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黒住 准 Jun Kurozumi

この記事の著者

黒住 准 Jun Kurozumi

インターナショナルコンタクトパートナー  / 公認会計士(米国)

ポーランド進出を通じたウクライナへのアクセス

2023年7月24日

ポーランドはウクライナと約530kmにわたり国境を接しており、歴史的な繋がりも深いです。また、ロシアによるウクライナ侵攻以降、ポーランドはNATOによるウクライナ支援の最前線となっており、今後はウクライナ復興支援の拠点となることも予想されます。

ウクライナ復興支援に向けた世界の動き

2023年6月21日・22日、ロンドンでウクライナ復興支援会議が開催され、①パートナー国による総額600億ドルの追加支援、②世界銀行に対する英国の30億ドルの追加保証、③EUによる最大500億ユーロの資金供与、④米国による13億ドルの追加援助策が取りまとめられました。また、民間企業の関与促進に向けて「ビジネスコンパクト」という枠組みが発表されました。

ビジネスコンパクトとは

ビジネスコンパクトとは、ウクライナ復興支援への賛同を示す民間企業による枠組みです。本枠組みの意義としては、「(適切なタイミングを捉えて)ウクライナに関する貿易、投資、同業者間の知見共有及びプロボノ活動の機会を探すことでウクライナ復興を支援することにコミットすること」とされています。具体的なアプローチとしては、①ウクライナにおける事業機会への投資、②ウクライナを拠点とする企業との協業、③各企業の事業目的に合致する範囲で、ウクライナ全土の発展と経済成長の支援が挙げられています。

世界42カ国から約500社が本枠組みに署名しており、署名した企業リストも公表されています。日本企業としては、富士通、富士フィルムのオランダ法人、日立製作所、IHI、日本工営、楽天グループ、東洋エンジニアリング及び日本たばこ産業のウクライナ法人の名前がリストから確認できます。また、会計事務所としてはデロイト、KPMG及びE&Yが署名をしているようです。

日本の動き

日本政府としては、戦時下における武器提供といった直接的な支援ができないこともあり、ウクライナ復興支援に積極的に関与する姿勢を示しています。具体的には、既に世界銀行が設置する基金への資金拠出、世界銀行からウクライナに対する融資への保証提供等を行っています。

また、地雷対策、エネルギー、水衛生保健、教育、農業といった分野で、スタートアップを含む日本の企業の貢献を期待しているようです。

ウクライナ進出の前段階としてのポーランド進出

今後、世界、そして、日本の民間企業によるウクライナの復興支援に向けた準備は、徐々に進んでいくものと思われます。一方で、本記事の執筆日現在、ウクライナ全体には外務省の退避勧告が出されており、ウクライナ現地での活動は現実的ではありません。また、ウクライナ法人の設立・ビザ取得といった手続も平時とは異なる状況です(※現在、当社でもウクライナの法人設立支援等はお受けしておりません)。そのため、まずは、ウクライナと距離的に近く、かつ、経済的・文化的な繋がりが深いポーランドに現地法人を設立し、情報収集にあたるといったアプローチもあり得るかと考えます。

RSM汐留パートナーズについて

海外進出コンサルティングサービスを提供している当社、RSM汐留パートナーズ株式会社は、グローバルな視点から会計・ビジネスのアドバイザリーを提供するRSM Internationalの日本メンバーファームです。

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