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池田 孝太 Kota Ikeda

この記事の著者

池田 孝太 Kota Ikeda

コンサルタント  / 申請取次行政書士

在留資格「興行」において認められている活動や申請時の留意点

2023年2月16日

俳優や歌手、ダンサー、プロスポーツなどの芸能・スポーツ活動の際に必要となる在留資格が「興行」です。興行の在留資格は急に日本に来日が決まり、短期間で取得しなければならないなど、外国人が非常に苦戦する在留資格の1つでもあります。本記事では、在留資格「興行」の基本的事項について説明するともに、申請における注意事項についても紹介いたします。

在留資格「興行」とは

「興行」とは、俳優や歌手、ダンサー、プロスポーツ選手など、芸能活動やスポーツなどの興行にかかわる活動を行う外国人に認められる在留資格です。 在留期間は3年、1年、6ヶ月、3ヶ月、15日の5種類があります。

興行は活動形態によって、1号~4号に分類されています。1号は、比較的小規模な興行活動です。主に、演劇、演芸、歌謡、舞踏または演奏に関連するもので、例えば、キャバレー、ショーパブでのダンスや歌唱などが該当します。2号は、比較的大規模な興行活動です。主に、演劇、演芸、歌謡、舞踊または演奏の興行に関連する活動で、国が開催したり、100人以上の会場で行ったりするもので、例えば、国が主催する国際交流イベント、学校が主催する、コンサートホールでの演奏、ミュージカルなどが該当します。 3号は、1号、2号以外の興行活動、つまり演劇、演芸、歌謡、舞踊または演奏以外の興行です。例えば、プロスポーツの大会、格闘技、サーカスなどが該当します。4号は、興行活動以外の芸能活動です。例えば、スタッフによる番組撮影、写真撮影、CD・レコード制作などが該当します。

「興行」で認められている活動

興行では、演劇や演奏などのエンターテイメントに関する活動の他、プロスポーツ分野での活動も認められています。最近では、eスポーツと呼ばれるエレクトロニック・スポーツの選手やコーチも興行が認められています。

申請時の注意事項

興行では、実際の契約機関と活動機関(大会などの運営団体や出演先)が異なる場合が一般的です。そのため、申請人に関する資料はもちろんのこと、就労契約を結んでいる企業に関する資料の他、活動機関に関する情報や資料が必要になるなど申請準備がやや煩雑です。

前もってスケジュールが決まっていれば申請準備は問題ありませんが、急遽出演や参加が決まるなど、十分な準備期間がない場合も少なくありません。しかし、たとえ急に決定したとしても、申請準備が間に合わず在留資格を得ることができなければ、外国の俳優や歌手、プロスポーツ選手などは、折角のチャンスを得ても日本で活動することができません。機会を無駄にしないように、在留資格「興行」が必要な可能性が生じた時点で、申請準備に着手することが望ましいでしょう。

また、同じ「興行」という在留資格でも、先程ご説明した分類(第1号~第4号)や内容によって、要件が異なりますので、この点は注意が必要です。

おわりに

在留資格「興行」に関する基本事項や、各分類によって許可されている活動内容等について紹介しました。在留資格「興行」は急な取得が必要になることもあり、困る外国人が多いのも特徴です。もし在留資格に関してお困りのことがございましたら、外国人ビザや外国人雇用に関するトータルサポートを提供している弊社まで、お気軽にお問い合わせください。

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