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RSM汐留パートナーズ・ニュースレター 2025年1月号

2025年1月8日

令和7年度税制改正・2025年施行予定の法改正・外国人留学生の新卒採用手続きのポイント

日頃よりお世話になっております。RSM汐留パートナーズです。

今月のニュースレターでは、税理士法人より「令和7年度税制改正」、社会保険労務士法人より「2025年施行予定の法改正」、行政書士法人より「外国人留学生の新卒採用手続きのポイント」についてお届けいたします。

税理士法人では、令和7年度税制改正大綱における法人課税の注目論点について、社会保険労務士法人では2025年施行の法改正(育児・介護休業法、雇用保険法など)のポイントについて、行政書士法人では外国人留学生の新卒採用手続きにおける注意点について分かりやすく解説しています。

今月のニュースレターも、ぜひお役立てください。

 

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はじめに

2024年12月20日、2025年度税制改正大綱が公表されました。今回から2回に渡り、その中で注目度が高い論点を取り上げます。今回は法人に関わる主要な論点を見ていきます。

中小企業者等の法人税の軽減税率の延長と縮減

中小企業者等に対する法人税の軽減税率の適用期限が2年間延長されます。具体的には、年800万円以下の所得部分に適用される法人税の軽減税率15%(本則19%)の適用期限が、2025年3月31日から2027年3月31日までに開始する事業年度まで延長されます。一方、所得が年10億円を超える事業年度については、軽減税率が17%に引き上げられ、グループ通算制度適用法人は対象外となります。これらは2025年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

新リース会計基準に関わる税制改正

2024年9月に公表された新リース会計基準では、借手側のオペレーティング・リース取引における従来の賃貸借処理が廃止され、使用権資産とリース負債を計上する方法に変更されます。適用開始は2027年4月1日以降ですが、2025年4月1日以降に早期適用することも可能です。一方、税務上のリース取引の取り扱いには大きな変更がなく、会計と税務の間に差異が生じることから、申告調整が必要になります。具体的には、会計上は使用権資産の減価償却費やリース負債に係る利息費用を計上しますが、税務上は従来通り支払賃借料として処理されるため、この差異について申告調整が求められます。

防衛特別法人税(仮称)の新設

法人の各事業年度の基準法人税額から基礎控除額(年500万円)を引いた金額に対し、4%の税率で防衛特別法人税(仮称)が課されます。この新税は2026年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。

外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し

免税制度において、新たに「リファンド方式」が導入されます。この方式では、免税店が外国人旅行者から消費税相当額を販売時に預かり、出国時に持ち出しが確認された場合に返金を行います。また、一般物品と消耗品の区分や購入上限額(50万円)や特殊包装を廃止し、金地金等の不正利用リスクの高い物品を免税対象外とします。更に、税抜100万円以上の高額商品は商品の詳細情報を国税庁に報告することとし、店舗以外からの「別送」を廃止し、店舗からの「直送」のみが継続されます。これらは2026年11月1日以降の免税対象物品の譲渡等に適用されます。

おわりに

法人に関する税制改正の主な論点としては、この他にも、中小企業投資促進税制の2年延長、中小企業経営強化税制の2年延長及び見直し(売上高100億円超を目指す企業の設備投資支援等)、法人版ふるさと納税の3年延長と寄付活用事業の透明性向上などが挙げられます。今回のコラムでは取り上げなかった論点を含め、ご不明点等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。

 

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年始におさえよう法改正総まとめ2025

新年を迎え、2025年に施行される法改正をおさらいするタイミングがやって参りました。特に育児・介護休業法や雇用保険法、高年齢者雇用安定法など、従業員と企業の双方に影響を与える重要な改正が予定されています。今回の記事では、2025年に予定されている法改正について、施行時期から順にご紹介します。具体的には、2025年4月施行分に15項目、2025年10月施行に3項目の細かい改正が待ち構えています。

<2025年(令和7年)4月1日施行>

1.子の看護休暇の見直し

子の看護休暇の取得事由を、子の入園(入学)式・卒園式等の行事参加の場合も可能とし、対象年齢が「小学校就学の始期に達するまで」から、小学校3年生修了まで引き上げられます。

また、労使協定の締結により除外できる労働者の条件が緩和され、実質的により多くの労働者が子の看護休暇(※)を取得できることとなります。

※この改正により、「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に名称も変更されます。

育児負担の軽減、仕事と家庭生活の両立を目指した環境整備を後押しするための法改正となるでしょう。

2.所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大

改正前:

「3歳に満たない子を養育する労働者」が請求することで、所定外労働の制限(いわゆる残業免除)を受けることが可能でした。

改正後:

「小学校就学前の子を養育する労働者」まで拡充され、残業免除を請求することが可能となります。

3.短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワークを追加・育児のためのテレワーク導入の努力義務化

「3歳に満たない子を養育する労働者」がテレワークを選択できるように、一定の措置を講ずるよう事業主に努力義務化として課されることとなります。

3歳に満たない子を養育する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが事業主に努力義務化されます。

また、労使協定により短時間勤務が困難な業務に従事する労働者を適用除外とする場合の代替措置にテレワークが追加されました(参照:ニュースレター 2024年8月号 | RSM汐留パートナーズ)。

4.育児休業等取得状況の公表義務適用拡大

育児休業等取得率の公表義務が拡大され、従業員数300人超の企業に、育児休業等の取得状況を公表することが義務付けられます。

※男性の育児休業取得率等の計算方法、公表についての詳細はこちらを参照ください(mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533_00006.html)。

5.育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定の義務付け

従業員数100人超の企業は、一般事業主行動計画策定時に育児休業取得状況や労働時間の状況把握等が義務付けられます(従業員数100人以下の企業は、努力義務の対象です)。(参照:育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法の2024(令和6)年改正ポイント|育児休業特設サイト|厚生労働省)

一般事業主行動計画の策定についてはニュースレター2024年6月号を参照ください(ニュースレター 2024年6月号 | RSM汐留パートナーズ)。

6.介護休暇を取得できる労働者の要件緩和

介護休暇について、1.子の看護休暇の見直しと同様に、労使協定に基づき除外できる労働者の要件が緩和されます。

7.介護離職防止のための雇用環境整備(義務)

介護休業や介護両立支援制度等(※)の申出が円滑に行われるようにするため、事業主は以下の 1~4いずれかの措置を講じなければなりません。

  1. 介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
  2. 介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
  3. 自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供
  4. 自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知

*1~4のうち複数の措置を講じること

※ⅰ介護休暇に関する制度、ⅱ所定外労働の制限に関する制度、ⅲ 時間外労働の制限に関する制度、 ⅳ 深夜業の制限に関する制度、ⅴ介護のための所定労働時間の短縮等の措置

8.介護離職防止のための個別の周知・意向確認等

8-1.介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認

労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た時に、事業主は介護休業制度等に関する事項の周知と介護休業の取得・介護両立支援制度等の利用の意向の確認を、個別に行わなければなりません。

8-2.介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供

労働者が介護に直面する前の早い段階で、介護休業や介護両立支援制度等の理解と関心を深めるため、事業主は介護休業制度等に関する事項について情報提供しなければなりません。

9.介護のためのテレワーク導入

要介護状態の対象家族を介護する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが、 事業主に努力義務化されます。

この改正により、介護が必要な労働者が職場でより充実した支援を受けられる体制が強化されます。企業は労働者に対して介護に関する情報を提供し、介護休業制度の活用を促進することで、仕事と介護を両立させるための支援体制を整える必要があります。

10.育児休業給付の給付率引き上げ

子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、被保険者とその配偶者の両方14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額を給付し、育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)へ引き上げられます。(参考: 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律の概要 [PDF]|厚生労働省)

11.「育児時短就業給付」の創設

被保険者が2歳未満の子を養育するために、時短勤務をしている場合の新たな給付として「育児時短就業給付」が創設されます。給付率については時短勤務中に支払われた賃金額の10%です。

これにより、柔軟な働き方として、時短勤務制度を選択できるようにすることが求められています。(参考: 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律の概要 [PDF]|厚生労働省/令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について001293213.pdf)

12.高年齢者雇用確保措置の経過措置の終了

2025年(令和7)年 4月1日以降は、高年齢者雇用確保措置として 以下のいずれかの措置を講じる必要があります。

  1. 定年制の廃止
  2. 65歳までの定年の引き上げ
  3. 希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入

これにより、企業は高年齢労働者の雇用確保措置を確実に実施し、定年退職後も働き続けられる環境を整えることが求められます。

13.高年齢雇用継続給付の支給率の変更

高年齢雇用継続給付についても見直しが行われ、最大給付率が15%から10%に引き下げられることが決定されています。

この改正では、雇用者(企業)の負担を軽減しつつ、労働市場における高齢者の活用を促進することを目指しています。

14.自己都合離職者の給付制限期間の見直し

現在は、自己都合で離職した者が基本手当を受給する場合、待期期間満了の翌日から原則2か月間の給付制限期間があります。

この給付制限期間が見直され、離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようになります。

※このほか、原則の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月へ短縮されます。ただし、5年間で3回以上の自己都合離職の場合には給付制限期間は3ヶ月となるので注意が必要です。

15.就業促進手当の見直し

現行法では、安定した職業以外の職業に早期再就職した場合の手当として就業手当が、早期再就職し、離職前の賃金から再就職後賃金が低下していた場合に低下した賃金の6か月分を支給する手当として就業促進定着手当が設けられていますが、今回の改正では、就業手当を廃止するとともに、就業促進定着手当の上限が支給残日数の20%に引き下げられました。

 

<2025年(令和7年)10月1日施行>

1.柔軟な働き方を実現するための措置等が事業主の義務に

事業主は、3歳から小学校就学前までの子を養育する労働者に関する柔軟な働き方を実現するための措置を講じることが義務付けられます。

この法改正により、育児と仕事を両立させやすい職場環境の整備が求められます。企業は、業務内容や職種に応じて、労働者が必要とする柔軟な働き方を提供できるよう、社内制度の見直しやテレワークの導入を検討する必要があります。

2.仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が事業主の義務に

労働者が妊娠や出産の申出を行った際や、子が3歳になる前に、仕事と家庭の両立に関する個別の周知・意向確認を行うことが事業主に義務付けられました。労働者等への早期の情報提供や、雇用環境の整備(研修など)が必須となります。

この取り組みによって、企業が労働者の多様な働き方の希望に耳を傾け、そのニーズに応じて職場の環境や制度を適宜改定することで、労働者がキャリアを追求しつつ、家庭生活も充実させることができるよう後押しされることが望まれます。

3.教育訓練休暇給付金の創設

労働者が自発的に、教育訓練に専念するために仕事から離れる場合に、その訓練期間中の生活費を支援するため、基本手当に相当する給付として、賃金の一定割合が支給される「教育訓練休暇給付金」が創設されます。

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はじめに

外国人留学生の4月の新卒採用の申請受付が開始されております。当申請は通常の申請と違う点があり、またスケジュール管理も非常に難しいという特徴があります。今回は外国人留学生の新卒採用に係る入管手続きについてご案内いたします。

在留資格変更許可申請を行う

現在、外国人留学生が保有している「留学」という在留資格から就労のための在留資格に変更する必要があります。この申請をするためには現在所属している大学等から卒業見込証明書を発行してもらい、管轄の出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請の添付書類として提出する必要があります。卒業見込証明書が発行されればいつでも申請が可能かというとそうでもなく、各出入国在留管理局へ新 卒採用の申請がいつから可能かを確認することをおすすめいたします。

審査から新しい在留カード受領のながれ

例えば1月に在留資格変更許可申請をし、管轄の出入国在留管理局から許可の通知がきても、すぐに就労の在留カードを受領できるわけではありません。在留カードの受領には卒業証書や卒業証明書の提示が求められます。

多数の方が3月に卒業証書や卒業証明書が必要なため、3月末に手続きをする人がほとんでではないでしょうか。そのため、弊社が主に利用している東京出入国在留管理局の許可受領(Aカウンター)は非常にこの時期混みあいます。

その他注意事項

まず出入国在留管理局から無事に許可を頂いたら、就労開始日までに就労に係る在留カードを受領してください。「留学」の在留資格のまま就労を開始してしまうと資格外活動になり得ます。1月から3月にかけて母国に帰国する外国人留学生もいらっしゃいますが、中には就労開始日である4月1日ギリギリに帰国してついつい、あたらしい在留カードの受領を怠ってしまう人もいるかと思います。 また先にも記載したようにこの時期の東京出入国在留管理局は大変混みあいますので、時間の余裕をもってスケジュールすることをおすすめいたします。

またオンライン申請をした場合にも注意が必要です。在留カードの受領方法を郵送とした場合、昨年3月には新しい在留カードの郵送に3週間から1か月ほどかかるという事態に陥りました。入社の時期を迎えても新しい在留カードが手元にないという人も中にはいたのではないでしょうか。また現在は審査の進捗、審査終了時期や処分結果の見通しなどは回答できないと出入国在留管理庁から発せ られているため、慌てて4月間際の申請になると採用後のオリエンテーションや研修スケジュールなどを確定することができず、かなり後ろ倒しになる可能性があります。

弊社のイミグレーションサービス

弊社では豊富な経験をもとに入社スケジュールにあわせた申請スケジュールのアドバイスや申請人が新しい在留カードを受領するためのスケジュール提案などをさせていただいております。どのような些細な事でも構いません。是非一度弊社にご相談いただければ幸いです。