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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

駐在員の日本入国が可能になるその他の在留資格「短期滞在」とその判断要素としての報酬の有無

2023年9月14日

短期滞在という選択肢がある

駐在員が日本で仕事を行う場合必ずしも企業内転勤の在留資格を取得しなければならないかといえばそうではありません。日本に主張して行う業務連絡、商談、契約調印、アフターサービス、宣伝、市場調査その他のいわゆる短期商用は短期滞在として想定されている活動です。これらは外資系企業の業務遂行のために活動を行う目的で本邦に滞在する場合は、当該業務が当該外資系企業の外国における業務の一環として行われることが必要とされております。

また日本は69の国・地域に対するビザ免除措置を行っておりますので、指定されている国・地域の駐在員は査証申請をすることもなく、パスポートのみで短期滞在として入国することが可能です。査証免除国に該当する場合、日本に入国する際に許可される在留期間はインド及びタイは「15日」、ブルネイは「14日」、アラブ首長国連邦及びカタールは「30日」、その他の国・地域については「90日」となっております。

またメキシコ、アイルランド、オーストリア、スイス、ドイツ、リヒテンシュタイン、英国はビザ免除取極において6か月以内の滞在が認められておりますが、90日を超えて滞在する場合は、在留期間満了前に出入国在留管理局において在留期間更新許可申請を行う必要があります。

報酬の有無は重要な判断材料

駐在員に適切な在留資格が短期滞在かそれとも企業内転勤かを判断する1つの要素として報酬の有無があります。日本での役務提供に対し報酬を受ける活動は活動内容、報酬を受ける期間及び金額の多寡にかかわらず短期滞在の活動に該当しません。

またこの報酬の支払いは海外から日本からを問われませんので、たとえ海外の本店や会社から支払われてもそれが日本での労働の対価として支払われるのであれば短期滞在に該当せず、短期滞在の資格外の活動として違反になってしまいます。

海外で支払われている通常のサラリーで日本に来て機械の設置やメンテナンスなどアフターサービスを行う場合は短期滞在に該当します。日本の活動に対して報酬が発生しておらず、活動内容が海外の主たる業務に関する従たる業務としての活動になるからです。

短期滞在で来日した時の注意

日本では3ヶ月を超える滞在者に対して在留カードを交付しております。在留カードは公的機関からの住民サービスの提供、銀行口座の開設、携帯電話の契約、住宅の契約など様々なケースで求められます。短期滞在は90日の滞在を最大とする在留資格なのでこの在留カードが交付されません。そのため、銀行口座の開設など先に記載したような行為が行うことができません。

また企業内転勤の在留資格認定証明書交付申請を行った後、商談等のため短期滞在で在留中に在留資格認定証明書が発行された場合に短期滞在から企業内転勤へ日本国内で在留資格の変更が可能かという問い合わせを受けることがあります。大原則、答えはノーです。日本へ在留資格をもって入国する際には法務省(出入国在留管理局)と外務省(在外日本大使館/総領事館)で二重の審査を受けなければならないのが基本だからです。ただし、人道上の事由など「やむを得ない特段の事由」がある場合には、審査を受付け、許可されることもあります。

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