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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

外国人の日本語能力検定「JLPT」と「BJT」の概要と選択肢の比較

2022年11月15日

外国人が日本で働く際に一番の壁となるのが「言語」です。日本語は「ひらがな」「カタカナ」「漢字」の3つで構成されています。日本人でさえ長年かけて漢字を学習してきているのですから、外国人にとって漢字を含めた日本語をスラスラと読むことは簡単ではありません。

しかし、雇った外国人がまったく日本語ができないのでは業務に支障がでることもあるでしょう。できることならば、簡単な日本語が読める外国人を雇用したいと考える企業も多いと思います。
そこで今回は、外国人が日本語を一定の水準で使うことができることを示す日本語検定「JLPT」とビジネスに特化した日本語能力テスト「BJT」について詳しく紹介します。

外国人は日本語が話せなくても日本で働ける?

外国人が日本で働く際に「日本語が話せる」「日本語の文章が理解できる」ことは必ずしも必須のことではありません。日本で外国人を雇用するからにはそれなりの理由があるからで、英語でコミュニケーションがとれれば仕事には差し支えないことがほとんどです。
しかしながら、職種によってはそうはいえなくなります。たとえば昨今の教育現場で活躍する「外国人英語講師」は、主に英語で授業を行うため、英語が話せれば仕事はこなせます。しかし、英語が話せない児童とコミュニケーションが図れず、関係性の構築に困難を抱える人も多いといいます。
そのため、職種や仕事内容によっては、できる限り日本語が話せる・理解できる外国人を雇用したいと考える企業も多いと思います。しかし、日本語が話せるという基準は非常に曖昧です。外国人本人は日本語に自信があっても、実はまったくコミュニケーションがとれないということも起こりえます。
そのような問題を解決するために役に立つのが「JLPT」や「BJT」です。これらの検定や試験に合格、もしくは高得点を取っているようであれば、ある程度日本語に精通している外国人だと判断することができます。外国人を採用する際の1つの基準にするとよいでしょう。

日本語能力検定試験JLPTとは?

それでは、外国人にとって日本語の力を示す基準となるJLPTの詳細について紹介していきます。

JLPTの概要と世界での状況

JLPTとは「Japanese-Language Proficiency Test」の略で日本語では「日本語能力試験」と呼ばれます。国際交流基金と日本国際教育支援協会によって運営・実施されており、2018年は85の国と地域(249都市)で実施されました。2019年の受験者数は約120万人に達するなど、日本語を学ぶ外国人の間で大きな注目を集めている試験です。
N5からN1まで5つのレベルに区分されており、各レベルに見合った言語知識・読解・リスニングが行われます。それぞれのレベルが要求する目安は以下の通りです。

認定の目安
N5基本的な日本語をある程度理解することができる
N4基本的な日本語を理解することができる
N3日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N2日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N1幅広い場面で使われる日本語を理解することができる

N3やN2に合格している外国人であれば、ある程度の日常会話やビジネストークが可能になります。N1の合格基準は非常に高く、日本人であっても難しいと感じるほどの難易度ですので、N1レベルであれば外国人とは思えないほどスムーズにコミュニケーションがとれるでしょう(ただしJLPTにはスピーキングテストは含まれていません)。N5やN4レベルではビジネス現場においてスムーズなコミュニケーションを図ることは難しいですが、日本語が読める、複数の単語やあいさつを知っているという点においてまったく日本語がわからない外国人よりも優れたコミュニケーションを発揮します。
国別の受験数では、香港・マカオを含む中国人の受験生が圧倒的多数を占め、次いで台湾、韓国、ベトナムの受験者が多くなっています。アジア圏で特に人気の日本語検定といえます。

JPLTの受験に関して

海外の特定の都市や日本の指定場所にて受験が可能です。日本では7月と12月の年2回、全国の主要都市で実施されています。書店などで願書を購入して郵送する方法とインターネットから出願する方法があり、日本国内で受験をする場合の受験料は6,500円(税込)です。
海外で受験する場合、受験料や試験実施日は国や地域によって異なり、また、時期により試験の開催都市が異なるため、詳細は受験を予定している国・地域の試験実施機関へ直接確認するのがおすすめです。
試験実施機関などにつきましては、JLPTのWebサイトから確認することができます。なお、海外受験のための申込代行を行っている日本語学校などもありますので、ご自身で出願が困難な場合は、申込代行サービスを利用することもひとつの方法です。

JLPTに合格するメリット

日本には、在留に関して「高度な技術や専門性で日本に貢献する事のできる良質な人材」を認める高度人材ポイント制による出入国管理上の優遇制度という制度があります。
高度外国人材の受入れを促進するため、高度外国人材に対し、ポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置を講ずる制度が平成24年5月7日より導入されました。高度外国人材の活動内容を「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つに分類。それぞれの特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設け、ポイントの合計が申請要件である点数(70点)に達し高度外国人材と認められた場合、在留期間5年が一度に与えられるなど、いくつかの出入国管理上の優遇制度を与えられます。N1に合格しているとそれだけで15ポイントを得ることができるため有利だといえます。
また、起業に必要な勉強をするために国費留学する場合などは、日本人が海外留学する際にTOEFLや
IELTSが必要なのと同様、N1の合格が受験資格の一つになります。さらに外国大学医学部卒業生が日本の医師国家試験を受ける場合でも、N1取得が受験資格となります。獣医や介護福祉士など、その他の国家資格受験にもN1合格が前提となります。

ビジネス日本語能力テスト「BJT」とは

またJLPT以外に、最近注目されている日本語検定としてBJT(Business Japanese Proficiency Test)があります。日本語では「ビジネス日本語能力テスト」と呼ばれ、日本漢字能力検定協会が主催となって実施しています。日本語に関する知識はすでに取得しているという前提の元で実施され、ビジネスコミュニケーション、情報処理に関する能力を評価します。
試験内容は聴解テスト、読解テスト、及びこの2つを複合した聴読解の3つの形式から構成されており、満点は800点です。点数をもとに、6段階で評価をします。それぞれの得点と
主な日本語力は以下の通りです。

段階(得点)主な日本語力
J5(0~199点)日本語によるビジネスコミュニケーション能力はほとんどない
J4(200~319点)限られたビジネス場面で日本語による最低限のコミュニケーション能カがある
J3(320~419点)限られたビジネス場面で日本語によるある程度のコミュニケーション能力がある
J2(420~529点)限られたビジネス場面で日本語による適切なコミュニケーション能力がある
J1(530~599点)幅広いビジネス場面で日本語による適切なコミュニケーション能カがある
J1+(600~800点)どのようなビジネス場面でも日本語による十分なコミュニケーション能カがある。

6段階のうち、600点以上が必要なJ1+が最高レベルです。JLPTのN1合格者であってもBJTでは300点から700点の間であることが多く、J1+レベルに達している人はごく僅かです。

JLPTのN1に合格した日本語の語彙・文法など知識が多くある人でもビジネス場面での運用能力には大きな開きがあることがBJTで明らかとなっています。語彙力や文法力だけでなく、ビジネスシーンでの日本語スキルを測りたい、または証明したい方は、BJTの受験を検討するとよいでしょう。
試験はJLPTと同様に日本国内・海外いずれでも受験が可能です。試験実施日・実施場所が限定されているJLPTと異なり、BJTは各地のテストセンターで受験可能で、自身の都合に応じて日時と会場を選ぶことができます。また、結果は即日判明します。尚、日本国内で受験する場合の受験料は7,000円(税込)で、インターネットから出願可能です。

おわりに

今回は、外国人が日本で働く際に必要となる「日本語能力」をはかる指標として人気のJLPTとBJTについて紹介しました。外国人を雇用する際には、まずはその人物に対して日本語の能力を求めるかどうかを検討することが重要です。また、どの程度のレベルが必要であるかについてもしっかりと設定した上で必要な人材を雇用するようにしましょう。
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