汐留パートナーズグループ 沖縄事務所のブログ

在留資格の取り消し事例が過去最多に

こんにちは

外国人労働者の在留資格取り消し事例が過去1年間で832件あったと、日本経済新聞などが報じました。
前年の2倍以上であり、平成17年以降最多を記録しています。

国内で就労する外国人の数は年々増加しており、
昨年10月末にはこちらも過去最高の約146万人となっています。
皆様の周りでも、外国人労働者を目にする機会は増えているのではないでしょうか。

すでに外国籍の方が働いている企業の方、
適切な運用を行うために一度やっていただきたいことがあります。
基本的なことですが、今一度外国人労働者の在留カードを確認してみてください。
確認点は2つです。

①在留期間の満了日
在留期限まで意外と余裕がない人が見つかることがあります。
在留期限を過ぎて働かせることは当然法違反となり、企業側も罰則対象となります。
期限を1日でも過ぎるとオーバーステイとみなされ、基本的に帰国となります。
出国命令で帰国すると以後1年間、強制退去となると5年間(場合によって10年)
日本に再入国できなくなるため、ご本人様に不利益も発生します。
本人が把握すべきことではありますが、企業側もしっかり管理をしておきましょう。

②在留資格
留学生であった場合、資格外活動許可はとれていますか?
週28時間以上労働させていませんか?
昨年、某ラーメンチェーンが上記違反の疑いで書類送検されたニュースで、
改めて確認された方もいるかと思います。

また、許可された活動以外の業務についていませんか?
例えば技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ方を、小売業の会社が採用した場合。
当初は本社で海外貿易業務などを行っていたが、今は国内店舗の販売スタッフをしている。
このようなケース、場合によっては資格外活動として違法状態とみなされる可能性があります。
入社時と異なる業務に配置転換する場合は、在留資格と移動先の業務内容にご注意ください。

会社側の管理が適切であれば、従業員の在留資格取消は基本的に起こり得ません。
今後も増えていくであろう優秀な外国人人材を確保していくためも、
今から適切な運用を心がけたいですね。

大熊

最低賃金の改定額が発表されました

厳しい暑さが続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、麸沢です。

先日、厚生労働省が地域別最低賃金の改定額を取りまとめ、発表しました。

発表によりますと、最高額は東京都の1,013円で、神奈川県とともに初めて1,000円を超え、
最低額は790円で青森県や秋田県などの15県が並んでいます。
これにより地域間の格差は223円となり、昨年の224円から1円縮小し、
16年ぶりの改善となりました。
さらに、改定額の全国加重平均額は901円(昨年度874円)となり、
27円の引上げは昭和53年度に目安制度が始まって以降最高額となりました。

この改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経て、
都道府県労働局長の決定により、10月1日から10月上旬までの間に順次発効されることとなります。

企業対応では改定された最低賃金額を割らないよう、一度給与を見直す必要があります。
最低賃金の対象となる賃金は基本的に毎月決まって支払われるものですが、
通勤手当や家族手当など、除外する賃金がありますのでご注意ください。
また、給与を見直し、改定した際には社会保険の月額変更の対象にもなりますので、
併せて注意が必要です。

最低賃金の適用に備え、早めにご対応下さいませ。

麸沢

解禁?or 禁止? 今一番気になる「副業・兼業」について

2019年7月4日、みずほ銀行が、
行員の副業・兼業(以下、「副業」という)を
10月に解禁するというニュースが流れました。
副業を通じて行員の視野を広げ、新たな事業モデルづくりにつなげる目的で、
行員の新たな挑戦に期待しているそうです。
情報管理・情報漏洩等のセキュリティの観点から、
銀行が副業を解禁することは難しいとされていましたが、
2018年4月に解禁した新生銀行に続き、大手銀行が解禁を始めています。

2019年5月20日付の日本経済新聞の記事によると、
東証一部上場などの大手企業120社のうち、
副業を認め制度化している企業の割合が19%、
制度はないが副業を認めている企業が30.6%で、
なんと50%近い企業が副業を認めているという調査結果が出ています。
これまで、正社員については、多くの会社が副業を禁止してきたと思いますが、
これから先は解禁する方向へ進んでいきそうな気配です。
副業に対する企業の意識は確実に変化していると言えるでしょう。

2018年9月11日に独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表した
「多様な働き方の進展と人材マネジメントの在り方に関する調査」によれば、
労働者の40%近くが副業を
「新しくはじめたい」「機会・時間を増やしたい」と回答しています。
「パラレルキャリア」という言葉を耳にすることも多くなりました。
「パラレルキャリア」は、本業を持ちながら、第二のキャリアを築く
という意味で使われることが多いです。
日本人の寿命は伸び、100歳以上の高齢者は30年前より約50倍増えました。
ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数が
107歳より長く生きると推計されており、
日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えています。
人生100年時代の到来です。
100歳まで生きるのであれば、いくつまで、どのように働きたいですか?
強い日本経済のために、日本の国民が豊かに、かつ、幸福に生きていくために、
様々な角度から「副業」について考えてみてはいかがでしょうか。

池田
港区の若い社会保険労務士【汐留社会保険労務士事務所】
mini-trade_mark.gif残された遺族の思いを大切にします【遺族年金無料相談】
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「つながらない権利」って? 勤務時間外のメール対応を考えよう

◆「つながらない権利」とは

「つながらない権利」をご存知でしょうか。労働者が、勤務時間外や休暇中に、仕事上のメール等への対応を拒否できる権利のことです。アメリカ・ニューヨーク市で現在、「勤務時間外のメール等への返信を労働者に強いることを禁じる」条例案が審議されています(日本経済新聞10月29日夕刊)。

◆先行する各国、各社の例

つながらない権利の法制化で先行したのがフランスです。2017年、従業員50人以上の企業を対象に、時間外のメールの扱いを労使で協議するよう義務づけました。またイタリアでも、2017年に成立したいわゆるスマートワーカー(働く時間・場所を特定しない労働者)を保護する法律において、つながらない権利を雇用契約に明記するよう義務づけています。
また、企業の独自の施策として、ジョンソン・エンド・ジョンソン(午後10時以降のメール禁止)や、ダイムラー(長期休暇中の社内メールを受信拒否・自動削除)の例が知られています。日本企業でも、三菱ふそうトラック・バス(ダイムラーの子会社)が、同様の措置をとっています。

◆「つながらない権利」で労使トラブル予防

日本では現状、法令などで「つながらない権利」が定義されているわけではありません。
とはいえ、使用者側が、明確な社内ルールや指示に基づき「つながる」ことを求めた場合や、過剰に「つながっている」状態を把握しながらも黙認していた場合などは、労働から離れることが保障されていない待機等の時間(いわゆる手待時間)として、労働時間とみなされるおそれがあります。後々、時間外労働分の割増賃金を請求されるリスクや、労災発生時に認定基準における労働時間としてカウントされるリスク等々がありますので、ある程度「つながらない権利」を意識することは、労使トラブル予防の観点から有効です。

◆4割以上の労働者が、勤務時間外も「つながっている」

実態として、勤務時間外や休暇中にメール・電話・LINE等で「つながる」ことは珍しくありません。調査によれば、43.9%の労働者が、「勤務時間外に電話・メール等で仕事関係の連絡をとる」ことが「よくある」「ときどきある」とのことです(労働政策研究・研修機構「裁量労働制等の労働時間制度に関する時間調査」(厚労省抽出分))。
現代は、テレワークをはじめとする多様な働き方の浸透や、ICT技術の普及により、昔より「つながる」機会が増えている時代といえます。「つながる」ことが良い結果を生む場合もあるでしょう。自社の実態を踏まえた「つながり方」を模索するべきではないでしょうか。

フレックスタイム制について

やっと少しずつ秋らしい気温になってまいりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

今日は働き方改革関連法案の内容にも含まれる、フレックスタイム制について
お話しさせて頂きます。

そもそもフレックスタイム制とは何か?
今回の働き方改革でルールがどう変更となったか。

この2点について触れて参ります。

■そもそもフレックスタイム制とは何か?

今回詳しい概要は省略いたしますが、一定期間(清算期間)における総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者はその枠内で各日の始業及び終業の時刻を自主的に決定し働く制度です。

メリットとして下記のようなことが考えられます。

・個人が効率的に時間配分を行うことで残業の軽減につながる
・勤務時間をずらすことで通勤ラッシュを避けることができる
・働き方に自由性があるため、優秀な人材の採用や定着に繋がる可能性がある

■今回の働き方改革でルールがどう変更となったか。

フレックスタイム制を運用するにあたり、従来は清算期間に「一ヶ月以内」という上限がありました。
これにより1か月を超える期間についての労働時間の調整ができない点について不便であるとの指摘がありました。

例えば月の前半に余分に働き、後半の労働時間を短くすることは可能ですが、月またぎ(10月は余分に働き、12月は短めにする等)の調整が従来のルールではできませんでした。

これを可能にしたのが今回の清算期間の上限の延長です。
具体的には現行の上限「一ヶ月」から「三ヶ月」に改正されます。
改正前は10月に余分に働き、週当たりの労働時間が法定労働時間の枠内を越えていた場合は、時間外労働となり割増賃金の支払いが必要でした。
しかし今回の改正により11月若しくは12月で調整することで、三ヶ月平均で週当たりの労働時間が法定労働時間の枠内に収まれば10月の割増賃金は発生しないことなります。

清算期間を定めるにあたり一ヶ月を超える場合は労使協定の届出義務が発生する等細かいルールもございますが、従来より柔軟な働き方ができるようになるのではないかと考えられます。

フレックスタイム制は導入要件や割増賃金の計算方法等実際に運用するためには定めることも多くございます。
ご不明な点がございましたらお気軽のお問い合わせ下さいませ。

北田

65歳以上継続雇用について

皆さん、こんにちは。
10月の3連休は真夏に戻ったような暑さとなりましたが、体調など崩されていないでしょうか?
この3連休、東京の築地市場が83年の歴史に幕を閉じました。
私も体力が有り余っていた15年ぐらい前、友達と朝まで遊んでは、場外にあるお店の朝ごはんを食べに行っていた記憶を思い出します。
また、幕を閉じるといえば・・プロ野球の世界でも、今年は人気選手が続々と引退する事となり、プロ野球生活に幕を閉じる事となりました。特に昭和55~56年生まれで、いわゆる「松坂世代」と言われる選手が、相次いで引退する事については、1学年違いの私にとってさみしい気持ちと、改めて私たち一般の社会人とは違い、プロスポーツ選手の息は短く、大変な職業だと感じました。

そんな幕を閉じる話題が多い中、政府は10月5日、国の成長戦略を議論する「未来投資会議」の中で、意欲のある高齢者が65歳を過ぎても働き続けられるよう65歳以上の継続雇用について、法改正の検討をする方針を表明しました。
13年施工の改正高年齢者雇用安定法では、▽定年年齢を65歳まで引き上げ ▽60歳以上の雇用継続制度の導入 ▽定年制の廃止のいずれかを企業は講じなければなりませんが、今回の法改正の検討については、70歳までの雇用継続を目指し、少子化による人手不足や、高齢化で膨らみ続ける社会保障費を抑える狙いがあるようです。
実際に今の65歳以上の方は、とても元気ですし、高いスキルや経験を必要とする専門職などでは、まだまだ会社員としての幕を閉じるには早い方が沢山いるように感じます。
今後、国の方針に沿って、定年が70歳というような会社も増えてくるのではないでしょうか?
小宮山

月から降ってきた鈴の音・・・

9月に入りましたが、暑さの厳しい日が続いております。皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。また台風や豪雨、地震などが多数各地で発生しました。被災地域の皆様には心よりお見舞い申し上げます。

さて、働き方改革法案が成立し、すべての会社で年間の有給休暇消化日数が5日未満の従業員については、会社が有給休暇を取得するべき日を指定することが義務付けられたことをご存知でしょうか。他の働き方改革と異なり、この有給取得の義務化は、すべての事業主様に平成31年4月から適用される法改正で違反した場合は、30万円以下の罰金もありますので、早めに対応策を決めることが必要です。そこで、今回は、その概要と対応を簡単にご説明したいと思います。
【対象者】
*年10日以上有給休暇を付与された従業員(入社6か月経過の正社員やフルタイムの契約社員に限らず、勤続年数に応じて比例付与されるパートタイマーやアルバイトであっても基準日に10日以上、有休付与された場合は対象となります。例えば、週3日勤務のパートタイマーの場合でも、入社後、3年半以上経過されている場合は、対象となる可能性があります。)
【内容】
 *年5日の有休取得の義務化(すでに、計画有休制度がある場合や、従業員からの請求により有給休暇を消化している場合は、その日数分は、改正法による有給休暇取得日指定の義務の日数から差し引かれます。)
【対応策】
個別指定方式による取得
従業員ごとに消化日数が5日以上になっているかをチェックし、5日未満になりそうな従業員について、会社が有給休暇取得日を指定する方法です。例えば、就業規則に「基準日から1年間の期間が終わる●か月前までに有給休暇が5日未満の従業員について会社が有給休暇を指定する」などと定めて、実行していくなどです。この方法は、会社による指定の柔軟性が高い反面、個別の管理という手間が増えます。また比較的有休取得率が高く、有休消化日数が年間5日以上の従業員様が多数を占める場合は個別指定方式が適しています。
有給休暇の計画的付与制度の導入
法改正前から労働基準法39条6項に定められている制度ですが、会社が従業員代表との労使協定により、各従業員の有給休暇のうち5日を超える部分について、あらかじめ日にちを決めて取得することができるものです。この制度で年5日以上の有給休暇を付与すれば、対象従業員について5日以上は有給を消化させていることになるため、今回の法改正による有給休暇取得日の指定義務の対象外になります。特定する方法は、①全社一斉に特定の日を有給休暇とする ②部署ごとに有給休暇日を決める ③個人毎に有給休暇日を決める 3通りがあります。従業員ごとの有休取得の管理の手間がかからない半面、労使協定が必要で日にちを会社の都合で変更できません。有休取得率が低く、多くの従業員が5日未満しか取得されていないようでしたら、5月、9月の連休や夏期休暇、年末年始の前後に有給休暇を消化するなど、計画的に有給休暇消化日を増やすことにより対応するほうが業務への支障を避けやすいといえます。なお、計画的付与を採用しますと全体的な有休の取得率も上がります。
まずは、現在の有給休暇の取得状況をご確認いただき、それをもとにどちらの方法が適しているかをご検討下さいませ。制度の導入や就業規則の改定等、弊社でもお手伝いいたしますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。

最後に、そろそろ帰宅途中の街路の植え込みから、虫の音が聞こえるようになり、暑さの中にも季節の移ろいを感じられるようになりました。秋の夜長を賑やかすのは虫時雨。その代表奏者は、月鈴子ですね。この別称は鈴虫の音色がまるで月から降ってきた鈴の音のように美しい音だからといわれています。月から降ってきた鈴の音・・・昔の人々の豊かな感性に日本語の美しさがあいまって、脱帽です。暑かったり涼しかったり、また大雨が降ったりと天候不順な折ですが、皆様もご自愛のうえ、虫たちの大合唱にも耳を傾けて秋の夜長をお過ごし下さい。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。 Homma 🙂

最低賃金引き上げのニュース

皆様こんにちは。

突然ですが、今お住まいの都道府県の最低賃金は今何円ですか?

今日は新聞各社の見出しにて、
最低賃金引き上げに関するニュースが取り上げられていました。

新聞各社によると、
都道府県ごとの最低賃金が今年の10月をめどに全国平均で26円ほど上昇する見込みだそうです。

厚労省の諮問機関内での決定なので詳細な数字はこれからですが、
この数字の通りですと東京の最低賃金は958円から985円に引き上げとなります。

ちなみにお隣の韓国では、ここ数年で最低賃金が約2倍と急上昇したところ、
労働者から逆に賃上げ反対のデモが起きているそうです。
企業側が急激な賃上げに耐えきれず、労働時間を減らして給料を下げたり冷房を止めたりと
労働者に良いことばかりではなかったと・・・。

話は戻って日本でも、ここ数年毎年大幅に上昇しているため、
ふと確認してみたらいつの間にか従業員が最低賃金を下回っていた!といったことにならないためにも、
今のうちに従業員の給与を時給換算して確認しておくとよいのではないでしょうか。

大熊

1/fのゆらぎ・・・☆彡

日毎に鮮やかさをます紫陽花が梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばしてくれるこの頃です。
皆様如何お過ごしでしょうか。

さて、前回のブログでは、定年再雇用時の賃金にかかる件で、「定年後の極端な労働条件悪化は、65歳までの継続雇用を義務付けた高年齢者雇用安定法の趣旨に反する」という内容の判決についてご案内いたしましたが、今度は去る6月1日に浜松市の物流大手『ハマキョウレックス』と横浜市の運送会社『長沢運輸』の訴訟で非正規待遇格差かかる企業の均等・均衡待遇を重視した「同一賃金」への動きを後押しする日本初の最高裁判決がなされましたので、今後企業様に求められてくる実務対応について簡単にご案内したいと思います。

この訴訟は、何れも有期・無期契約労働者間の不合理な労働条件の相違を禁止した労働契約法20条に関連しています。最高裁の判決のポイントは(1)均等・均等待遇が実現されていない場合は不法行為となる。(2)正社員を厚遇することで有能な人材を確保し、長期勤続のインセンティブとすることが認められなかった。(3)2016年12月に公表された「同一労働同一賃金ガイドライン(案)に沿うものが多かった。の3点です。

その中で特に上記(1)の確認のために企業様の実務対応として求められることは、先ず各種手当が何のために、何に対して支給されるものかその趣旨と性質の確認⇒次にその趣旨・性質は無期社員と有期社員に同様に及ぶものかどうかの確認⇒そして、もし同様に及べば均等待遇、及ばなければその違いに応じた均衡待遇となっているかを順に検証することです。
ハマキョウレックス訴訟では、無期社員にだけ支給されていた無事故手当(安全輸送による顧客信頼確保)、作業手当(特定作業への対価)、給食手当(食事費補助)、通勤手当(通勤費補填)、皆勤手当(業務円滑化)について、有期社員への不支給または低額支給について不合理とされました。ただし、住宅手当(住宅費補助)についてだけは、転勤が予定される正社員のみへの支給について合理性があると判断されました。ただし、この合理性の判断にあたっては、上記(2)にかかる従来の有能人材確保目的ではなかったことに注意が必要です。
最後は、定年度再雇用の賃金減額の適法性についてです。企業様が今後、気をつけなければならない点は、第一に最高裁の判決により、今まで社会的に広がっている再雇用時の賃金の減額という慣行は容認されなくなります、第二に定年度再雇用であることと関係のない手当等については支給することが求められます(例:皆勤手当(皆勤奨励目的のため)、通勤手当(通勤目的のため))、第三は定年後再雇用に関連する賃金項目について個別の事情の違いに応じた均衡待遇が求められ、この均衡を判断する場合、労使交渉の過程や賃金制度の設計の仕方なども考慮される場合がある、ということです。
長沢運輸訴訟では、労使交渉により、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢まで月額2万円の調整手当を支給するなど配慮や工夫をしていたという事情が考慮され、基本給相当部分は1割前後、賞与を含めた賃金全体で2割程度の減額は不合理ではなく、均衡がとれていると判断されました。よって、丁寧な労使交渉と賃金制度上の配慮、工夫のもと、定年後再雇用者の賃金が定年前の社員と均衡がとれた範囲に収まっているか検証し、均衡が取れていない場合は賃金制度の見直しを図るなど早急な対応が求められてきますので、何かお困りごとがありましたら、ぜひ当法人にお気軽にご相談下さい。

最後に・・・昨日は、夏至でした。夏至の世界的なイベントにキャンドル・ナイトがあります。キャンドルの灯には、1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)と呼ばれるヒトの心拍や川のせせらぎ、鳥のさえずりと同じリズムがあり、それが癒しの効果になるそうです。皆様も是非、夏至から七夕までの夜間、キャンドルの灯りの中で思い思いの時を過ごされてみては、如何でしょうか?
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。Homma:)

働き方改革

先日、働き方改革関連法案が国会提出された為、内容をおさらいします。
見直し案の目的は「ワーク・ライフ・バランス」と「多様で柔軟な働き方」を実現するための措置を講ずるとしております。

①残業時間の上限制
・時間外労働の上限について月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間を限度に設定

②「勤務間インターバル」
・事業主は前日の就業時間と翌日の始業時間の間に一定時間の休息の確保に務めなければならないこととする。

③年5日の年次有給休暇の取得
・使用者は10日以上の年次有給休暇が付与されている労働者に対し5日について、毎年、時期を指定して与えなければならないこととする。

④月60時間超の残業の、割増賃金率引き上げ
・月60時間を超える時間外労働にかかる割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止する。

⑤労働時間の客観的な把握(企業に義務付け)
・働く方の健康管理を徹底
・管理職、裁量労働制適用者も対象

⑥フレックスタイム制の拡充
・労働時間の調整が可能な期間(清算時間)を延長(1ヵ月→3ヵ月)
子育て・介護しながらでも、より働きやすく

⑦高度プロフェッショナル制度の創設
・健康確保措置を徹底
・対象労働者は一定の知識・経験等が必要であることを明確化
・対象業務を追加

以上が提出された内容です。ただ、厚労省の労働時間調査で不適切データが見つかり、裁量労働制の対象業務拡大が削除されました。一方で高度プロフェッショナル制度については法案に盛り込まれております。野党は「スーパー裁量労働制」として削除するように反発しており、会期内に成立するのは不透明な状態です。
今後も注目です。

タキタ