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景井 俊丞 Shunsuke Kagei

この記事の著者

景井 俊丞 Shunsuke Kagei

パートナー  / 申請取次行政書士

高度専門職2号と永住者の違いとそれぞれの特徴・メリットとは

2023年4月6日

本記事では、高度専門職2号と永住者の在留資格のそれぞれの特徴を紹介するとともに、この2つの在留資格の比較を試みます。なぜこの2つの在留資格がよく比較されるのかと言うと、どちらも在留期間が無期限であるという共通点があるからです。混同しがちな箇所について詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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高度専門職2号について

はじめに、高度専門職2号について説明します。

高度専門職2号とは

高度専門職2号というのは一般の方には聞きなれない在留資格ではないでしょうか。2号と言うからには1号もあります。 「高度専門職1号」については、在留資格「高度専門職1号」とは? をご参照ください。

高度専門職2号は、基本的に高度専門職1号として3年以上日本に在留した人が申請する在留資格です。通常は在留資格認定証明書交付の対象とならず、高度専門職1号イ、ロ、ハまたは高度人材外国人としての特定活動からの在留資格変更のみが可能です。

高度専門職2号の申請要件

高度専門職2号への在留資格変更許可に係る要件は、以下のとおりです。
1.行おうとする活動が3つの活動類型(イ、ロ、ハ)のうち、少なくとも1つの活動に該当すること
2.「高度専門職1号」の在留資格で3年以上活動していたこと
3.学歴、年収等のポイントの合計が70点以上であること
4.素行が善良であること
5.その者の在留が、日本国の利益に合すると認められること
6.本邦において行おうとするその者の活動が、我が国の産業及び国民生活に与える影響等の観点から、相当でないと認める場合でないこと
なお、1の3つの活動類型(イ、ロ、ハ)とは、
イ. 高度学術研究活動(本邦の公私の機関との契約に基づいて、研究、研究の指導、教育をする活動)
ロ. 高度専門・技術活動(本邦の公私の機関との契約に基づいて、自然科学または人文科学の分野に属する知識または技術を要する業務に従事する活動))
ハ. 高度経営・管理活動(本邦の公私の機関において、経営または管理に従事する活動)のことです。

これらのうち、少なくとも1つの活動を行おうとするものであることが、高度専門職2号への在留資格変更許可の要件ですが、高度専門職2号を持つ外国人は、これら以外の収入を伴う活動(「教授」「報道」「技術・人文知識・国際業務」などほぼ全ての就労資格の活動)も併せて行うことができます。但し、工事現場やコンビニ店員などの単純労働や肉体労働は認められません。

就労の面から見ると、高度専門職2号は、以下の点で永住者と違いがあります。
1.一定の活動制限がある点
2.①の3つの活動類型のうち、少なくとも1つの活動を継続して6月以上行わずに在留すると在留資格が取り消される場合がある点
3.所属機関に関する届け出義務がある点

高度専門職2号の配偶者の就労

次に高度専門職1号の配偶者について、見てみましょう。高度専門職2号の配偶者は日本で就労することができます。自ら就労資格を取得する場合以外で高度専門職2号の配偶者が日本で就労するためには、以下の2つの方法があります。
1.高度外国人材の扶養を受ける配偶者として、「家族滞在」で資格外活動許可を受ける。
2.高度外国人材の優遇措置に基づき、「特定活動」で就労する。

1については、週28時間以内の包括的許可(風俗営業等を除く)による就労が認められます。2の場合、在留資格「研究」「教育」「技術・ 人文知識・国際業務」または「興行」(演劇等の興行に係る活動以外の芸能活動) に該当する就労活動が認められます(一定の要件あり)。通常は、一定の学歴や実務経験等がなければ認められない活動を、それらがなくても行うことができます。これは、高度外国人材に対する優遇措置のひとつです。
但し、この場合には高度専門職で在留する者と同居していることが必要です。在留中に別居した場合は、就労活動ができなくなり、就労した場合には違法な資格外活動とみなされます。

高度専門職2号のメリット

高度専門職という在留資格の特徴と言えるのが、一定の要件の下で、本人またはその配偶者の親を帯同できることです。以下の1または2のいずれかに該当し、合わせて要件を満たす場合に親の帯同が認められます。
1.高度専門職で在留する者、またはその配偶者の7歳未満の子を養育する場合
2.高度専門職で在留する妊娠中の者または、高度専門職で在留する者の妊娠している配偶者の介助等を行う場合
<要件>
・高度専門職で在留する者の世帯年収(高度専門職で在留する者本人とその配偶者が受ける報酬の年額を合算したもの)が800万円以上であること
・帯同する親が高度専門職で在留する者と同居すること
また、高度専門職で在留する者については、本国で雇用していた家事使用人を帯同することや、13歳未満の子がいるなどの事情を理由に家事使用人を雇用することが認められます。但し、高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上であること、本国で雇用していた家事使用人を帯同する場合は1年以上継続して雇用していること等、一定の要件を満たすことが必要です。
永住者の場合、自分や配偶者の親を呼び寄せることはできませんし、家事使用人を帯同することもできません。この2つが、高度専門職という在留資格が永住者よりも有利な点です。

永住者について

続いて、永住者について説明します。

永住者とは

永住者というのはどのような在留資格なのでしょうか。読んで字のごとく、永住者の在留資格を有する外国人は、日本に永住することが認められます。とは言え、場合によっては在留資格を失うことがあり、何があっても日本にずっと在留できるわけではありません。

永住者の申請要件

永住者への在留資格変更許可の要件は、次のとおりです。
1)素行善良要件
法令を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること
2)独立生計要件
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来おいて安定した生活が見込まれること
3)国益要件
その者の永住が、日本国の利益に合すると認められること
・ 納税義務等公的義務を履行していること
・ 最長の在留期間(3年、5年)を所持していること
・ 公衆衛生上の観点から有害となる恐れがないこと
・ 10年以上継続して在留していること(うち5年は就労資格又は居住資格で在留していること)
<在住歴10年以上に関する特例>
このうち「10年以上継続して在留していること」という要件については、次のような特例があります。
A. 日本人、永住者及び特別永住者の配偶者等
→ 実体を伴った婚姻が3年以上継続し、かつ1年以上日本に在留していること。その実子は1年以上日本に在留していること
B. 定住者、難民の認定を受けた者
→ 5年以上日本に在留していること
C. 外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献が認められる者
→ 5年以上日本に在留していること
D.高度専門職の在留資格を有する者
→ 高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に、70点以上を有する者は、通常10年必要な在留歴が3年に緩和されます。さらに、80点以上の高度外国人材の場合は1年に緩和されます。

永住者の配偶者の就労

配偶者の就労について永住者の場合と比べてみましょう。永住者の配偶者は、「永住者の配偶者等」という在留資格で、日本に滞在することができます(取得には一定の要件があります)。この在留資格を有する外国人は、就労活動に制限がありません。職種も労働時間も自由です(単純就労も可)。この点から、永住者の配偶者の方が有利と言えます。

永住者のメリット

永住者の在留資格を持つ本人、及びその配偶者(「永住者の配偶者等」の資格の場合のみ)ともに就労制限がなくなります。また、在留資格の維持において、就労要件はなくなります。このように、他の在留資格に比べて制限が大幅に緩和される点が高度専門職よりも有利な点です。

高度専門職2号か永住者か?

高度専門職1号として、継続して1年または3年日本に在留した外国人は、高度専門職2号または永住者いずれかへの変更を選ぶ権利が生じます。両者の主な違いは上に挙げたとおりです。
選択のポイントとなるのは、親の呼び寄せや家事使用人の雇用をするかどうかです。もしそれらが必要なければ、永住者の方にメリットが多いのでお勧めです。もしそれらが必要なら、高度専門職2号を選ぶことになります。
但し、いったん永住者の在留資格を取得した場合、そこから高度専門職2号に変更することはできません。ですから、将来親の呼び寄せや家事使用人の帯同をする可能性がある場合には、とりあえず高度専門職2号に変更する方がいいかもしれません。

おわりに

本記事では、高度専門職2号と永住者のそれぞれの特徴について説明するとともに、高度専門職1号ののちに、高度専門職2号と永住者のどちらを選ぶとよいかについて紹介しました。上記をしっかりと読み、適切なほうを選ぶようにしてください。

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