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松橋 亮太 Ryota Matsuhashi

この記事の著者

松橋 亮太 Ryota Matsuhashi

パートナー  / 税理士

納税管理人としての事例:日本に恒久的施設(PE)を持たない外国法人の納税の要否

2023年10月8日

本日は、RSM汐留パートナーズ税理士法人が納税管理人を務めさせていただいている外国法人の事例をご紹介いたします。

日本に進出した大手自動車部品メーカー(ドイツ法人)

RSM汐留パートナーズ税理士法人は、外国法人である大手自動車部品メーカー(ドイツ法人)の納税管理人に選任していただいております。

こちらのクライアントは、ドイツ法人ですが日本には子会社や支店がありません。そのため、恒久的施設(PE)を持たない外国法人となります。そのため法人税や法人住民税・事業税は納税義務はありません。

しかしながら、日本で消費税法に規定する国内取引が発生しているため、消費税の納税義務が生じています。したがって、毎年会計帳簿を作成して、消費税申告書を作成・提出し、消費税の納付を行う必要があります。

日本に進出した航空会社(中国法人)

RSM汐留パートナーズ税理士法人は、外国法人である大手航空会社(中国法人)の納税管理人に選任していただいております。

こちらのクライアントは、中国法人ですが日本には子会社や支店がありません。日本には法律的な拠点がないものの、飛行機が日本に就航しております。

当該航空会社は、恒久的施設(PE)を持たない外国法人となりまして、そのため大手自動車部品メーカー(ドイツ法人)と同様に、先ほどの法人税や法人住民税・事業税は納税義務がないのですが、日本で消費税法に規定する国内取引が発生しているため、消費税の申告義務が生じています。

当該航空会社は、日本国内で経費の支払い等が発生しており、仕入れ税額控除が取れますので、毎期消費税が還付申告となります。毎年会計帳簿を作成して、消費税申告書を作成・提出し、消費税の還付請求を行う必要があります。

ご提供させていただいているサービス

(1)納税管理人業務

非居住者である外国法人は、様式通達第9号様式を提出し納税管理人を選任する必要があります。RSM汐留パートナーズ税理士法人では消費税の納税管理人を担当させていただいております。基本的には毎年1年ごとの契約をさせていただいております。
(参考)国税庁ホームページ「非居住者である外国法人に係る申告手続等の方法

(2)外国語対応業務

お客様からのご質問等に対して、英語又は中国語でのご質問に直接ご対応しております。日本にPEがないお客様は、日本語ができるスタッフを抱えていないケースがとても多く、弊事務所のバイリンガルスタッフが外国語にて外国法人のサポートをさせていただいております。

(3)消費税申告関連業務

消費税の申告にあたって必要な会計帳簿の作成と消費税申告書を作成しております。消費税の納付となるか、還付となるか、その時の状況によりまちまちですが、会計帳簿が適正な税務申告の基礎となりますため、とても重要な業務です。英語による帳簿作成も行っています。

(4)税金納付・還付代行業務

消費税の納付・還付代理業務を行っております。消費税の納付が必要な場合には、お客様からいったん弊事務所の日本の銀行口座に海外送金でご入金をしていただき、納税を行います。還付となる場合には、いったん弊事務所の日本の銀行口座に税務当局から還付をしていただき、海外送金でお客様の海外銀行口座へお振込みいたします。

このように、RSM汐留パートナーズ税理士法人では外国法人・外資系企業の経理部門向けに納税管理人をはじめとしたさまざまな税務や経理サポートを行っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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