ホーム/コラム/許認可(営業ライセンス)/産業廃棄物収集運搬業許可の概要と手続きの留意点とは
シェア
景井 俊丞 Shunsuke Kagei

この記事の著者

景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

産業廃棄物収集運搬業許可の概要と手続きの留意点とは

2021年7月29日

産業廃棄物収集運搬業許可とは

産業廃棄物を「収集・運搬」を行うためには、都道府県に許可を申請する必要があります。ここでは、「産業」廃棄物の「収集運搬業」の許可申請について、概要や注意事項を中心に説明します。
廃棄物(不要物)は、「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に大別されます(廃棄物処理法第2条)。事業活動で発生したもののうち、指定の20種類の廃棄物の処理に該当する場合、その廃棄物は、「産業廃棄物」と区分されます。
※「産業廃棄物」のうち特に指定された有害なものを「特別管理産業廃棄物」と呼び、通常の産業廃棄物とは異なる扱い・申請となりますが、ここでは割愛します。)
※産業廃棄物以外のものを「一般廃棄物」といいます。

(1)処理業上の区分と積替保管

産業廃棄物を処理するためにはいくつかの工程があります。大まかに、1)排出、2)収集・運搬、3)最終処分の流れで産業廃棄物は処理されますが、産業廃棄物をA地点(排出元)からB地点(運搬先)へ移動する業務が、産業廃棄物収集運搬業許可の対象です。産業廃棄物収集運搬業において、ポイントとなるのは、収集・運搬した廃棄物を、申請主体の責任で特定の場所で中間処理(分別、減量化、再資源化)を行うかどうかという点です。この中間処理を行うことを産業廃棄物収集運搬事業において、俗に「積替保管」を行うといい、この「積替保管」を行うかどうかで、申請に係る工数、要件、関係法令が大きく異なることになります。当然、「積替保管」がある産業廃棄物収集運搬業許可の場合、申請自体の難易度が上がり、準備期間も長く要します。

(2)廃棄物の種類

廃棄物処理法(第3条)では、「事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適性に処理しなければならない」とあります。これは、換言すれば、法律で産業廃棄物の種類は定義されているものの、実務上は産業廃棄物かどうかの判断は事業者が自ら行い、処理しなければならないということになります。申請時にどの種類の廃棄物を扱うか明示する必要があるため、産業廃棄物として指定される20種類のうちどの種類の廃棄物を取り扱うのか事前に確認が必要です。(例えば、「くず」と名の付くものでも、紙くず、木くず、繊維くず、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くずのように、細かく種類分けされています。)

許可を得る手順とは

産業廃棄物収集運搬業許可の申請手続きの流れは、下記の通りです。先述のとおり、産業廃棄物の中間処理を行ういわゆる「積替保管」を行わない申請の場合は、基本的には下記の手続きのうち、1)~3)を経ず、申請書類を提出する内容審査から始まることが一般的です。
事前相談
事前計画書の審査
現地審査
内容審査
許可証の発行

注意事項

申請又はその準備段階の際に、下記について特に注意が必要です。

(1)自治体ごとに申請手続きに差異がある。

申請先は、各都道府県となりますが、地方自治体は地域の実情・環境等を考慮して、自主的・自律的な判断で産業廃棄物処理法を運用できるため、申請基準や手続きについては、都道府県で判断が異なる場合があります。

(2)産業廃棄物の種類を確認する。

許可申請では、許可を受けようとする産業廃棄物の種類を申請書に記載する必要があるため、どういう業種の排出先から出た産業廃棄物であるか、またそれらがどの種類の廃棄物に該当するのか事前に確認する必要があります。

(3)複数の許可が必要な場合がある。

産業廃棄物を積み込む場所(排出先)と降ろす場所(運搬先)が異なる都道府県である場合、原則、両方の都道府県知事の許可が必要となります。先述のとおり、都道府県によって申請基準が異なる場合があるため、事前に排出先と運搬先の住所を確認する必要があります。

(4)許可の更新と期限について留意する。

産業廃棄物収集運搬業の許可の有効期限は一部例外を除き5年です。許可の有効期限が切れる前までに更新の手続きを行わないと、許可が失効してしまいますので、ご注意ください。

お問い合わせ