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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

マンション管理と行政書士の関係と東京都の条例制定に関する留意点

2021年8月5日

マンション管理と行政書士の関係

マンション管理と行政書士はなかなか結びつかないと思います。マンション管理の専門家といえば「マンション管理士」という資格が有名です。そもそも行政書士とはどのような業務を行う人たちなのでしょうか?
行政書士法第一条の二に「行政書士は他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする」とありこれが行政書士の独占業務とされております。
つまり様々な行政機関に対して提出する許認可等の書類、契約書などの権利義務が発生する書類、会社定款などの事実証明に関する書類に関して独占的に報酬を受けて業務を行えるということです。
一方、マンション管理士にはこの独占業務というものがありません。つまり、マンション管理士でなければできない業務というものが存在しないのです。しかしながら、マンション管理士には当然、マンション管理に関する豊富な知識を有していることはいうまでもありません。

(1)マンション管理における行政書士の存在

それではマンション管理における行政書士の存在とはどのようなものなのか?前述のとおり、書類作成業務は行政書士業務ですのでマンションの管理規約、使用細則、専有部分の修繕等に関する細則、専用庭使用細則、駐車場使用細則、自転車置場使用細則、集会室使用細則、ペット飼育細則、開口部改良工事に関する細則、管理費等の徴収及び滞納処理細則、管理組合業務委託細則、会計処理細則、防犯カメラ運用細則、大規模修繕工事専門委員会運営細則、理事会運営細則、帳票等の保存期間、組合名簿の取扱いに関する細則、居住者名簿の取扱いに関する細則、要援護者名簿の取扱いに関する細則等の作成ができ、取り扱える書類は多岐にわたります。

(2)街の法律家としての活用も

行政書士は「街の法律家」といわれ、法律手続きを行う身近な存在とされております。マンション全体にかかわる問題だけでなく、住民の様々な問題にもお付き合いさせていただけます。例えば、管理費等の滞納者について困っているという場合には内容証明郵便等を作成し滞納者へ事実を通知します。この他にも理事会・通常総会の運営支援や議事録の作成、住民の方の遺言の相談や相続手続き(相続登記は司法書士業務ですが弊社のグループ司法書士法人が対応可能です)など、身近な法律手続きについて相談または手続きをすることが可能です。

東京都の条例制定

マンションの老朽化、住民の高齢化に伴い管理組合の管理不全の予防・改善のため、管理組合の機能強化を図る、より踏み込んだ施策が必要として、東京都は「マンションの適正な管理の促進に関する条例」を制定しました。この条例は次の3つの柱で構成されております。
1.都や管理組合、事業者等の責任の明確化
2.管理組合による管理状況の届出
3.管理状況に応じた助言・支援等の実施
このうち管理組合に実際に必要な手続きとしてかかわってくるのが2の管理組合による管理状況の届出です。

管理組合による管理状況の届出

届出を求めるマンション(昭和58年の区分所有法改正以前に新築されたマンションのうち、6戸以上のもの)の管理組合は、5年ごとに管理状況を届け出ることが必要です。届出方法は以下の2つの方法から選ぶことができます。
〇管理状況届出システムへの入力(推奨)
〇マンションが所在する市区町村への届出書の提出

注意事項

届出書のうち、「管理不全を予防するための必須事項」の欄の何れか1つに「なし」がついている場合、都庁の職員による個別訪問の対象となり得るので管理不全を予防するための必須事項は必ず履行しているように注意することが必要です

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