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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

学歴及び実務経験要件、契約主体、就労場所にみる在留資格「企業内転勤」と在留資格「技術・人文知識・国際業務」の相違

2023年9月28日

駐在員用の在留資格といえば「企業内転勤」ですが、戦略的に「技術・人文知識・国際業務」を選んだ方が良いケースもあります。両在留資格には様々な条件や違いがございますので、今回はその違いについて解説いたします。

学歴、実務経験要件の違い

就労系の在留資格の代表格である「技術・人文知識・国際業務」は日本で行う業務に関連した学歴(大学、短期大学卒など)及び実務経験10年(国際業務は3年)などという要件があります。一方、「企業内転勤」にはこのような要件はなく、直近1年以上継続して出向元の海外法人で「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務を行っていれば学歴、実務経験は必要ありません。高校卒業でも問題ありません。海外法人で直近1年以上継続して「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務を行っており、かつ日本で行う業務も「技術・人文知識・国際業務」に該当する者であれば、日本で行う業務との関連性も求められませんので、実務経験がなくても問題ありません。

契約主体の違い

「技術・人文知識・国際業務」は日本法人との労働契約が必要になります。この契約は雇用契約に縛られるものではなく業務委託や請負契約も可能です。一方、「企業内転勤」はあらたに日本法人との契約を必要としません。「あらたに」とは「企業内転勤」は在籍出向を基本としています。在籍出向とは出向元、出向先それぞれに雇用関係があることをいいます。このため、出向元の海外法人との契約をもって日本法人との契約とされるため「あらたに」契約を必要としません。また「企業内転勤」は期限を定めて出向することとなっております。この点、「技術・人文知識・国際業務」は労働契約が無期であろうと有期であろうと構いません。カテゴリー3以下の企業では出向期間、業務内容及び報酬額などが記載された派遣状などを提出する必要があります。

企業内転勤は就労場所が限定される

「技術・人文知識・国際業務」とは違い「企業内転勤」は就労場所が制限されていることに注意が必要です。根拠は出入国管理及び難民認定法の別表1の2です。別表には在留資格ごとに許容される活動範囲が記載されています。別表1の2の企業内転勤の欄には「(前略)期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に挙げる活動」とあります。この「当該事業所において行う」という部分に制限がかかっていると解される部分です。その為、「企業内転勤」の場合は基本的に申請の際に受入機関となっている企業でしか就労することができません。一方、「技術・人文知識・国際業務」にはこのような定めがないため、会社間の業務委託契約などによって他法人へ在籍出向することも可能です。

しかしながら「企業内転勤」にも例外があり、出向元の海外法人の関与のもとで本支店関係など同一企業又は海外法人の子会社同士など同一企業グループなどに新たに転勤することは可能とされております。このような要件があるため、在留資格を決定する場合は細部にわたって専門的な検討が必要になります。もし「企業内転勤」で全く関連のない法人に出向などさせて場合は在留資格の該当性を失う可能性があります。

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