日本における外国人の資格外活動許可申請手続きの論点とは
2023年4月27日
本日は、「資格外活動許可申請」についてご紹介します。
資格外活動許可申請とは?
資格外活動許可申請とは、在留資格で定められている活動以外の活動を行い、報酬を受ける場合等に事前に必要となる手続をいいます。例えば、在留資格「留学」や「家族滞在」で日本に在留している外国人は、日本では当該在留資格により仕事をして収入を得ることは禁止されています。
ただし、資格外活動許可申請をして許可を受けることができれば、本来の在留活動を阻害しない範囲内で、アルバイト等の仕事ができるようになります。
この手続きを行わずにアルバイトをした場合には「出入国管理および難民認定法第19条」に違反することとなることから「不法就労」となり、雇用した企業は不法就労助長罪に問われる可能性があります。
資格外活動許可の種類
(1) 包括許可
代表的な例は「留学」「家族滞在」で在留中の方がアルバイト等の活動に従事することがあげられます。1週間に28時間以内の就労が可能です(「留学」には学則で定められた長期休暇の間は1日8時間就労可能です)。3にあげられる一般原則のうち、③を除くいずれにも該当する場合は、1つの勤務先にとらわれず、包括的に許可されます。
外国人の扶養を受ける配偶者若しくは子、又はそれに準ずる者として扶養を受ける者として日常的な活動を指定されて在留している方の「特定活動」。継続就職活動又は内定後就職までの在留を目的とする「特定活動」。「教育」、「技術・人文知識・国際業務」又は「技能(スポーツインストラクターに限る)」のうち、地方公共団体等との雇用契約により活動する方も包括許可の対象となります。
(2) 個別許可
原則として3の一般原則に該当する必要があります。包括許可の範囲外の活動について許可の申請があった場合や就労資格を有する方が、他の就労資格に該当する活動を行う時は、個々に許可されます。
許可の対象となる例は①留学生がインターンシップに従事して週28時間を超える資格外活動に従事する場合、②大学で稼働する「教授」の在留資格の方が民間企業で語学講師として稼働する場合(「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動を行う場合)、③個人事業主として活動する場合や客観的に稼働時間を確認することが困難である活動に従事する場合
資格外活動の要件(一般原則)
以下の要件にいずれにも適合する場合に資格外活動を行う相当性が認められ、許可されます。
- 申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものではないこと
- 現に有する在留資格に係る活動を行っていること
- 申請に係る活動が法別表第一の一の表又は二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く)に該当すること
- 申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと
ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
イ 風俗営業若しくは店舗型性風俗営業が営まれる営業所において行う活動又
は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業もしくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動 - 収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと
- 素行が不良ではないこと
- 本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っているものについては、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること