外国人による日本国内での古物営業開始に必要な手続:法人設立・許認可・在留資格
2025年4月21日
今回は外国に住んでいる外国人がこれから日本で古物商の許可が必要になるビジネスをはじめるまでの一般的な流れについて、より詳細に説明してまいります。
会社の設立
古物商の許可は個人でも会社でも取得することは可能です。ただビジネスとしてある程度の規模をもって取引をするのであれば会社として許可を取ることが多いでしょう。そのためここでは会社として許可を取得することを前提に話を進めます。
さて、まず何から始めるのか。それは日本に会社を設けることです。具体的には本店所在地(オフィスの住所)を管轄する法務局へ登記の手続きをすることになります。全体的な所要期間の目安は1か月ほどです。登記申請のための書類を作成し、日本の法務局へ必要書類を添付して申請するのですが、本人が申請することは現実的に難しいので、専門家へ依頼して手続きをすることが多いでしょう。
なお、登記をする前に営業所としてのオフィスを決めておく必要があります。オフィスの内見や賃貸契約をするために短期で来日される方はもちろんおりますが、来日せず海外にいたままで内見や賃貸契約を完結できる物件もあります。オフィスは古物商の必要なだけでなく後述のビザの取得にも関係してきます。
古物商許可の取得
会社の設立登記が無事に完了すると、次には古物商の許可を取得する手続きに入ります。所要期間の目安は2か月ほどです。許可の取得にあたっての注意点や流れは以前の記事で掲載しているので、ぜひそれらの記事も併せてご覧ください。本記事では古物商許可に必要な管理者についてだけ説明させて頂きます。管理者は常勤であることが要件ですので、営業所から通勤可能な日本の住所を有する必要があります。そのため外国に住んでいる外国人が管理者になることはできません。また古物商に関する業務を管理するため法令の理解や警察等との連携が必要なことから日本語を理解し、喋れる必要があります。
ビザの取得
日本でビジネスを行うためには在留資格(この記事では便宜上、ビザという)を取得するお手続きが必要になります。ご本人が会社の代表者になることが多いと想定されるので、会社経営の活動ができる『経営・管理』というビザを取得するためのケースで説明いたします。出入国在留管理局における審査所要期間の目安はこの記事の投稿日時点で3か月~6か月ほどです。ビザの申請においては会社の事業計画書が重要で、事業の継続性や明確性を出入国在留管理局が審査します。その際に出入国在留管理局の審査官は許認可を必要とする事業について、許認可の取得の有無を確認します。そのため古物商の許可はビザの前に取得することが望ましいです。
なお、予め日本に管理者を準備することができない場合は、外国人経営者が在留資格を取得後、日本へ来日し自ら管理者として古物商許可の申請をすることが可能です。この場合は上記2と3の順番が前後します。
以上、外国人が古物のビジネスをはじめるまでの簡潔な流れになります。会社設立後に、実際は銀行へ会社の法人口座を申し込んだり、税務署や年金事務所への届出も必要です。ただし、この記事では外国人特有の話にフォーカスしているので、設立、許認可、ビザの3点に絞って詳細に説明いたしました。弊社ではこれらの手続きについてまとめてサポートします。ぜひご相談ください。