古物商の許可の概要、申請手続き、注意点、「古物」の分類及び具体的な区分
2023年9月26日
皆さまの中には、自分で使っていた洋服や家電などいわゆる中古品をオークションで売った経験をお持ちの方がいるかと思います。現在はネットでの取引が非常に活発で、今後もその流れは止まることなく古物市場はより拡大するものと予想されます。一方で安全な流通取引を図るべく中古品販売には古物商の許可が必要になるケースがあります。この記事では古物営業を開始するための古物商の許可についてご説明いたします。
前述のとおり古物営業を開始する為には、古物商の許可を取得することが必要です。手続きとしては管轄の警察署に必要な書類を準備して申請することとなりますが、その前提として以下の点を検討する必要があります。そもそも古物営業とはどういう取引か?大きく分けると以下の3種類を指します。
なお本記事では1.に記載の『古物商』をメインに説明します。
- 古物を自ら又は他人の委託を受けて、売買又は交換をする営業(古物商)
- 古物商間での古物の売買又は古物の交換のための市場を経営する営業(古物市場主)
- 古物の売買をしようとする者のあっせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他政令で定めるものに限る。)により行う営業(古物競りあっせん業)
次に、古物営業法でいう「古物」とは何か? 大きく分けると以下の3種類を指します。
- 一度使用された物品
- 使用されない物品で、使用のために取り引きされたもの
- これらの物品に幾分の手入れをしたもの
さらに、具体的には古物営業法施行規則で次の13品目に区別されています。
- 美術品類(書画、彫刻、工芸品等)
- 衣類(和服類、洋服類、その他の衣料品)
- 時計・宝飾品類(時計、眼鏡、宝石類、装身具類、貴金属類等)
- 自動車(その部分品を含む。)
- 自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部分品を含む。)
- 自転車類(その部分品を含む。)
- 写真機類(写真機、光学器等)
- 事務機器類(レジスター、タイプライター、計算機、謄写機、ワードプロセッサー、ファクシミリ装置、事務用電子計算機等)
- 機械工具類(電機類、工作機械、土木機械、化学機械、工具等)
- 道具類(家具、じゅう器、運動用具、楽器、磁気記録媒体、蓄音機用レコード、磁気的方法又は光学的方法により音、影像又はプログラムを記録した物等)
- 皮革・ゴム製品類(カバン、靴等)
- 書籍
- 金券類(商品券、乗車券及び郵便切手並びに古物営業法施行令(平成七年政令第三百二十六号)第一条各号に規定する証票その他の物をいう。)
なお予定しているビジネスが古物営業に該当することを確認しつつ並行して、役員(個人許可申請の場合は本人)や管理者が古物営業の許可を受けられない者に該当しないか確認も必要です。その点を確認し問題なければ必要な書類を集めて管轄の警察署に申請をします。なお、古物担当の方は、各警察署に1名か2名の場合が多いです。提出する予定日が立ったら、事前に警察にアポイントを取ることをお勧めします。警察は110番の緊急対応もあり、アポイントをしないで申請に行くと、受付できない可能性も考えられるからです。
最後に、無事に申請が受け付けられた後、許可証の交付までに要する審査期間は都道府県によって異なりますが概ね40日から60日くらいです。許可が出ると警察署から連絡を頂くので、許可証を受け取り手続きは完了します。以上が古物の概要と許可取得のおおままかな流れの説明となります。次の記事では許可取得時の条件や注意すべき点を詳細に説明してまいります。
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