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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

この記事の著者

景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

倉庫業の種類・登録基準と許認可の取得方法の論点とは

2021年8月19日

倉庫業とは

「寄託(預け頼むこと)を受けた物品の倉庫における保管を行う営業」を倉庫業と定義されており(倉庫業法第2条第2項)、倉庫業を行うには、国土交通大臣の行う登録を受けなければなりません(同法第3条)。ここでは、倉庫業の概要、要件、注意事項等について説明します。
※上記かっこ内の定義の表現を平易にすれば、「お客様の荷物を(一定期間)責任をもって保管することで報酬を得ること」となります。
一般的に、「倉庫」といいますと、大きいものですといわゆる物流倉庫、小さいものですとトランクルームを思い浮かべる方も多いかもしれません。当然、条件を満たせば、これらについても、倉庫業法における「倉庫」に該当しますが、実際に建物はなくとも、木場のように水上に原木等を浮かせておく場合(水面倉庫)や、鋼材・瓦などを屋外の広場で野積みする場合(野積倉庫)も、同法における「倉庫」に当てはまり、登録が必要になることがあります。

(1)倉庫業として登録を要するものとしないもの

倉庫業の登録が必要かどうかについては、保管様態や扱うものについて一定の基準があります。具体的には、1)他人の物品を保管し、2)寄託契約が存在し、3)一時的な預かりではなく、4)銀行法等で定める有価証券などの保護預かりでないのであれば、倉庫業法第3条に該当し、倉庫業の登録が必要となりますが、1)~4)のいずれかにあてはまらない場合には、同登録は不要となります。たとえば、寄託契約が存在しても、コインロッカーや駐車場などは、一時的な預かりとして、倉庫業の倉庫には該当しませんし、貴金属を保管する場合も通常は管轄所管が財務省であるため、国土交通省における倉庫業の登録は不要となります。

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(2)「倉庫」の種類

倉庫業法における営業倉庫の種類は次の8種類です。

一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、野積倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫、冷蔵倉庫、水面倉庫

どの営業倉庫に当てはまるかによっても、申請書類や倉庫基準が異なりますので事前に確認が必要となります。(保管物品制限がない倉庫であって10℃以下の保管物品を扱わない一般的な倉庫は「一類倉庫」に該当し、登録件数が一番多い営業倉庫です。)

(3)「倉庫業」の登録基準

倉庫業の登録基準としては、先述のとおり営業倉庫の種類により違いはありますが、次の3点に注意する必要があります。
1) 倉庫業申請者として欠格事由に該当していないどうか
2) 倉庫候補の建物等が営業倉庫の施設設備基準に該当しているどうか
倉庫となる予定の建物が建築確認申請を完了していることだけでなく、用途制限がある土地に立地していないかどうかも事前に確認が必要です。土地の用途(住居系、市街化調整区域でないかどうか)に関しては事前に市区町村役場にて確認することができます。
3) 倉庫管理主任者になる者がいるかどうか
倉庫における火災の防止とその他倉庫施設の管理(メンテナンス)及び保管・荷役業務の管理を行う者を倉庫管理主任者として選任しなければなりません。実務経験等で倉庫管理主任者の要件を満たさない場合は、事前に国土交通省の定める講習を修了する必要があり、定員に達すると予約終了となってしまうため、注意が必要です。

登録手順

倉庫業の登録手続きの流れは、下記の通りです。一番重要なのは、1)の事前準備です。この段階で、候補物件及び候補立地で倉庫業を登録の申請を進める上で障害はないか、そもそも倉庫業の登録が必要となる様態か等を確認します。土地・建物が決定後の変更は経済的・時間的に大きな損失となり得ますので、土地・建物に関する契約・購入等をする前にお問い合わせ頂ければ確実です。
1) 事前準備
2) 登録申請書の作成・提出
3) 審査(標準処理期間:申請書提出から概ね2カ月)
4) 審査完了、登録通知書の受領
5) 登録免許税の納付(登録免許税:9万円)
6) 営業開始及び倉庫料金の届出

その他

倉庫業を取得することで、税制上の特例措置(①事業所税資産割の控除、②事業所税従業員割の控除)を受けることができる場合があります。弊社の税理士法人内には、この分野に精通した税理士等が多数在籍していますので、登録申請だけでなく登録による税務上のメリットに関するシミュレーション等の情報提供も可能です。

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