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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

在留資格「企業内転勤」の申請要件や雇用契約、給与支払いの論点

2023年2月21日

在留資格「企業内転勤」について説明します。在留資格「企業内転勤」は、「技術・人文知識・国際業務」と似た部分の多い在留資格ですが、退職時の手続きや雇用形態の違いなど、いくつかの点で異なった特徴を持つためしっかりと理解することが重要です。本記事では、在留資格「企業内転勤」の詳細を説明するとともに、活動内容や注意点などについても紹介します。

在留資格「企業内転勤」とは

「企業内転勤」とは、資本関係のある海外法人から日本の法人や支店に、期間を定めて転勤、出向する外国籍の職員に与えられる在留資格のことです。在留できる期間は、5年、3年、1年、3ヶ月です。

「企業内転勤」の活動内容及び申請要件

「企業内転勤」で認められる活動は、自然科学や人文科学などの分野で技術や知識を要する業務であり、単純労働は認められません。つまり、従事可能な業務は「技術・人文知識・国際業務」と同じということになります。

「企業内転勤」の申請要件の一つは、転勤、出向の直前に外国にある本店・支店で、「技術・人文知識・国際業務」に関連する業務に従事していることです。もう一つは、上記の業務に直近1年間以上継続して従事していることです。この場合、この直近1年間には、「企業内転勤」で日本にいた期間も含まれます。

例えば、外国で1年間同業務に勤務した後で、「企業内転勤」で日本に1年間従事、外国で半年間従事したような場合でも、在留資格「企業内転勤」に求められる1年間以上の継続従事という要件に含まれることになります。

なお、「企業内転勤」では、所属機関の規模や業種によって、カテゴリー1~4に分類されています。申請の際の提出書類について、カテゴリーに関係なく共通するもの(在留資格認定証明書申請書、写真等)と、カテゴリーによって追加が必要なものがありますので注意が必要です。

退職時の注意点

上記のとおり、業務内容について、「企業内転勤」と「技術・人文知識・国際業務」は同じですが、退職する場合に在留資格に関する手続きが異なるため、注意が必要です。
「技術・人文知識・国際業務」では、業務内容が同じであれば、オンラインで所属機関に関する届出を提出するだけで良い場合があります。しかし、「企業内転勤」を持っている外国人が転職する場合は、必ず在留資格の変更申請が必要です。
なお、「企業内転勤」を持っている外国人が転職に伴い、「技術・人文知識・国際業務」等の就労資格へ変更し、引き続き日本での就労を希望する場合でも、学歴要件等の申請要件を満たしていなければ在留資格の変更が許可されず、日本で働くことはできなくなります。

雇用契約及び給与支払いについて

「企業内転勤」と「技術・人文知識・国際業務」では、日本で働くという点、そして認められている業務内容が同じという点で共通しています。しかし、上記の申請要件以外にも異なる点があるため、申請する在留資格を決定する際には十分な検討が必要です。

まず、「技術・人文知識・国際業務」の場合、日本の事業所と労働契約を締結する必要があり、更に日本の事業所から給与を受け取ることが絶対条件となります。一方、「企業内転勤」の場合は、労働契約は海外の事業所との契約のままでも問題ありません。また、給与は海外法人・支店が支払うことも、また日本の事業所が支払うことも可能です。以上の点から、もし日本法人が一切支給しないようにしたい、つまり海外法人・支店が支給するという場合には、必然的に「企業内転勤」を選択することになります。
申請に必要な資料は、申請する在留資格により異なるため、それぞれどのような資料が必要かを確認の上、決定することも大切です。

おわりに

在留資格「企業内転勤」について説明いたしました。「技術・人文知識・国際業務」と同様の点が多くある一方で、退職時や給料支払いなど、いくつかの点で違いがあるため、きちんと理解した上で選択することが重要になってきます。

弊社では外国人の在留資格や雇用に関するトータルサポートを実施しています。もし外国人のビザや雇用に関してお困りでしたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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