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山本 翔大 Shodai Yamamoto

この記事の著者

山本 翔大 Shodai Yamamoto

アシスタントマネージャー

中小企業も狙われる時代——サイバー攻撃から守るために

2025年9月10日

「うちは中小企業だから狙われないだろう」——そんな風に考えていませんか?

残念ながら、サイバー犯罪者にとって企業の大小は関係ありません。狙われるのは、大企業だけでなく、中堅・中小企業(SME)や特定業種に限られることもなく、あらゆる組織が標的となり得ます。むしろ防御体制が十分でない企業ほど攻撃の被害を受けやすいのが現実です。

そこで今回は、サイバーセキュリティを守るために抑えるべき考え方(PPT)、最低限押さえておきたい5つの基本対策をご紹介します。

セキュリティにおけるPeople・Process・Technology(PPT)

情報セキュリティを効果的に実現するためには、People(人)・Process(プロセス)・Technology(技術)の3要素をバランスよく組み合わせることが不可欠です。いずれか一つが欠けると、セキュリティ体制は脆弱になり、サイバー攻撃や内部不正への耐性が低下します。

1. People(人)

セキュリティの最前線に立つのは「人」です。いかに高度な技術を導入しても、利用者が不適切な操作や不注意を行えば、攻撃者に付け入る隙を与えてしまいます。そのため、従業員教育や意識向上、役割に応じた責任の明確化が重要です。経営層から現場社員まで、全員がセキュリティ文化を共有することが組織防御の基盤となります。

2. Process(プロセス)

組織的なルールや仕組みを整備することで、セキュリティ対策は継続的かつ再現性を持って機能します。アクセス権限管理、インシデントレスポンス手順、定期的な監査・レビューなど、明確なプロセスを策定・実行することにより、安定したセキュリティ水準を維持が期待できます。

3. Technology(技術)

技術はセキュリティを支える強力なツールです。ファイアウォール、EDR/XDR、暗号化、多要素認証、脆弱性管理ツールなど、最新の技術を活用することで高度化する攻撃に対抗できます。ただし、技術はあくまで支援手段であり、PeopleやProcessと連携して初めて最大の効果を発揮します。

People(人)

基本対策1 フィッシングメールを見抜く力を養う

最も多い侵入経路のひとつがフィッシング攻撃です。「人」が第一の防衛線であることを忘れてはいけません。従業員に定期的なセキュリティ研修を行うことで、怪しいメールを見抜き、重大な被害を未然に防ぐことができます。

Process(プロセス)

基本対策2 退職者のアクセス権限を即時削除

セキュリティ上の盲点となりやすいのが、退職者や異動者のアカウントです。アクセス権限を放置すると、不正利用や情報漏えいのリスクにつながります。人事異動や退職のタイミングで、即時に権限を削除するルールを徹底することが大切です。

基本対策3 インシデント対応計画を準備しておく

どれだけ対策を講じても、攻撃や事故を「ゼロ」にすることは困難です。そのために必要なのが インシデントレスポンス計画です。あらかじめ手順を明確にし、定期的に訓練を行っておくことで、被害を最小限にとどめることができます。時間・コスト・信用を守る最後の砦といえるでしょう。

Technology(技術)

基本対策4 多要素認証(MFA)の導入

従来の「IDとパスワード」だけでは防御力は不十分です。MFA(Multi-Factor Authentication)を導入することで、システムやアカウントに対する不正アクセスを大幅に減らすことができます。追加の認証プロセスが、サイバー攻撃に対する強固な壁となります。

基本対策5 自動バックアップの仕組みを構築(クラウド+ローカル)

ランサムウェアやシステム障害に備えるには、バックアップが不可欠です。バックアップは「あるだけ」でなく、定期的に動作確認をすることが重要です。クラウドとローカルの両方に自動バックアップを設定することで、いざというときの保険となります。

RSM汐留パートナーズのサイバーセキュリティサービス

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特に当社のITコンサルティングチームは、単なる技術的対策にとどまらず、業務フローやガバナンスまでを含めた包括的なアプローチを得意としています。

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