持続的な成長を実現するためのシンプルな経営目標

物事は、考えれば考えるほど、つい複雑になってしまいがちです。しかし、目標や仕組みが難しすぎると、結局のところ本当の意味での理解が進まず、具体的な行動にもつながりません。経営においては、経営者だけが理解していればよいわけではなく、組織のメンバー一人ひとりが同じ方向を向けることが重要です。だからこそ、私は「シンプル・イズ・ベスト」を大切にしています。

経営目標についても、年平均成長率(CAGR)15%、それにより5年で売上を2倍にする、という誰にでもわかりやすい目標を掲げています。(1.15 → 1.32 → 1.52 → 1.75 → 2.01)

振り返れば、創業初年度(準備期間含む)の年商300万円からスタートし、3,000万円⇒5,000万円⇒7,000万円⇒8,000万円と推移し、5年目で年商1億円を達成しました。このフェーズだけを見れば、CAGRは約100%に達します。ただし、私は創業初期の成長率という数字には、あまり大きな意味はないと考えています。事業規模が小さい段階では、少し売上が増えただけでも成長率は大きくなります。それ以上に当時重視していたのは、まず一定の規模まで一気に事業を引き上げること、そして組織として継続的に事業を行うことができる土台をつくることでした。

一方で、規模が大きくなると成長率は落ちるという説もあり、経営者として弱気な時には、つい言い訳に使ってしまいそうになります。しかし、仕入れ・採用・投資などの優位性を考えると、むしろ規模があるからこそ打てる手も増えます。そう以前学びました。だからこそ、最低でもCAGR15%は継続的に達成していきたいと考えています。

こうした悩みを、クライアントである上場企業の経営者に話すこともあります。すると、「前川さんは十分やっている」と励ましていただくことがあります。IT企業のように一気にスケールする業態でもなければ、金融のように資金そのものが循環して収益を生み出すモデルでもありません。また、大規模な設備投資によって短期間で売上を大きく伸ばすことができる業態でもありません。人が中心となるプロフェッショナルサービスの世界で、組織をつくり、人を育て、品質を維持しながら成長を続けることには、それなりの難しさがあります。そのような環境の中で、少しずつでも着実に伸び続けることができているのであれば、それで十分ではないか、と言っていただきました。自分自身では、まだまだできることがある、もっと成長しなければならないと思うことも多くあります。それでも、焦って無理な成長を求めるのではなく、毎年15%というシンプルな目標を一つずつ積み重ねていく。その先に、持続的な成長があるのだと思っています。そして、迷った時にいただいたその言葉には、今でもいつも救われています。

シンプルな目標をぶらさず、毎年着実に積み重ねていくこと。それが、私たちらしい持続的な成長につながると信じています。

Share:
前川研吾 X(旧Twitter) RSM汐留パートナーズ 採用X(旧Twitter)
Scroll to Top