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在留資格「高度専門職1号」に関するメリットや申請時の注意点

在留資格「高度専門職1号」に関するメリットや申請時の注意点

日本進出, 外国人雇用・イミグレーション
2026年1月29日

日本政府は、専門的な知識・技術を持つ優秀な外国人材を積極的に受け入れるため、「高度人材ポイント制」を導入しています。この制度に基づき、一定の基準を満たした外国人に付与される在留資格が「高度専門職1号」です。

一般的な就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」等)と比較して、様々な優遇措置が設けられていることから、申請を希望する方が増加傾向にあります。 本記事では、在留資格「高度専門職1号」の概要、具体的なメリット、および申請に際して注意すべきポイントについて解説します。

「高度専門職1号」は、高度な資質・能力を有する外国人材に対し、ポイント制を活用して出入国管理上の優遇措置を与える在留資格です。 活動内容は以下の3つのカテゴリー(イ・ロ・ハ)に分類され、学歴、職歴、年収、年齢などの項目ごとにポイントを計算し、合計が70点以上に達する場合に認定される可能性があります。

  • 高度専門職1号イ(高度学術研究活動): 研究者、教育者など
  • 高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動): エンジニア、企業のスペシャリストなど(※最も一般的な類型です)
  • 高度専門職1号ハ(高度経営・管理活動): 企業の経営者、役員など

通常の就労ビザと比較し、高度専門職1号には主に以下のような特例や優遇措置が認められています。

通常、在留資格は許可された一つの活動のみを行うことができますが、高度専門職1号の場合、複数の在留資格にまたがる活動を行うことが認められる場合があります。 例えば、大学で研究活動を行いながら(1号イの活動)、自身でベンチャー企業を経営する(経営・管理の活動)といった働き方が可能となるケースがあります。

法律上の最長在留期間である「5年」が一律に付与されます。更新の手間が減るだけでなく、生活基盤の安定性を示す要素ともなります。

多くの申請者にとって最大のメリットとされるのが、永住権取得までの居住歴の短縮です。 通常、永住許可を受けるには原則として引き続き10年以上の在留が必要ですが、高度専門職としての活動については、以下の通り大幅に緩和されます。

  • 70点以上を有している場合:3年以上継続して在留していること
  • 80点以上を有している場合:1年以上継続して在留していること

高度専門職の配偶者は、「教育」「技術・人文知識・国際業務」などに該当する活動を行う場合、学歴や職歴などの要件を満たしていなくても、それらの在留資格に係る活動を行うことが可能です(特定活動)。 ※ただし、あくまで就労可能な在留資格の範囲内に限られ、単純労働等は認められない点に留意が必要です。

原則として、就労ビザで滞在する外国人の親の帯同(呼び寄せ)は認められていません。しかし、高度専門職1号の場合、以下の条件を満たすことで、本人または配偶者の親(養親を含む)の入国・在留が認められる場合があります。

  • 高度専門職本人または配偶者の7歳未満の子(養子を含む)を養育する場合
  • 高度専門職本人または配偶者の妊娠中の介助などを行う場合
  • 世帯年収が800万円以上であること
  • 高度専門職本人と同居すること ※原則として、どちらか一方の親に限られます。

世帯年収が1,000万円以上あるなどの一定の要件を満たす場合、本国から家事使用人を帯同することや、日本国内で家事使用人を雇用することが認められる場合があります。

多くのメリットがある一方で、高度専門職1号ならではの注意点や制限も存在します。

「高度専門職1号」は、申請時に指定された所属機関(勤務先)で就労することを前提とした在留資格です。 したがって、転職をした場合は、在留期限が残っていたとしても、現在の在留資格のまま新しい会社で働くことはできません。 転職先の会社を所属機関として、改めて「在留資格変更許可申請」を行い、再度ポイント計算をして70点以上を満たしていることを証明する必要があります。

ポイント計算表で70点以上あったとしても、それを客観的に証明する資料(疎明資料)が提出できなければポイントとして認められません。 例えば、職歴をポイントに加算する場合、過去の勤務先からの在職証明書等が必要となりますが、本国の企業から適切な書類を取り寄せるのに時間を要するケースがあります。

「高度専門職1号ロ(技術・人文知識系)」および「1号ハ(経営・管理系)」については、ポイント合計が70点以上であっても、年収が300万円未満である場合は許可されません。 この年収とは、予定年収(賞与含む、通勤手当等は除く)を指します。

2025年10月16日より在留資格「経営・管理」の要件厳格化に伴い、その上位資格である高度専門職1号ハについても、期間更新や永住許可申請において、改正後の「経営・管理」の要件やその運用が適用されることになりました。例えば、高度専門職1号ハをすでにお持ちの方が永住許可申請を行う場合、「経営・管理」の新要件を満たしていることが前提となります。

「高度専門職1号」は、日本で活躍する外国人材にとって、永住権への短縮ルートや家族の帯同など、生活の質を向上させる大きなメリットがある制度です。 一方で、ポイントの計算や証明資料の準備、転職時の手続きなどは通常のビザよりも複雑になる傾向があります。ご自身の経歴がどの項目に該当し、確実にポイントとして認められるかを事前に精査することが、スムーズな取得への第一歩となります。

制度の詳細や最新のポイント計算表については、出入国在留管理庁の公式ウェブサイト等をご確認ください。

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