ホーム/コラム/許認可(営業ライセンス)/古物商の許可が必要か否かについて:警察庁が公開している具体的な基準とは
シェア
景井 俊丞 Shunsuke Kagei

この記事の著者

景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

古物商の許可が必要か否かについて:警察庁が公開している具体的な基準とは

2023年11月30日

今回は古物に関わるビジネスをはじめるにあたり、古物商の許可が必要か否かについて悩まれる方が多いことから警察庁が公開している具体的な基準を一部紹介いたします。現在、日本最大のフリマサービスであるメルカリやヤフオクなどのオークションサイトを通じて、手軽にネットで中古品を売買できる環境が備わっています。そのためメルカリなどは日本人だけでなく、日本に住む外国人の方も多く利用されているようです。ぜひ安心して古物の取引ができるように正しく基準を理解し運用して頂ければ幸いです。

なお、前提として古物に関しては古物営業法(以下、法という)という法律が存在し、盗品の売買の防止、盗品の速やかな発見を図るため、必要な規制を行い、窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復を目的としたルールが定められています。

「古物」について

法第2条第1項では「古物」とは、一度使用された物品もしくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう、という趣旨の内容が定められています。

さて、法の文中「使用のために取引されたもの」とは、自己が使用し、又は他人に使用させる目的で購入等されたものを意味します。したがって、小売店等から一度でも一般消費者の手に渡った物品は、それが未だ使用されていない物品であっても「古物」に該当する。例えば、消費者が贈答目的で購入した商品券や食器セットは、「使用のために取引されたもの」に該当するという基準があります。

他に法の文中「幾分の手入れ」とは、物品の本来の性質、用途に変化を及ぼさない形で修理等を行うことを意味します。例えば、絵画については表面を修補すること、刀については研ぎ直すことであるという基準があります。

「古物営業」について

法第2条第2項第1号では「古物営業」とは、古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの、と定められています。

さて、基準ではいわゆるリサイクルショップやバザー、フリーマーケットにおいて行われている取引が古物営業に該当するかどうかについては、その取引の実態や営利性等に照らし、 個別具体的に判断する必要があると説明されています。

例えば、無償又は引取料を徴収して引き取った古物を修理、再生等して販売する形態のリサイクルショップは、法第2条第2項第1号の「古物を売却すること」のみを行う営業として法の規制の対象から除外されるが、古物の買取りを行っている場合には、古物営業に該当する。一方、いわゆるバザーやフリーマーケットについては、その取引されている古物の価額や、開催の頻度、古物の買受けの代価の多寡やその収益の使用目的等を総合的に判断し、営利目的で反復継続して古物の取引を行っていると認められる場合には、古物営業に該当する。と定められています。

以上のように規準を定めていますが、フリーマーケットでの取引が古物営業に該当するか否かは総合的に判断するとしています。この論点は多くの方が注目しているはずなので、もう少し話を深堀します。

法第2条第2項第1号の内容から「古物を売却すること」のみを行う営業は古物営業に該当しないと考えられるので、自分自身が使用するために購入した洋服を、最終的にフリーマーケットやネットオークションで売却することは古物営業に該当しないため、古物商の許可が不要になりそうです。

ただし基準には古物の価額や、取引の頻度などを総合的に見るとフリーマーケットなどで売却することを目的として古物を買い取り(ここでは洋服を購入すること)する、いわゆる転売目的の取引と判断され古物営業に該当するので古物商の許可が必要になるという結論になります。

以上、警察庁が公開している解釈基準についてです。古物の取引はシンプルなためビジネスとしても始めやすいと言われています。また最初は自分が使用した物で不用品となった物をフリーマーケットで売り始めたことがきっかけで、それが自然に取引量が増加しビジネスへと繋がることもしばしばです。

そうした手軽に始められるビジネスであることから古物商の許可が必要であるか否かあいまいな状態にしたまま、またはそもそも許可自体の存在を認識していない方もいらっしゃいます。

もし、心配な方は気づかぬ間に法律に違反することがないように、事前に警察署や専門家へ相談してみると良いでしょう。

お問い合わせ