汐留パートナーズグループ 沖縄事務所のブログ

長時間労働につながる商慣行の実態~中小企業庁調査から

中小企業庁が、「繁忙期対応」や「短納期対応」における長時間労働につながる商慣行についての実態調査を行い、その結果を公表しました。
調査は昨年12月3日~13日に7,642社の中小企業に対してWebによるアンケートで行われ、2,537社から回答を得てまとめられたものです。
公表された結果の概要は以下の通りです。

◆繁忙期、短納期受注の発生状況

・繁忙期は約7割の企業で発生し、特に建設業、食料品製造業、紙・紙加工品産業、印刷産業、トラック運送業・倉庫業では8割超の企業で発生している。
・短納期受注は6割の企業で発生(直近1年間)し、特に紙・紙加工品産業、印刷産業、半導体・半導体製造装置産業、電気・情報通信機器産業では8割超の企業で発生している。
・繁忙期/短納期受注の主要取引先として最も回答が多い業種は、大半の業種で同業種であるとの回答が多い。一方、食料品製造業、紙・紙加工品産業、素形材産業、技術サービス産業、卸売業では、他業種が主要取引先として最も回答が多い。

◆繁忙期、短納期受注の発生要因

・繁忙期の発生理由は、約5割の企業が「季節的な要因」と回答。短納期受注については、約8割の企業が「取引先からの要望」と回答している。
・繁忙期/短納期受注の発生要因について、取引上の問題としての課題を整理すると、「年末・年度末集中」や、「納期のしわ寄せ」、「多頻度配送・在庫負担・即日納入」といった問題のある受発注方法と、そうした「問題のある受発注方法が常態化」していることが、取引上の課題として挙げられている。

◆残業時間への影響

・繁忙期対応によって8割、短納期受注によって6割の企業が、従業員の平均残業時間が「増加する」と回答している。

繁忙期の発生要因として、「小売業の品切れ=メーカーの責任という考え方が強く、即時対応が常態化している」「親会社の働き方改革により年末年始に発注が集中」といった納期の集中や、「調剤薬局に一日多数回の配送を求められる」など、事業主の生の声や、業種・地域別の詳細なデータも公表されています。残業時間の削減など、働き方改革の実現に向けた改善策を検討するための参考にもなりそうです。
【参考】中小企業庁「長時間労働に繋がる商慣行に関するWEB調査結果概要」(PDF)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2019/190304shoukanshu_chousa1.pdf

約半数の企業が副業を許可~パーソル総合研究所の調査から

◆調査の概要

副業を解禁するべきかの判断材料になる情報や、副業のメリットを享受したい企業がとるべきアクションを明らかにするため、総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所は、インターネット調査を通じて、副業に対する企業と個人の意識調査の結果を公表しました。
今回は、その調査結果から注目すべき内容を取り上げてまとめます。

◆調査結果

・副業の許可と禁止割合
10人以上の従業員が勤務する企業の人事担当者(1,641人)の回答によると、「全面的に許可している」が13.9%、「禁止していない(希望者がいれば条件付で許可)」が36.1%、「全面的に禁止している」が50%という結果になっています。

副業許可企業

・副業許可の開始時期
副業許可企業に、許可を開始した時期を尋ねると、「1年以内」が22.8%、「2~3年前」が29.2%、「4~6年前」が22.8%と、働き方改革が叫ばれるようになったこの3年以内に許可を開始した企業が半数以上に上っていることがわかります。
・副業許可の効果
副業許可の効果を尋ねると、「従業員の社外人脈の拡大」52.2%、「モチベーションの向上」50.3%、「スキル向上」49.7%と、メリットを実感している割合が高く、一方で効果を感じていないとの回答は18%未満と少ないことがわかりました。

副業禁止企業

・企業規模別
副業禁止割合を企業規模別に見ると、10~100人未満の企業は43%台、100~500人未満企業で50%前後、1,000~1万人未満企業は60%近くあります。
・設立年数別
10年未満企業の副業禁止割合は36.3%と最も少なく、50年以上企業は62.1%と最も高く、歴史のある企業ほど「全面的に禁止」の割合が高くなっていることがわかります。
・禁止理由
副業禁止の理由を尋ねると、「従業員の過重労働につながるから」が49.2%と最も多く、「自社の業務に専念してもらいたいから」が47%、「疲労による業務効率の低下が懸念されるから」43.6%となっています。
副業禁止が何となく染みついている時代ですが、この調査によると、半数が副業を認めている(条件付許可も含む)実態がわかります。しかも、全面的に副業を許可している企業のほうが、社員のスキル向上やモチベーションのアップといったプラスの効果を感じているという結果も出ています。今後は、コンプライアンスやリスク回避もしっかり踏まえて、今後ますます広がる“多様な働き方”に対応していく必要があるでしょう。

障害者雇用をめぐる最近の動き

◆平成30年4月からの障害者雇用率制度

すべての事業主には、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。この法定雇用率が、平成30年4月1日から次のように変わっています。民間企業2.0%→2.2%。国、地方公共団体等2.3%→2.5%。都道府県等の教育委員会2.2%→2.4%。

◆平成30年12月公表の「平成30年国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」

例年、一般事業主、国、地方公共団体及び独立行政法人等は、6月1日時点の障害者雇用の状況を報告しなければならず、それを受けて12月に厚生労働省から「障害者雇用状況の集計結果」が公表されます。平成30年12月の公表では、「国の機関等における障害者雇用状況の集計結果」とされ、民間企業についての記述はありませんでした。民間企業については、データ入力のための作業ツールの不具合により、平成31年3月末までに公表する予定とされています。
12月の集計結果によると、行政や司法など国の機関での2018年6月時点の障害者雇用率が1.22%でした。法定雇用率の2.5%を満たすには計算上で約4,300人不足し、8割以上の機関が基準を達成していませんでした。障害者雇用については、国や地方自治体の機関で水増しが相次いで発覚し、各機関が法定雇用率の達成に向け採用を急いでいます。

◆障害者雇用率未達成の省庁は予算減額

民間企業では、障害書雇用率を達成すると、超過人数1人につき月2.7万円の調整金が支給されます。一方、未達成の場合は、不足人数1人につき月5万円の納付金が徴収されます。このペナルティーが民間企業だけにあり、国等の機関にないのは不公平だとの批判が以前からありました。
政府は来年度から、法定雇用率を達成できなかった省庁の予算を減額する方針を決めました。国の機関では不足1人につき、翌年度の予算から60万円を減額します。減額対象の予算項目は備品購入などに充てられる「庁費」とします。

◆障害者手帳のカード化、自治体判断で4月から

厚生労働省は、以前から障害者手帳をカード化する方針を打ち出していましたが、この4月にも省令を改正し、各自治体の判断で障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳をカード化できるようにする方針を決めました。現在の身体障害者手帳は縦11.4センチ、横7.5センチで、「持ち運びしにくく、劣化しやすい」など、障害者などからカード型に変更するよう求める声がありました。カード型の手帳は耐久性のあるプラスチックなどの素材を利用し、運転免許証やクレジットカードと同じ大きさにします。また、カードに氏名や住所、障害の度合いなどを記載します。

社内失業者の実態~エン・ジャパンの調査から

エン・ジャパン株式会社は、同社が運営する人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』上でサイト利用企業を対象に「社内失業」に関する実態調査を行いました。その結果、予備軍を含め「社内失業者がいる」と回答した企業は23%にも上っています。下記、調査結果を見ていきます。

◆社内失業とは?

社内失業とは、「労働者が正社員として企業に在籍しながら、仕事を失っている状態」のことをいいます。本調査では、約7割の人がこの言葉を知らない、もしくは名称は知っているが意味は知らないと答えています。実際、社内失業者がどれほどいるのか気になるところですが、2011年の内閣府調査によれば、全国の労働者の8.5%にあたる465万人が該当しました。

◆社内失業者がいる企業は、予備軍を含めて23%!

今回の調査では、現在、社内失業状態の社員がいると答えた企業は23%(いる:6%、いる可能性がある:17%)に上っています。
業種で見ると「メーカー」(28%(いる:7%、いる可能性がある:21%))が最多で、次いで流通・小売り関連(いる:5%、いる可能性がある:20%)、「サービス関連」(いる:8%、いる可能性がある:16%)と続いています。
企業規模別では、「1,000名以上」が41%(いる:11%、いる可能性がある:30%)と顕著で、規模が大きいほど、社内失業者数も増えていく傾向にあるようです。
社内失業者の属性で見ると、年代は「50代」で57%、「40代」で41%、「30代」で26%。役職は「一般社員クラス」が80%と圧倒的でした。職種は「企画・事務職(経営企画、広報、人事、事務 他)」46%と最多で、次いで「営業職(営業、MR、人材コーディネーター他)」で31%となっています。

◆社内失業者発生の要因は「該当社員の能力不足」、企業の対策は「再教育」

社内失業者が発生する要因として、「該当社員の能力不足」(70%)が最多で、次いで、「該当社員の異動・受け入れ先がない」(51%)「職場での人間関係が悪い」(26%)が続きます。
企業としての今後の対策としては、「該当社員への教育」(35%)が最多で、次いで「特に何もせず、状況を見る」(22%)「職階の見直し」(21%)「自己啓発(学び直し等)の支援」「賃金体系(基本給)の見直し」(いずれも20%)を検討しているとしています。
“仕事をしている風のまま、定年を目指しているように感じる。やる気の無さや意識の薄さをどのように改善させていけばよいのかが課題である”“解雇したいが、モンスター社員なので、訴訟を起こされる可能性があり、解雇できない”“成果が出なくても他の人と同じ基本給がもらえるので、比べたとき周りの士気を下げてしまう可能性がある”―社内失業についての具体的な悩みや課題の声が上がっており、企業は手を施そうと検討・対応するも、社内失業者本人の改善意識が希薄で対応には苦慮しているようです。
【参考】エン・ジャパン「800社に聞いた「社内失業」実態調査」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2019/16439.html

気になる!企業のソーシャルリスク対策の実態

◆従業員の不適切動画投稿問題で改めて問われる企業の対策

飲食店やコンビニの従業員が投稿した不適切動画問題が、企業の評判に悪影響を及ぼしかねない事件が、立て続けに起こりました。
対応については、従業員に損害賠償請求訴訟を起こす決定をした企業、全店休業して社員研修を行う決定をした企業と様々ですが、SNSを活用する企業も個人も増えている中では、いつ問題に巻き込まれても不思議はありません。
まだ社会人としての自覚に乏しい新入社員の入社も近づくこの時期は、自社の対策を確認しておくべき時期とも言えるでしょう。

◆多くが何らかの対策を講じており、4割が研修を実施
ウェブサイトやアプリのユーザーサポート等を行うアディッシュ株式会社が、2018年12月に行った調査によれば、ソーシャルリスク対策について「未実施。今後も実施なし」と回答したのは5.2%で、多くの企業が対策を行っています。

具体的な内容を実施率で見ると、「研修の実施」39.1%、「ガイドライン作成」37.2%、「マニュアル作成」30.9%が上位に入っています。
しかしながら、従業員数別に見ると100人以上300人未満の研修の実施率が50%であるのに対し、100人未満では19.1%と、十分な対策が取られていない可能性があります。

◆雇入れ時に自筆の誓約書を書かせるのも有効?

人事コンサルタントの増沢隆太氏によれば、研修の実施や朝礼時の啓発を継続的に行うとともに、雇入れ時に、自筆で、バイトテロを起こした場合の損害賠償を約束させる誓約書を取り交わすのが望ましいそうです。例えば、店舗普及に必要な清掃や消毒、商品の廃棄や巷間、休業補償などを当事者負担で行うことを明文化しておくのだそうです。
用意された誓約書にサインさせるのではなく、従業員自身に内容を書かせることが、バイトテロ行為を行うことのリスクを自覚させるのに有効だということです。

◆未実施の場合は早急に対策を検討しましょう

不適切動画を投稿した本人による「せいぜいクビになるだけ」という趣旨の発言が報道にもありましたが、不適切動画の投稿はスマートフォン1台あれば簡単にできますし、投稿する従業員自身も社会問題に発展しかねないリスクを自覚していない可能性があります。
新入社員だけでなく、既存の従業員も対象に、一度研修の実施を検討してはいかがでしょうか。

インターンシップ 中小企業での導入判断は慎重に

◆ルールは当面現状維持

就活ルールをめぐっては、経団連が今の大学2年生以降(2021年春入社)についてはルールを作らないと決定し、代わりに政府の主導により、企業説明会は大学3年生の3月、面接は4年生の6月解禁としている現行ルールを、当面維持する方針となっています。
政府は、インターンシップについても、「就業に直接結び付けるインターンシップは禁止」(罰則などはありません)とすることを経済界に要請する方針です。

◆中小企業での導入判断は慎重に

経団連が2018年に実施したアンケートでは、広報活動の解禁前のインターンシップについては、88.2%の会員企業が実施していました。現在も解禁前の選考を兼ねていたり、会社説明会と内容が変わらなかったりするインターンシップは禁じられていますが、実際には「採用とは無関係」という建前は形骸化しているようです。インターンシップは学生の夏休みに合わせて行う企業が多く、募集・申込みは3年生の6月が最も多いため、これから山場を迎えます。
ただし、他の人がしているのでとりあえず申し込むというような学生もいるようですし、中小企業ではインターンシップをきっかけとして採用につながる件数はそれほど多くないのが実際のようです。企業としては新しい人材の発掘の場としたいところですが、学生側では「今後の就職活動に役立てたい」との気持ちが強いと思われます。継続して実施していく中で教育機関とのつながりが充実し、結果的に良い人材の獲得につながる可能性が増えると考えたほうがよいでしょう。中小企業でインターンシップを行うかどうかは慎重に判断すべきでしょう。

◆法的リスクも

インターンシップの内容などから インターンシップ生が労働者に該当する場合があります。労働者にあたる場合には労働関係法規(労働基準法をはじめ、男女雇用機会均等法、最低賃金法、労働安全衛生法、労災保険法など)が適用されることになります。また、インターンシップ中の事故や機密漏えい、ハラスメント等についても会社は対応を検討しておく必要があります。教育機関との覚書や学生用の誓約書など、書式も必要となるでしょう。
インターンシップを行うことが普通のことになりつつあり、メリットもある一方で、その実施に際しては事前準備が大切です。

一般化するリファラル採用と、その留意点

◆「リファラル採用」とは

リファラル採用(referral recruiting)をご存知でしょうか。いわゆる縁故採用の一種で、「自社従業員に、採用候補者を紹介してもらう採用(制度)」をいいます。

◆最新調査結果

株式会社リクルートキャリア「リファラル採用で声をかけられた人の実態調査」によれば、「リファラル採用の制度がありますか」という質問に対し、「制度があり、推進している」が48%、「制度があるが、推進していない」が23%と、回答企業の7割以上で社内制度化されています。
ほかにも、「知人の会社に誘われた人のうち、実際に選考を受けた人」が54.8%にのぼるなど、広く行われている結果となりました。「リファラル採用」という言葉が広まったのは最近のことですが、従業員(以下「紹介者」)の紹介による採用は、珍しいことではありません。

◆リファラル採用のメリット

企業にとっては、リファラル採用のメリットとして、「採用のミスマッチが起こりにくい」(紹介者が詳細に企業説明をするため)、「定着率が高い」(紹介者による入社後のアフターフォローのため)、「採用コストが低い」、「通常の採用活動では応募しないような人材を採用できる」、などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、「不採用とした場合の、人間関係悪化」、「紹介者が退職した場合の、採用者の意欲低下」などが懸念されることがあります。

◆紹介者へのインセンティブの相場

採用に至った場合、紹介者にインセンティブ(成功報酬)を支払う場合もあります。
エン・ジャパン株式会社「リファラル採用(社員紹介)意識調査」によれば、リファラル採用実施企業の44%が、紹介者へインセンティブを支給しています。また、その支給額は「3万円から10万円」が最多(52%)とのことです。

◆インセンティブ支給の留意点

紹介者にインセンティブ支給の際は、「賃金として支払う必要がある」点に留意しましょう。「被用者で当該労働者の募集に従事するもの」に「賃金、給料その他(略)報酬」以外を支払うことは、職業安定法40条(報酬の供与の禁止)違反となるからです。
リファラル採用を社内制度化するにあたっては、労働局等に相談のうえで、就業規則や賃金規程に明文化するとよいでしょう。

【参考】

リクルートキャリア「リファラル採用で声をかけられた人の実態調査」
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/181101-01/
エン・ジャパン「リファラル採用(社員紹介)意識調査」
https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/11266.html

4月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

10日

○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>
[労働基準監督署]

15日

○ 給与支払報告に係る給与所得者異動届出書の提出[市区町村]

4月30日

○ 預金管理状況報告の提出[労働基準監督署]
○ 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、1月~3月分>[労働基準監督署]
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>
[公共職業安定所]
○ 公益法人等の法人住民税均等割の申告納付[都道府県・市町村]
○ 固定資産税・都市計画税の納付<第1期>[郵便局または銀行]
※都・市町村によっては異なる月の場合がある。

※提出・納付期限が、土曜・日曜・祭日と重なる場合は、翌日になります。

普及が進んでいる?「子連れ出勤」の最新動向と留意点

◆少子化相、「子連れ出勤」を支援

宮腰光寛少子化相は1月、親が子どもを連れて出勤(「子連れ出勤」)を20年以上前から実施していることで有名な授乳服メーカー、有限会社モーハウスの視察を終えた後、「子連れ出勤」しやすくするための支援策として、コワーキングスペースや授乳施設の設置など先進的な取組みをする自治体に対し、地域少子化対策重点推進交付金の補助率を2分の1から3分の2に引き上げる、と公表しました。

◆第1子出産時、47%が退職

内閣府「「第1子出産前後の女性の継続就業率」の動向関連データ集」によれば、第1子出産後も就業を継続する女性は53.1%(育休利用を含む)、退職する女性は46.9%とのことです。近年は多くの育児支援策が法的に整備されていますが、いまもなお多くの女性従業員は、出産・育児のため離職しています。企業としては、「子連れ出勤」を制度化することで、これら女性従業員の離職防止が期待できます。

◆増えている事業所内保育所

事業所内保育所を設置できる企業においては、「子連れの出勤」はすでに日常的に行われているといえます。ローソン、ヤクルト、みずほFGなど多くの企業が、自社の名を冠した事業所内保育所を運営している時代です。厚生労働省「平成28年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」によれば、事業所内保育所は4,766カ所(平成29年3月時点)あり、件数・入所児童数ともに、わずかずつながら年々増え続けています。

◆「子連れ出勤」制度化の際は

一方で、そのような保育のための設備やスタッフを持たない中小企業において、職場で業務をこなしつつ子どもの面倒もみるのは、容易なことではありません。制度として自社に導入する際には、入念な検討が必要です。
前述のモーハウス社の青山店では、「子連れ出勤」は1歳半までを原則としているそうです(歩きはじめた子どもが店外へ飛び出すのを防止するため)。ほかにも、始業を昼過ぎとする(通勤ラッシュを回避するため)、有事には単身スタッフがフォローできる体制とするなど、さまざまな工夫と配慮がみられます。
「子連れ出勤」の制度化においては、同社のような先進事例が参考になるでしょう。

外国人労働者が約146万人に~厚労省届出状況

◆外国人雇用事業所数、外国人労働者が過去最高

厚生労働省は、平成30年10月末時点の外国人雇用についての届出状況を公表しました。
外国人を雇用している事業所は21万6,348カ所(前年同期比21,753カ所、10.2ポイント増)、外国人労働者は146万463人(前年同期比18万1,793人、14.2ポイント増)で、ともに平成19年に届出が義務化されて以降、過去最高を更新しました。
増加の要因としては、高度外国人材や留学生の受入れが進んでいることや、永住者や日本人の配偶者等の身分に基づく在留資格の人たちの就労が進んでいること、技能実習制度の活用により技能実習生の受入れが進んでいること等が考えられます。

◆国籍別・在留資格別の実態

外国人労働者を国籍別にみると、中国が最も多く38万9,117人(全体の26.6%)、ベトナムが31万6,840人(同21.7%)、フィリピンが16万4,006人(同11.2%)と続いています。特にベトナムは、前年同期比より31万6,840人(21.7ポイント増)と大きく増加しています。
また、在留資格別にみると、身分に基づく在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)の49万5,668人(全体の33.9%)が最も多く、資格外活動(留学を含む)(34万3,791人、23.5%)、技能実習(30万8,489人、21.1%)、専門的・技術的分野(27万6,770人、19.0%)、と続いています。

◆都道府県別・産業別の実態

都道府県別でみると、東京都が最も多く5万8,878カ所(全体の27.2%)、愛知県が1万7,473カ所(同8.1%)、大阪府が1万5,137カ所(7.0%)と続いています。
産業別にみると、「製造業」が最も多く4万6,254カ所(全体の21.4%)、「卸売業、小売業」が3万6,813カ所(同17.0%)、「宿泊業、飲食サービス業」が3万1,453カ所(同14.5%)と続いています。「製造業」と「卸売業、小売業」は前年同期比よりも減少している一方で、「宿泊業、サービス業」と「建設業」は増加となっています。

◆入管法改正による影響は?

今年4月施行の改正入国管理法により、新しい在留資格「特定技能」が創設され、外国人労働者の受入れが拡大します。また、政府は「今後5年間に14業種で34万人超の外国人労働者の受入れを目指す」方針を示しています。受入れ事業者ならずとも、外国人との共生をどうしていくか、社会全体で考えていかなければなりません。
【参考】厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000472892.pdf(別ウインドウで開きます)