なお、ここでは事業年度を3月末までとしている一般社団法人を対象としています。

法人A
法人B
法人C
理事・監事の任期規定
1年※(理事)
2年※
4年※(監事)

選任時期
2018年4月1日

2019年3月31日
2017年4月1日

2018年3月31日
2015年4月1日

2016年3月31日

備考
理事の任期を定款で短縮している場合①理事につき、定款で任期を短縮していない場合
②監事につき、定款で任期を短縮している場合
監査役の任期を定款で短縮していない場合

※「選任後●年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで」という記載を省略しています。

会計監査人は必ず任期満了する

会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとなっていますので(法人法第69条1項)、定時社員総会の度に任期が満了します。

なお、会計監査人は、前項の定時社員総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時社員総会において再任されたものとみなされますので(法人法第69条2項)、同じ会計監査人を再任するときは、会計監査人の再任決議それ自体は不要です。

しかし、会計監査人を再任した(が再任されたものとみなされた)ときは、その旨の変更登記申請をする必要があります。

増員規定、補欠規定

理事の任期につき、増員規定や補欠規定が定款に定められている法人は少なくありません。

これらの規定が定款に定められている法人は、それに従って役員の任期を計算しなくてはなりません。

任期満了前に退任した理事の補欠として、又は増員により選任された理事の任期は、前任者又は他の在任理事の任期の残存期間と同一とする。

役員の選任懈怠

理事の選任手続きをし忘れてしまったときはどうなるのでしょうか。

理事の資格がないのに理事として法人の業務を執行していた、なんてことになりかねません。

なお、任期満了により法人法または定款で定める役員の員数に足りなくなるときは、任期満了となる役員は権利義務役員として存続し続けることになります。

≫一般社団法人の権利義務取締役、権利義務監査役とは何でしょうか。
(一般社団法人の理事及び監事にも、同様に権利義務理事及び監事に関する規定が法人法にあります。)

役員の権利義務は保持し続けますが、法人法違反の状態となってしまっていますので、早く解消しなくてはならないでしょう。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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