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池田 孝太 Kota Ikeda

この記事の著者

池田 孝太 Kota Ikeda

コンサルタント  / 申請取次行政書士

グローバル化において外国人労働者が感じる日本文化の特徴とは

2022年11月17日

グローバルの波が比較的遅かった日本ですが、昨今急激にグローバル化が進み、日本で働く外国人は増加しています。2020年には外国人労働者数が過去最高を記録し172万人を突破しました(厚生労働省しらべ)。

しかしながら、日本で働いている外国人は、日本での勤務を必ずしも肯定的に捉えているわけではありません。たとえば、転勤命令などにより自身の意思に反して日本で就労することになった外国人もいるのが実際です。

外国人が日本で気持ちよく働き、力を発揮してもらうためには、外国人が日本をどのように感じているのかを知ることが重要です。そこで本記事では、外国人が抱いている日本の印象について紹介します。

外国人が感じる日本の疑問点

株式会社エイムソウルは、外国人が感じる日本の疑問点について調査を行っています(参照)。その結果、以下のような結果が得られたとのことです。

コミュニケーション・ステレオタイプな人が多い。個々人にアジャストしてくれない。
・いいね!と言わないから、正しいかどうかわからない。
・口では大変ね、と言うが心で思っていない。
・人間関係に距離がある。
・答えが遠回し。直接言わない。
・本音と建て前がある。
・飲み会が多い。
・真面目に働く意識が強く、職場での会話が少ない。活気がない。
リーダーシップ・上司は敬わないといけない。
・新人は先輩の指示を仰いでからでないと仕事をしてはいけない。
・人によって言うことが違う。
・自分たちの責任を回避したい、と感じる発言や行動がある。
・上の人があまり話を聞かない。
・報告をしても、責任は自分にある。
・お願いをされるが、お願いをすると断られる。
・「見習い」と扱われると教えてくれない。
時間の感覚・始まりは守るが終わりを守らない。
・どうせ残業するからゆっくりしよう、という雰囲気。
仕事の考え方・貰っている給料以上に会社に貢献しろと言われる。
・日本人はLife for Work。アメリカ人はWork for Life。
・おもてなしは、ホストとゲストの関係の時だけだ。
・仕事のルールが多すぎる。
・暗黙のルールがある。
・変なルールであっても変更してはならない。
・段取りが多すぎる。やらなくてもいいだろうということがある。
・効率よくやると、さぼっていると言われる。
・同じことを何度もいろんな人から教えられる。
・新人は絶対電話を取らないといけない。
チームワーク・みんなやってるからお前もやれと言う。
・みんな苦しんでいるから一緒に苦しもうと言う。
・チームのことを考えるが、メンバーのことを考えない。

日本の特徴ともいえる職場ルールがずらっと並んでいるといったところでしょうか。外国人の多くは、日本の会社が持つこれらのルールに対して疑問を感じているようです。

外国人の中で特に話題になるのは日本人の「働き過ぎ」についてです。“Karoushi/Karoshi”という言葉が海外にも広まっており、日本人は働き過ぎというイメージをもたれています。そのこともあり、日本での仕事を敬遠したがる人々もいるのが実情です。

日本では効率的に働くことよりも、ただ長く働くことが評価されるという意見を海外の掲示板で見かけることがあります。筆者も海外でタクシーに乗ったとき、日本人のイメージは働き過ぎと言われました。このような長時間労働のイメージや実態は、日本で働きたいと考えている外国人の意欲を削ぐことになりかねません。

また、日本の通勤ラッシュ時の動画を目にした外国人の中には、ドアが開いて人混みの中に自ら埋まっていく日本人の姿や、駅員が乗客を押して社内に押し込んでいる様子に衝撃を覚えた人も多いようです。人口が集中している都市部の交通機関は、外国人にとって避けたいことの1つかもしれません。

外国人が感じる日本のよさ

外国人が感じる日本の疑問点を紹介しましたが、日本を賞賛する肯定的な意見ももちろんあります。例えば、以下の様なものです。

・日本人は礼儀正しい
・日本人は秩序を守って行動する
・日本はインフラが整備されている
・日本では電車やバスが時刻表通りに運行されている
・日本は経済的に豊かである

これらが高く評価され、日本に居住することに対して安心感を覚える外国人も多いようです。外国人と働く際に、相手の文化や考え方を尊重することは重要ですが、迎合してしまうと日本人の性格や考え方に魅力を感じている外国人が失望してしまう要因となるため、あくまでも相互理解を基本とし、互いに尊重し合うことが大切といえそうです。

外国人に立ちはだかる言語の壁

外国人が来日を躊躇う要因のひとつとして、やはり言語の壁があります。

日本語では「ひらがな「カタカナ」「漢字」の3種類全てが日常的に使われています。ひとつの言語で異なる文字が複数使われているというのは世界的に見ても稀であり、外国人にとっては極めて複雑に見えるため、日本語学習で戸惑う外国人が多いようです。

実際には漢字が多く使われているため、中国語圏など漢字が使われている国の出身者にとっては比較的ハードルは低いようですが、欧米などアルファベットが根付いている国の出身者にとっては極めて高い壁となります。

更に、日本人の英語力も外国人にとっては言語の壁となっています。英語が世界共通語になって久しいですが、日本の英語レベルが低いことは有名です。また、外国人観光客が街中で日本人に英語で話しかけても、意思疎通が出来ず助けを得られなかったという話も海外では広く知られているようです。

この言葉の壁をなくす、または、低くできれば、優秀な外国人材が日本で働くという選択をしやすくなるでしょう。そのためには、日本での就労を検討している、または就労している外国人が日本の文化や日本語を学ぶことと合わせ、日本社会全体が外国語への理解を深めることも大切です。

おわりに

本記事では、外国人が抱く日本の印象について紹介しました。日本を高く評価する声と、疑問に感じる声のどちらも存在するというのが実際のところです。もしあなたの会社で外国人人材を雇用しようとしているのならば、外国人が感じる日本の特徴についても理解しておくとよいでしょう。

文化や言語の異なる外国人を雇用することは、慣れていない企業にとっては予想以上に大変です。もし外国人の雇用やビザに関してお困りのことがございましたら、外国人雇用に関してトータルサポートを提供している弊社まで、お気軽にお問い合わせください。

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