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川瀬 博之 Hiroyuki Kawase

この記事の著者

川瀬 博之 Hiroyuki Kawase

シニアマネージャー  / 公認会計士 , 税理士

株式公開と株式上場の違いとは?

2017年6月11日

株式公開と株式上場。違いはあるのでしょうか?

実は現在、株式公開と株式上場の違いは全くありません。株式上場も株式公開も「今までその企業の関係者のみが保有していた自社の株式を、証券取引所を通じて売買できるようにすること」を意味します。

しかし2004年以前は、意味が異なっていました。2004年はJASDAQ証券取引所が発足した年であり、株式公開と株式上場の意味の変化には、JASDAQの歴史が大きく関わります。

JASDAQの歴史は、1963年までさかのぼります。

株取引は証券取引所でしか行うことができない現在と違い、当時は、店頭登録制度(東京店頭・大阪店頭)により、企業が発行する株式の売買価格の公表や、企業の資料などを公開することを認めていました。の「店頭登録制度」こそ、JASDAQの前身となる制度でした。

この店頭登録制度において自社の株式を取引対象とするための手続きを、株式上場に対して「株式公開」と呼称していました。

1983年、新興企業向けの市場として、JASDAQは店頭市場(正確には店頭売買有価証券市場といい、証券取引所の補足のような存在として位置付られていました)となりました。

そして2004年、株式会社ジャスダックは内閣総理大臣が交付する証券取引所開設の免許を取得し、株式会社ジャスダック証券取引所となります。この時、店頭市場で扱っている全ての株式をJASDAQが引き受けることになり、店頭市場という売買方法とは消滅しました。これと同時に株式公開と株式上場の意味の差も消滅した形です。

2004年からしばらくは東京証券取引所とJASDAQで重複上場する企業もありました。しかし株式取引が活発な東証での上場に絞る為にJASDAQの上場を廃止する企業が増え、JASDAQは2013年に東京証券取引所の一部となりました。

まとめると
①店頭登録制度(後の店頭市場)が創設され、「株式公開」という言葉が生まれた
②2004年にJASDAQが証券取引所となったことで店頭市場が消滅
③株式上場と意味が同一になった株式公開という言葉のみが残った
といった流れで、株式上場と株式公開という同一の意味の言葉が存在することとなりました。

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