日本における生活で外国人労働者が不便に感じることとは
2022年11月22日
外国人は、日本は治安が良くて安全、また秩序が守られていて生活しやすいと感じることが多いようです。その一方で、さまざまなことに対して「不便だ」と感じている外国人もいるといいます。
文化が違えば、不便さを感じる場所はもちろん異なります。しかし、日本が今後、多くの外国人観光者や従業員、外資系企業を受け入れていくことを考えると、外国人が何に対して不便と感じているのかを確認しておくことは非常に重要です。そこで今回は、外国人が日本の生活で不便だと感じること7選を紹介します。
外国人が感じる日本の不便なところ7選
では早速、外国人が感じる日本の不便なところ7選を紹介していきたいと思います。
(1)言葉
まず挙げられるのが「言葉」です。多くの外国人は日本で言葉の壁を感じ、不便だと感じるといいます。
日本でもグローバル社会に向けて英語に力を入れる人材が増えていますが、日本人の英語レベルはまだまだ低いのが現実。国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」が2019年に英語を母語としない国を対象に行った英語力調査では、韓国や中国、シンガポールやマレーシアなどアジア各国が50位以内にランクインする中、日本は100ヶ国中53位で、先進国の中で見たら最下層に位置しています。
これにより、外国人が意思疎通を図ろうとしても会話にならないことが多々あるといいます。
かといって、外国人に日本語の力を求めるのはなかなかに困難です。日本語はひらがな、カタカナ、漢字の3つの文字があるため、外国人にとって読み書きが非常に難しいといわざるをえません。また、発音や語順、尊敬語や謙譲語など、独特のルールも多くあります。そのため、ビジネス目的の外国人も、観光目的の外国人も、言葉の壁に対して不便さを感じているようです。
(2)電車の乗り換え
日本の首都圏では、電車や地下鉄が非常に細かく張り巡らされており、移動が簡単という利点があります。しかしながら、路線が多くなることで生じた問題が「駅の複雑化」です。どの路線に乗ればよいのか、どの電車が目的地にたどり着くのかがわからず、外国人は苦しむといいます。
たとえば、日本で最大の利用者数を誇る新宿駅や、巨大なターミナルである東京駅において、読者のみなさんも迷子になったことがあると思います。日本人でもわかりづらく、不安を感じる日本の駅事情は、外国人にとってはより怖い場所だと考えられます。
確かに最近では、日本語表記の上下に英語表記がされていることが一般的ですが、表札は読めてもわからない、というのが外国人の生の声です。もし、みなさんが外国人と駅で待ち合わせをする際に、おそらくわかるだろうと手短に説明した場合、外国人は大きな不安と戦っているかもしれません。日本の駅は、外国人にとって非常に複雑と感じているようです。
(3)賃貸契約が難しい
短期の場合はホテルなどを利用すれば良いのですが、長期の滞在となると、日本でアパートやマンションを借りることがほとんどです。しかし、外国人が住居を借りるのは、日本人とは比べものにならないくらい複雑な場合があります。
まず、住居によっては、外国人の入居が不可です。これは、何か問題が起こった場合にすぐに対応できないなどが理由です。また、外国人でもどこの国から来たのか、収入はどれぐらいあるのかなどを厳しくチェックされます。なぜなら、収入が少ない場合、家賃を払ってもらえない場合があるからです。
このように日本側にもれっきとした理由はあるのですが、総じて外国人の住宅探しは難航します。そのため、住居探しが非常に不便だと感じる外国人が多くいます。
(4)ビジネス文化
「空気を読む」や「オブラートに包む」などの言葉がある通り、日本では直接的に意見などを言うことはほとんどありません。そして婉曲的な表現や、相手の様子や雰囲気などから情報を得て相手の真意を理解します。
日本人同士でももちろん難しい場合がありますが、外国人にとってはより一層難しいと予想されます。入社の際に「感じたことがあったら何でも言ってね」と言われたため意見を述べたら、周りから冷たい目をされたという経験がある外国人は多いようです。
外国人からすると「日本人はハッキリしない。何を考えているか分からない」と感じるようです。一方、日本人はストレートに物事を言う外国人に対して「思いやりが欠けている。協調性がない。失礼な人」などの印象を持ちます。その結果、お互いに円滑にビジネスを進めたいと思いながらも歯車が合わず、良好な関係を築くことが難しくなります。
また、日本では社内や取引先との関係構築のため、飲み会や接待がごく当たり前ですが、そのような文化や考え方がない外国人は困惑することもあるようです。特に『仕事以外の時間は家族と一緒に過ごしたい』『自分のために時間を使いたい』と考えている外国人にとっては、飲み会や社内イベントはプライベートな時間を妨げるものとして苦痛に感じることがあるようです。
(5)宗教
日本では年末にクリスマスを祝い、年始にお寺や神社へ初詣に行くなど宗教に関連する行事が行われています。しかし、それらは信者として行っているものではなく、単なるイベントとして行っていることがほとんどです。そのため、イベントに宗教的な意味や価値を置く外国人から見ると、不思議に感じるようです。
また、日本では宗教的な理由によって禁止された食材がほとんどありません。最近ではハラル認証やハラルフードという言葉も増えつつありますが、まだまだ宗教に対応した食事や飲食店が少ないのが現実であり、外国人は食事選びにおいて不便さを感じることがあります。
(6)温泉・タトゥー
日本人同様、温泉が好きという外国人も多くいます。日本ではタトゥーや入れ墨は反社会的勢力が入れるものとして認識されているため、温泉や銭湯など公衆浴場ではタトゥーを入れている人の入浴はお断りとされています。
しかし、海外ではオシャレとしてタトゥーを入れる人も多く、ファッションの1つとして親しまれています。しかしながら日本では、タトゥーが理由で、温泉や大衆浴場での入浴が拒否されます。これはタトゥーというものに対する見方、考え方の違いが主な原因ですが、日本独特のタトゥーの考え方に対し、不便さや不満を感じる外国人も多いようです。
(7)役所での手続き
外国人が何かの申請のために役所に出向いたときに、さまざまな不便さを感じるといいます。たとえば、質問をしようとしても英語が話せるスタッフがおらず、数時間待たさせることがあります。また、書類は日本語で準備されており外国人は読めません。さらには英語で名前を記載したら、日本語で書いてくださいと言われることまであるといいます。
日本で生活するための書類を得る際もですが、ビジネスに関する書類を集めるのはもっと大変といいます。外国人が日本でビジネス関連書類を集める際には、時間に余裕を持ち、しっかりと準備をしたうえで臨んでください。
おわりに
今回は、外国人が感じる日本の不便なところ7選を紹介しました。日本人であれば当たり前でも、外国人にとっては非常に不便と感じることが多くあります。もし外国人のサポートをしたり、外国人とビジネスをする際には、ぜひ参考にしてください。
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