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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

この記事の著者

景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

日本支店設置における駐在員事務所や日本支社との違いとは

2022年12月8日

外資系企業が日本に進出する際の1つの形態が「日本支店設置」です。本記事では日本支店について詳しく説明するとともに、他の進出形態である日本駐在員事務所や日本支社の設置との違いについても紹介します。

日本支店とは?

外国会社が日本で活動をする際には、会社は必ず日本に活動の拠点を持たなければなりません。拠点には、日本支社、日本支店、日本駐在員事務所の3つがあります。

この中の日本支店は、外国会社が日本に設置する営業所のことです。従って、市場調査、情報収集、物品の購入、宣伝広報活動、本社への情報の提供などを行う駐在員事務所と違って、日本支店では直接的な事業活動ができることになります。

なお、日本支店と日本支社は日本で事業活動を行うことができますが、日本支店は日本支社と違って、独立した法人格ではなく、あくまでも外国会社の本社の法人格に従属するものという考え方です。但し、日本支店として登記をしなければなりません。

日本支店と日本駐在員事務所、日本支社の違いは?

日本支店と日本駐在員事務所、日本支社の違いには、大きく分けて3つあります。

まず1つ目は、登記です。日本駐在員事務所は、登記の必要はありませんが、日本支店は支店の場所について登記しなければなりません。また日本支社にも、登記の義務があります。

2つ目は、営業活動です。先ほどご説明したように、日本支店は、営業活動を行うことができますが、日本駐在員事務所は営業活動ができません。なお、日本支社は日本支店と同様に、営業活動ができます。

最後の3つ目は、事業体です。日本支店は日本支社と同様に、事業体として認められますが、駐在員事務所は認められません。但し、事業体として認められている日本支店と日本支社には違いがあります。

日本支社は日本の法人としてみなされますが、日本支店はあくまでも外国会社と同一の事業体です。日本支店は、外国会社に従属するものと言う考え方ですから、日本支店で発生する債権・債務はすべて外国会社が負担することになります。当然、取締役、監査役、株主総会などの機関も、日本支店に設置する必要はありません。

日本支店を開設する場合には、日本における代表者及び営業所を定めて、支店開設登記が必要になります。登記が必要な点では、日本支社と同様です(駐在員事務所は不要)。

日本法人設立についてはこちら

日本駐在員事務所設立についてはこちら

日本支店を設置する手続きとは?

日本支店の設置の流れは、以下のとおりです。
(1)日本支店の代表者を決める。
(2)支店の住所及び商号を決定する。
(3)登記の申請を行う。
(4)日本支店で働く外国人に必要な在留資格を申請する。

外国会社が日本に支店を設置しようとする場合、まず代表者を決める必要があります。代表者は日本人でも外国人も構いませんが、代表者になる人は、必ず日本に住所を定めなければなりません。外国人が代表者となる場合には「企業内転勤」または「経営管理」の在留資格が必要です。

代表者が決定したら、支店として活動する物件を探し、賃貸契約を結ぶことになります。また、支店の商号を決めることになりますが、既に同じ商号が日本にないか調査しなければなりません。

支店の代表者、住所、商号が決まったら、登記申請の手続きを行います。必要な書類は、以下のとおりです。
・本店の存在を認めるに足る書面
・日本における代表者の資格を証する書面
・定款または会社の性質を識別するに足る書面

この他にも書類を要求される場合もあります。また、外国会社の本国の法制度によっては追加書類が必要なこともあります。また、設立登記の際には日本支店の代表者印の届出も合わせて行います。但し、設立登記の申請には、一般的に上記の証明文書の代わりに、登記に必要な事項を記載した「宣誓供述書」を提出します。

宣誓供述書とは、本国の管轄官庁、あるいは日本における領事などの外国官憲によって認証された書類のことです。具体的には、定款、業務方法書、議事録、任命書、契約書、会社案内、その他本国官庁による証明書を基に日本支店の概要を書類に記載し、外国の公証人や在日大使館領事等の認証権限がある人の前で宣誓を行い、本国の外国会社の代表者または日本における代表者が署名することになります。この手続きによって、公的に認証されます。

その後、必要書類を支店の住所を管轄する法務局に提出し、設立登記の申請を行います。登記が完了するまでは、支店の事業活動を行うことができません。登記申請書の提出から登記の完了までは、1~2週間程度です。但し、書類の不備や追加書類が必要な場合などは、この期間よりも長くなります。

最後に、支店に常勤で滞在する人を海外から招へいする場合には、在留資格を食する必要があります。例えば、本国の本社などに1年以上勤務した人が、本国から派遣される場合には「企業内転勤」の在留資格が必要です。また、日本で採用されて駐在員事務所に勤務する場合には、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が必要です。

なお、雇用する外国人が、既に「永住」、「定住者」、「日本人の配偶者等」と言った就労制限のない在留資格を持っている場合には、新たに在留資格を申請する必要はありません。
その他にも設立登記が終わったら、税務署へ届け出、社会保険の加入手続きなどが必要です。また、外国会社の支店設置は、外国為替及び外国貿易法に規定されている「外国投資家による対内直接投資等」に該当しますので、業種によっては事前または事後に、財務大臣及び所轄官庁大臣に対して、報告書を提出しなければなりません。

おわりに

本記事では、外国会社が日本進出を図る際の1つの形態となる日本支店設置について紹介いたしました。日本支店は、駐在員事務所と違って直接的な事業活動ができるなどの特徴があります。自社にとって相応しい進出形態を選ぶようにするとよいでしょう。

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