建設業の論点~許可を受けるための要件としての「営業所」の「概要及び求められる要件」と自宅兼営業所の可否~
2023年9月26日
独立性のあるオフィスの確保
営業所とは、工事請負契約を締結するにあたり見積、入札、契約等を行う事務所のことをいい、独立性が確保されていることが求められます。独立性の確保とはわかりやすく言えば専有の部屋があるレンタルオフィスや自己所有のオフィスがこれに該当します。一方、コワーキングスペースなど専有の部屋がないような場合は建設業でいう営業所には該当しません。
オフィスが自己所有の場合は登記事項証明書、レンタルオフィスの場合は賃貸借契約書を提出します。また同一フロアに他法人がある場合も営業所として申請は可能です。ただし営業所のスペースが他の法人と明確に区分されていることが必要で、申請の際には入口から事務所までの動線、間取図や写真でこれを証明することが求められます。
営業所にもとめられる要件
- 外部から来客を迎え入れ、請負契約の見積り、入札、契約締結等の実体的な業務を行な
っていること - 電話・机・各種事務台帳等を備え、契約の締結等ができるスペースを有し、他法人又は
他の個人事業主の事務室等とは間仕切り等で明確に区分されていること - 経営業務の管理責任者、令第3条の使用人、専任技術者が常勤していること
- 営業用事務所として使用権限を有していること
- 看板、標識等で外部から建設業の営業所であることが分かる表示があること
1について:
執務スペースの他に来客用のスペースの確保も求められます。
2について:
電話は固定電話が必須です。
3について:
専任技術者など建設業許可に必要な要件を満たした人材が常勤していなければなりません。またこれら建設業許可に必要な人材は営業所へ通勤することが可能な圏内に居住していることがもとめられます。
4について:
自己所有の物件でも構いません。またレンタルオフィスの場合は賃貸借契約書の締結が必須です。
5について:
通常はポストや郵便受け、営業所の入口部分に商号等を掲示します。
住宅の一部を営業所にすることは可能か
住宅の一部を営業所にすることは可能です。ただ営業所と居住部分が明確に区分されており且つ、動線で被らないなどの注意が必要です。賃貸住宅の場合、使用目的が居住用に限定されている場合は営業所にすることはできません。同一フロアに他法人がある場合と同様、申請の際には入口から事務所までの動線、間取図や写真で営業所と居住部分が明確に区分されていることを証明することが必要です。