細則主義(Rule-based)と原則主義(Principle-based)
1.細則主義(Rule-based)
細則主義の特徴としては以下の点が挙げられます。
①基本的な原則に加え、詳細な規定がある実務指針やガイダンス(Q&A)などが存在する
②事例に関しての詳細なルールや数値基準(5%ルールなど)が存在する
細則主義においては、基準や実務指針に定められたルールに反しなければ、経済実態を適切に反映しないような形式的な会計処理を行うことが可能となる場合があり、この点が問題点であるといわれています。なお、日本の会計基準は、細則主義であるといわれています。
2.原則主義(Principle-based)
原則主義の特徴としては以下の点が挙げられます。
①基本的な原則としての会計基準等のみが設定されている
②事例に関しての詳細なルールや数値基準はない
原則主義においては、詳細な会計基準等がないため、企業ごとに経済的実態をよく理解したうえでの判断、会計処理を行う必要があります。したがって、企業の負担増につながるといわれています。
3.監査法人との議論
原則主義になると、監査法人との議論が非常に重要になります。最終的な判断は、企業自身で行うことは言うまでもありませんが、企業はなぜその会計処理を行ったのかについての合理的な説明を行う必要があります。その説明を監査法人がジャッジすることから、今後は監査法人との密なコミュニケーションが不可欠になると思われます。
4.開示書類への影響
原則主義になると、会計処理の判断の説明を詳細に「注記」という形で開示する必要があるといわれております。したがって、原則主義になると、財務諸表の注記のボリュームが増え、実務負担が増加することが予想されます。
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