商業登記関係 令和元年のみなし解散に関する通知・公告は令和元年10月10日
毎年行われる休眠会社の整理
法務局は平成26年度以降毎年、休眠会社と休眠一般法人の整理作業を行っています。
- 休眠会社・・・・最後の登記から12年を経過している株式会社
- 休眠一般法人・・最後の登記から5年を経過している一般社団法人または一般財団法人
整理作業とは、休眠会社または休眠一般法人(以下、併せて休眠会社等といいます)に関して法務大臣による官報公告及び登記所からの通知がされ、当該公告から2ヶ月以内に何らかの登記あるいは「事業を廃止していない旨の届出」をしない会社・法人に対して、登記官がみなし解散の登記をすることをいいます。
つまり、整理作業とは、長年登記の申請をされていない会社・法人を解散させる作業のことです。
令和元年の休眠会社等の整理
令和元年の休眠会社等に関する官報公告・通知の発送日は、令和元年10月10日です。
休眠会社等は、法務局から休眠会社等に関する公告が行われた旨の通知が送られてきます。
休眠会社等に関する公告日から2ヶ月後に該当する令和元年12月10日までに、何らかの登記をするか、あるいは「事業を廃止していない旨の届出」をしないと、みなし解散の登記をされてしまいます。
≫令和元年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について(法務省)
公告を見た、あるいは通知が届いたらどうする?
休眠会社等に関する官報公告から2ヶ月以内に何らかの対応をしないとみなし解散の登記手続きを進められてしまいます。
これは実際に事業を行っているかどうかに関わらず、みなし解散の登記を入れられる仕組みとなっています。
休眠会社等に関する官報公告を見た、あるいは休眠会社等に関する通知が来てしまった会社・法人は、次の記事をご確認ください。
12年間、登記申請がされていない会社は、少なくとも役員変更に関しては選任懈怠または登記懈怠に陥っていますので、これを機に役員変更の登記申請をするのがいいでしょう。
いつかは登記申請をしなければならず、それが遅ければ遅いほど過料の金額が大きくなり得るからです。
≫役員(取締役・監査役)の任期が過ぎてしまっているとき
≫一般社団法人の役員(理事・監事)の任期が過ぎてしまっているとき
みなし解散の登記をされてしまったら?
令和元年10月10日までに何も対応せずにみなし解散の登記が入ってしまったら、継続の登記をすることによって解散状態を解消することができます。
解散登記がされても元に戻せるなら別に急いで何もしなくていは良いのではないかというと、そうではありません。
みなし解散後に、取引をするために取引相手に履歴事項全部証明書を提出するときに解散されている法人とは取引をしたくはないでしょう。
また、みなし解散後に解散状態を解消したとしても約3年は履歴事項全部証明書に一度解散した旨が記載されたままです。
費用的にも、みなし解散前に役員変更等の懈怠としている登記を申請しておいた方が安くはなります。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。