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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

理事1名の一般社団法人において、理事の任期が満了するのでその再任手続きと登記

一般社団法人の理事と任期満了

一般社団法人の理事には必ず任期があり、それは選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までです(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、法人法といいます)第66条)。

なお、定款または社員総会の決議によって、理事の任期を短縮することができます(伸長することはできません)。

理事の任期の計算方法については、次の記事をご参照ください。

≫一般社団法人・一般財団法人の理事・監事の任期

同じ人が理事を継続する場合

理事の任期が満了すると、理事は退任します。

現在の理事が、今後も理事であり続けることを予定している場合でも、任期が満了すると当該理事は退任してしまいます。

理事を継続して行うのであれば、任期が満了するタイミングで改めて選任し直さなければなりません。

理事の選任手続きを忘れたり、選任手続きをしたのに登記をし忘れていると、選任懈怠・登記懈怠により代表理事が過料の対象となってしまいます。

理事の任期満了と権利義務理事

ところで、理事1名の一般社団法人において、理事の任期が満了しているのにもかかわらず選任(再選)手続きを忘れたとしても、その理事は職務執行を行う権利があり義務があります。

理事が1名の一般社団法人では、理事が任期満了により退任してしまうと理事が1名もいなくなってしまうため、当該理事が、後任(本人含む)が選任されるまで理事としての権利義務を有することになります(法人法第75条1項)。

これを権利義務理事、権利義務役員といいます。

≫株式会社の権利義務取締役、権利義務監査役とは何でしょうか。

権利義務理事も理事の業務を行うことができるのなら問題ないかというと、理事を選任しない行為は選任懈怠として過料の対象となる上に、何年も放置していると≫みなし解散の対象となり勝手に解散の登記を入れられてしまう可能性があります。

理事の再任手続きと登記申請

理事の任期は、原則として、2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までですので、その終結時に任期が満了する定時社員総会において理事を選任します。

理事の再任手続きの一般的な流れは次のとおりです。

  1. 定時社員総会の開催
  2. 理事の就任承諾
  3. 管轄法務局へ登記申請
定時社員総会の開催

理事は社員総会の決議によって選任しますので(法人法第63条2項)、その終結時に理事の任期が満了となる定時社員総会を開催して理事を選任します(併せて、事業報告や決算承認もします)。

社員が1名の一般社団法人であれば、招集通知を送って数日後に定時社員総会を開催するよりも、社員の同意を得て招集手続きを省略するか(法人法第40条)、議題の提案に対して社員が書面または電磁的記録によって同意することにより社員総会を成立させる方法(法人法第58条1項)が用いられることが多いでしょう。

≫一般社団法人における社員総会の決議省略(みなし決議)

みなし社員総会は決算承認、理事の選任や定款変更といった議案の決議だけでなく、事業報告についても社員総会の開催を省略して行うことができます(法人法第59条)。

就任の承諾

社員総会で理事に選任された人は、その就任を承諾することによって理事になります。

就任の承諾は口頭でも成立しますが、変更登記の申請の添付書類として就任を承諾する書面を提出しなければなりません。

就任承諾書を用意する方法もありますが、社員総会議事録を援用することも可能とされています。

なお、みなし社員総会議事録(法人法第59条)を使用するときは、当該議事録を就任承諾を証する書面として援用することはできませんのでご注意ください。

≫株主総会議事録を取締役、監査役の就任承諾を証する書面として援用する

登記申請

再任日から2週間以内に、理事重任による変更登記の申請をします。

申請書の添付書類の一例は次のとおりです。

  1. 社員総会議事録(就任を承諾する書面として援用する)

登録免許税は1万円です。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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