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森 祐子 Yuko Mori

この記事の著者

森 祐子 Yuko Mori

コンサルタント  / 申請取次行政書士

外国人従業員を雇う際の日本における送金・持ち出し制限とは

2023年3月16日

外国人を雇った際、外国から日本へのお金の送金方法や持ち出しに関するルールを聞かれることもあると思います。また、日本に会社を設立する場合には、多額のお金を送金する必要もあるでしょう。本記事では、日本への海外送金、持ち出し制限に関する基本なルールについて紹介します。

日本が定める送金・持ち出し・持ち込み制限

まず海外から日本への送金やお金の持ち込み、持ち出しについて、日本がどのような対応を取っているのかについて紹介します。

日本と外国の間でのお金のやりとりに関しては、外国為替及び外国貿易法という法律にて上限額が決まっています。それによると「100万円相当額を超える現金などの海外への持ち出し、海外からの持ち込みをする場合には、日本税関において所定の届け出が必要」です。

「現金など」という記載があるとおり、現金だけではなく、トラベラーズチェックや有価証券、小切手類にも適応されることに注意してください。

ただし、これはあくまでも届け出をしなかった場合です。日本税関および対象国の税関にて必要な手続きを済ませれば100万円相当額を超える金額を日本に持ち込むことが可能になりますので、覚えておくとよいでしょう。

外国が定める送金・持ち出し制限

自国から海外への送金や現金の持ち出しに制限を設けている国は多くあり、しばしば日本で会社設立を考えている人を悩ませる原因となります。

例えば中国では、年間で送金できる金額は原則として1人あたり5万米ドルまでと決められています。しかし、5万米ドル以下であっても送金が認められず、年間で2万米ドルしか送金できなかったという事例もあります。

また中国では、現金での持ち出しについても制限を設けています。中国から海外へ現金を持ち出す場合は、申請をしない場合は中国元は1人1回2万元まで、外貨の場合は1人1回5,000米ドル相当までとなっています。

もし5,000米ドル~10,000米ドル相当を持ち出す場合は、銀行が発行した『外貨携帯出国許可証』を外貨を購入する銀行で申し込み、持ち出し時に提出する必要があります。また、持ち出し額が10,000米ドル相当を超える場合は、事前に外貨管理局へ申請が必要となります。

同様に韓国から海外送金する場合も送金制限があり、認められる送金額は基本的に5万米ドルまでです。

また、中国や韓国以外にも各国が独自の送金制限を設けています。日本で会社を設立するために大きな金額をお金を送金もしくは持ち込みたいとお考えの場合は、対象国のルールについて早めに確認しておくとよいでしょう。

終わりに

今回は、海外から日本にお金を送金もしくは持ち込む際のルールについて紹介しました。高額のお金の送金・持ち込みなどに関しては、日本のルールと対象国のルールをどちらも調べる必要があります。

たとえ日本への進出計画を順調に進めたとしても、お金の送金が滞ってしまえば事業をスムーズに進めることができません。にもかかわらず、海外送金・持ち出し制限のルールは多くの企業が見落としやすいところですので、ぜひご注意ください。

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