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長谷川 祐哉 Yuya Hasegawa

この記事の著者

長谷川 祐哉 Yuya Hasegawa

パートナー  / 税理士

個人で所有している不動産を法人所有に変更すると税務上のメリットはあるか?

2023年5月18日

個人が所有している土地や建物などの不動産を法人が所有することになった場合、税法上のメリットはあるのでしょうか。答えは、メリット有りです。それは「個人と法人の税率格差によって節税できる可能性がある」からです。

不動産を法人所有に変更した際のメリットについて、詳しく紹介します。

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個人で所有している不動産を法人所有に変更した際の税務上のメリットとは?

日本では、法人の所得に係る実質的な税金の率、すなわち「実効税率」は、課税所得額の約30%となっています。一方で、個人の所得に係る税金の率は、日本居住者を前提とすると、課税所得額の0%~55%であると言われています。

このように、個人の所得に係る税金の率が法人の実効税率よりも高い場合には、個人で所有している不動産を法人所有に変更すれば、賃貸収入となる不動産所得に関しては、節税としてのメリットを得ることができます。

不動産を売却した際にかかる税金について

なお、不動産を売却した際にかかる税金についても、合わせて検討しておく必要があります。

譲渡した不動産を所有していた期間が5年超であれば、長期譲渡所得となり、所得税は「譲渡所得×20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)」となります。一方で、不動産を所有していた期間が5年以下であれば短期譲渡所得となり、所得税は「譲渡所得×39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)」です。

なお、「譲渡所得」は、単純に不動産が売れた価格とはなりません。その不動産を売るまでに、幾らか費用がかかっているはずです。例えば不動産を買った時の価格や費用(登記や購入手数料等)、また売る時にかかる費用(売却手数料等)などです。

これらの費用を不動産が売れた価格から差し引いたものが、譲渡所得となります。これを数式にすると、「譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用」となります。

おわりに

以上のように、将来的な不動産売却により短期譲渡所得の発生が予想されている場合には、不動産を法人の所有に変更することで、節税することができます。一方で、長期譲渡所得の発生が予想されている場合には、不動産を法人所有にしないほうが、節税できることになります。

この辺りのルールは非常に複雑ですが、きちんと理解し対策することで大きな節税効果が見込めます。

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