研究開発費の資産計上について
日本基準とIFRSでは、研究開発費に対する考え方が大きく異なります。
日本基準では、「研究開発費に係る会計基準」において、「研究」「開発」を、次のように定義しています。
●「研究」とは、新しい知識の発見を目的とした計画的な調査及び探求をいう。
●「開発」とは、新しい製品・サービス・生産方法(以下、「製品等」という。)についての計画若しくは設計又は既存の製品等を著しく改良するための計画若しくは設計として、研究の成果その他の知識を具体化することをいう。
日本基準では、「研究開発費は、すべて発生時に費用として処理しなければならない。」と規定されています。
ところで、日本ではかつて試験研究費は、「繰延資産(試験研究費)」として資産計上が認められていた時代がありました。しかしながら、
・内外企業間の比較可能性が阻害
・国際的調和の観点
などを理由に、研究開発費は、すべて発生時に費用処理とすることとしたのでした。
IFRSでは、資産価値を適正評価するという観点から、「開発局面」における支出について、「一定の要件」を満たす場合無形資産として計上することが必要であるとしています。 すなわち、日本基準は再び、研究開発費の一部を資産計上することとなるわけです。
IFRSでは、「研究」「開発」を、次のように定義しています。
(「研究開発費に関する論点の整理」(企業会計基準委員会)より)
●「研究」とは、新しい科学的または技術的な知識および理解を得る目的で実施される基礎的かつ計画的調査をいう。
●「開発」とは、事業上の生産または使用の開始前における,新しいまたは大幅に改良された材料、機械、製品、工程、システムまたはサービスによる生産のための計画または設計に関する、研究成果または他の知識の応用をいう 。
IFRSにおいては、資産の創出過程である研究開発を、「研究局面」と「開発局面」との2段階に区分して、それぞれについて会計処理を定めています。したがって、上記の「研究」「開発」の定義は重要となります。
「研究局面」の支出はすべて発生時の費用として認識します。一方で、「開発局面」の支出は以下の6つの要件をすべてを満たせば、「無形資産」として資産計上しなければなりません。研究局面と開発局面が区別できない場合には、すべてを研究局面とみなして、支出額を発生時に費用処理することとなります。(IAS38 無形資産)
<一定の要件>
①無形資産を完成させることが技術的に実現可能であること
②無形資産を完成させ、使用・販売する意図があること
③無形資産を使用・販売する能力があること
④無形資産が経済的便益をもたらす可能性が高いこと
⑤無形資産を完成させ、使用・販売するために必要な資源を入手できること
⑥無形資産に帰属する支出を信頼性をもって測定できること
計上した無形資産については、耐用年数で規則配分(償却)していきます。耐用年数といっても難しいでしょうが、耐用年数が決まっていない場合には、償却してはならないとされています。
IFRS導入による影響は、情報通信業、自動車産業などにおいて大きいものと推測されます。
●電話でのお問い合わせ先
![]()
月~金(平日)午前9時半~午後6時の時間内でお願いいたします。


























