日系人の特徴と在留資格、雇用する際のポイントとは
2023年3月14日
外国人の雇用を考えている企業であれば、日本の文化に精通し、日本語にも精通している可能性のある「日系人」を雇いたいと考える人も多いと思います。
しかし、日系人という名前はよく聞く一方で、「日系人とはそもそも何?」と疑問に思う方も多いと思います。本記事では、日系人とは何かを紹介するとともに、日系人の在留資格や、日系人を雇う際のポイントについて紹介します。
日系人とは?
恐らく、誰もが日系人という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。「日本にルーツを持つ人」という認識の方も多いと思いますが、正確な定義を説明すると「日本から海外へ移住し、その国の国籍などを取得した日本人及びその子孫」を日系人といいます。
例えば、ブラジルには多くの日系人がいると言われています。1900年代に約20万人もの日本人がブラジルに移住し、ブラジル人と結婚し、家庭を築きました。ブラジル人と日本人の間にできた子どもが日本国籍ではなく、ブラジル国籍を取得した場合、日系人と呼ばれます。現在では200万人を超える日系人がブラジルに住んでいると試算されています。
このように、日系人といえば日本人と外国人の間にできた子どもで、日本国籍ではなく外国の国籍を取得した人々を指すことが一般的です。もちろん外国の国籍を取得した日本人も指しますが、そのような日系人は非常に少ないのが現状です。
日系人の特徴
日系人にもさまざまなタイプがいます。たとえば、父親か母親が日本人の場合は日本とのつながりも強く、日本の文化に精通していたり、日本語を流ちょうに話せたりすることが多いです。
その一方で、祖父母や曾祖父母が日本人の場合、日本人の血は受け継いでいるけれども、日本とはほとんど関係なく過ごしていることも多々あります。その場合、日系人だからといって日本語が堪能に話せるわけではありません。
たとえば筆者の知り合いは、祖父が日本人であるため、日本語名も持っており、必要に応じて使い分けています。しかし、日本には行ったことがなく、日本語もいくつかの単語を知っている程度です。このように、日系人の経歴や背景、特徴などはさまざまであることを覚えておくとよいでしょう。
日系人の在留資格
日系人は多くの場合、外国の国籍を所有しているため、日本に居住するには在留資格が必要です。外国人が日本で働く場合には就労資格を得ることが一般的ですが、日系人またはその配偶者であれば就労制限のない「定住者」の資格を得られる可能性があります。
もちろん日系人が就労資格を申請することも可能ですが、就労資格では従事できる業務に制限がある一方で、「定住者」には制限がなく自由に仕事を選べます。
もしご自身または配偶者が日本国籍にルーツを持つ場合は、該当する在留資格をリストアップし、必要書類やそれぞれの要件を確認した上で、申請する在留資格を決定するのがよいでしょう。
日系人を雇う際のポイント
最後に日系人を雇う際のポイントについて紹介します。まず、日系人の中には「日系人」という言葉を嫌う人もいます。日系人という分類で関わるのではなく、あくまでも「尊重すべき一個人」として関わるようにしましょう。
また、日系人は上記でも紹介したように、さまざまな背景を持ちます。中には戦争中に外国に住んでいたため、地元住民から迫害を受け、非常に苦しい生活を送っていた日系人もいます。それらの背景を知らずに関わると、会話のふとした際に相手を傷つけてしまうことも起こりえます。
日系人だから日本文化に精通している、日本語が上手に話せるはずだという決めつけもよくありません。日本語能力が高い外国人を採用したい場合は、日系人という基準で選ぶのではなく、その個人がどのような能力を持っているかという視点で選ぶことが大切です。
おわりに
本記事では、日系人とは何かを説明するとともに、日系人の在留資格や日系人を雇う際のポイントなどを紹介しました。日系人を雇う際は、外国人を雇う場合とはルールが適用されることがあるため、しっかりと確認することが大切です。
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