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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

取締役2名のうち代表権を有する取締役が辞任するときの登記手続き

取締役の変更と登記

株式会社においては取締役の氏名及び代表取締役の住所・氏名が登記事項とされています。

取締役及び代表取締役に変更が生じたときは、それが生じた時から2週間以内に登記申請をします(会社法第915条1項)。

取締役AB、代表取締役Aがいる株式会社において、Aが取締役を辞任するときはどのような手続きが必要になるでしょうか。

取締役
代表取締役
変更前
AB
A
変更後
B
B

なお、上記の株式会社でAではなくBが取締役を辞任するときの登記手続きは、こちらの記事をご確認ください。

≫代表権のない取締役が辞任するときの登記手続き(株式会社)

取締役の辞任

取締役と株式会社は、委任に関する規定に従いますので(会社法第330条)、原則として取締役は自由に辞任をすることができます。

代表取締役の地位は取締役であることを前提としていますので、取締役を辞任すると代表取締役を退任します。

なお、相手方に不利な時期に委任の解除(辞任)をしたときは、取締役は、相手方の損害を賠償しなければなりません。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りではないとされています(民法第651条2項)。

取締役兼代表取締役Aが、代表取締役の地位のみ辞任する場合は、こちらの記事をご確認ください。

≫株式会社において代表取締役の地位のみ辞任するときの手続き

取締役の辞任と権利義務

取締役が辞任するときに、取締役の数が定款で定めた人数を下回る場合は、当該取締役は辞任後も取締役としての権利を有し、かつ義務を負います。

≫株式会社の権利義務取締役、権利義務監査役とは何でしょうか。

定款に次の規定がある株式会社において、取締役ABのうちAが権利義務取締役とならずに取締役を辞任するには、後任を選任するか、当該定款の規定を変更しなければなりません。

第●●条 当会社の取締役は、2名以上とする
残存取締役と代表権付与

取締役AB、代表取締役Aの株式会社において、取締役Aが辞任すると取締役はBだけとなりますが、取締役Bが自動的に代表取締役になるかどうかは定款の定め次第です。

定款に、次のどちらかのような記載がある株式会社においては、取締役が1名となったときは当該取締役が自動的に代表取締役になると解されます。

  • 当会社に取締役を複数置く場合には、代表取締役1名を置き、取締役の互選により定める。
  • 取締役1名のときは、当該取締役を代表取締役とする。

このような規定が定款にある株式会社では、取締役Aが辞任すると同時に取締役Bに代表権が付与され、取締役Bは自動的に代表取締役になります。

取締役の辞任登記を申請する

今回の取締役及び代表取締役の変更登記は、登記申請書に次の書類を添付して行います。

<Bに代表権が付与される場合>

  1. 辞任届(≫取締役・取締役の辞任登記と辞任を証する書面
  2. 定款
  3. 印鑑届書(添付書類ではありませんが、申請書と一緒に提出)
  4. Bの印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの。印鑑届書と一緒に提出)
  5. 印鑑カード交付申請書(印鑑カードをAから引き継がない場合)

<Bに代表権が付与されない場合(代表取締役を株主総会で選定する場合)>

  1. 辞任届(≫取締役・取締役の辞任登記と辞任を証する書面
  2. 株主総会議事録
  3. 株主リスト
  4. Bの就任承諾書(≫株主総会議事録を取締役の就任承諾を証する書面として援用する
  5. Bの印鑑証明書(上記2にB実印を押印、下記6にて援用)
  6. 印鑑届書(添付書類ではありませんが、申請書と一緒に提出)
  7. 印鑑カード交付申請書(印鑑カードをAから引き継がない場合)

辞任届に押す印鑑は、会社実印又はAの個人実印です。辞任届に会社実印ではなくAの個人実印を押す場合は、Aの個人印鑑証明書も添付します。

≫代表取締役の辞任届に押す印鑑

登記すべき事項

登記すべき事項は、Aが取締役・代表取締役を退任した旨と、Bが代表取締役に就任した旨です。

その一例は次のとおりです。

登記すべき事項
Aが取締役のみ辞任取締役A辞任
代表取締役A退任
Aが取締役及び代表取締役を辞任取締役A辞任
代表取締役A辞任
Bに代表権が付与代表取締役B代表権付与
Bに代表権が付与されず、代表取締役として選定代表取締役B就任


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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