香港会社設立サービス | RSM汐留パートナーズ

香港会社設立サービス

RSM汐留パートナーズは香港での法人設立の代行を行っています。中小企業から大企業までご支援の実績・経験が豊富です。また香港支店(支社)の設立についてもご相談を承っております。

新規会社設立の流れ

(1)会社名の決定

会社名の決定については、申請者(代行者)があらかじめ会社登記所(Companies Registry)にて類似商号の調査をする必要があります。

この際、類似商号にあたるかどうかの実務的な判断は難しく、既に登録されている会社から類似商号の異議申し立てがあった場合、または異議申し立てがない場合でも、会社登記所長官(Registrar)がその商号が類似商号であると判断した場合には、設立証明が発行された後一年以内に、商号変更を命ぜられることがあります。

会社名は、英語と中国語で登記することが一般的です。有限責任会社であることを示すために、英語表記の会社名には「Limited」の文字を、中国語標記の会社名には「有限公司」の文字を必ず入れることが要求されていることに注意が必要です。
また、香港政府と関係があるのではないかという誤解を与えるような名称は、実際に香港政府との関連があり承認を受けた場合でない限り使用できません。例えば、「Department」「Commission」「Bureau」などといった語は避ける必要があります。「Chamber of Commerce」「Building Society」「Tourist Association」「Trust」などの語を含む商号は、会社登記所長官の承諾が必要となります。弊事務所では念のためお客様から第1希望から第3希望まで会社名をお決め頂いております。

(2)定款の作成

[1] 基本定款と通常定款
定款は基本定款(Memorandum of Association)と通常定款(Articles of Association)からなり、いずれも英語もしくは中国語で印刷されていることが必要です。

(ⅰ)基本定款の法定記載事項は次のとおりです。
・会社の名称
・登記上の本店所在国(香港)
・株主の責任が有限であること
・授権資本の総額および発行済株式の総数
・発起人(Founder Member)の氏名、住所、職業、各発起人の引受株式数

(ⅱ)通常定款の記載事項は会社の運営の規則等であり、その概要は次のとおりです。
・株式に関する事項
・株主総会に関する事項
・取締役に関する事項
・配当および準備金に関する事項
・会計監査人に関する事項
・通知、公告に関する事項

[2] 定款に定める事項
定款は原則として会社を設立する際に発起人の意向を反映して作成されるものです。
弊事務所には、これらの必要事項を記載し会社の事業目的を包括的に定めて営業活動に何ら制限がないように作成された定型のものがあり、それを利用することが可能です。なお、このような定型の定款を利用する場合にも、会社名や次の事項について決める必要があります。

(ⅰ)発起人の選任
発起人の数は一名以上であることが要件です。国籍、居住場所等の制限はありませんが、一株以上の株式を保有する必要があります。
弊事務所に会社設立業務をご依頼頂く場合は、新規設立に要する期間を短縮するため、弊グループ香港法人であります汐留集團(香港)有限公司が発起人となることも可能です。

(ⅱ)授権資本金の決定
最低資本金についての定めはありません。発起人が1株(HK$1)で設立することが可能です。しかし、実務上は、会社設立費用ならびに当初の設備投資資金および運転資金などの必要な資金に応じて資金調達計画を立案する際に、借入計画と併せて払込資本金を授権資本金額の範囲で決定することになります。
なお、授権資本金の0.1%相当額の資本登録料(Capital Duty)が必要です。
ただし、資本登録料はHK$30,000が上限となります。

(ⅲ)株式の種類および1株当たり額面金額の決定
株式の種類として、普通株式、優先株式、劣後株式は認められますが、無額面株式は発行できません。額面1株の金額および表示通貨について会社法上の規定はなく、定款で任意に定めることが可能です。通常は一株HK$1のケースが一般的となっておりますので、弊事務所では特段御希望がない場合にはそのようにさせて頂いております。

(ⅳ)登記上の本店所在地の決定
香港ではオフィスの賃貸(又は購入)にあたり、賃貸主は設立証明書(CI)および事業登録証明書(BR)の提示を求めることがあります。しかし、実際には、会社設立準備段階では賃貸契約を締結できないケースが多いです。この場合には、弊グループ香港法人であります汐留集團(香港)有限公司が本店所在地の住所を提供し、賃貸契約締結後に住所変更手続を行うことが可能です。

(3)会社登記所に対して会社設立登記の申請および認可

発起人が次の資料を会社登記所に提出した後、通常は4営業日後に会社設立が許可され、設立証明書(Certificate of Incorporation :CI)が発行され、郵送されてきます。会社設立日とはこの設立証明書の日付をいいます。従いまして、日本とは異なり会社設立日を指定することは難しくなっております。

≪会社登記所に提出する資料≫
・設立手続きが法定要件に合致している旨の確認書
・発起人が署名した基本定款および通常定款
・登記事項資料
・資本登録料、登記手数料
(登記料 HK$1,425、CI発行手数料HK$295)の小切手

(4)取締役の任命

私的会社の最低取締役数は1名、公開会社の最低取締役は2名以上必要ですが、上限の人数・国籍および居住場所等の制限はありません。だだし、取締役の年齢は18歳以上であることが要件となります。また、公開企業を含む企業グループに属していない私的法人の場合は、法人も取締役となることが可能です。

私的会社の株主が1名であり、かつその株主が唯一の取締役である場合は、会社は株主総会において補欠取締役(Reserve Director)を選任することができます。補欠取締役は、唯一の取締役が死亡した場合に取締役となります。会社が補欠取締役を選任した場合には、所定のフォームにて会社登記所へ届け出をする必要があります。

代表取締役(Managing Director)の選任は任意であり、その旨が通常定款に定められていれば選任は可能です。定款に定めがない場合は取締役会決議により任命することになります。香港では、代表取締役という法的な地位がありませんので、会社登記所に対してはあくまでも取締役としてのみ登記します。

(5)第1回取締役会の開催

最初の取締役により第1回取締役会を開催され、次の[1]~[5]の事項を決議します。

[1] 株式の割当(払込資本金を決定)
会社の株主となる者に対して、授権資本金の範囲内で株式を割り当てる払込資本金を決定します。最低株主数は1名です。株主となる者が発起人と異なる場合(弊社関連の汐留集團(香港)有限公司を発起人としている場合など)は、発起人が既に引き受けた株式(払込未了)については、実質的株主へ譲渡されます。

[2] 登記住所の決定
本店住所として登記する住所を決定します。

[3] 会計監査人の選任
香港では有限責任会社は全て、会計監査人を選任し会計監査を受ける必要があります。会計監査人については、通常、初年度は第一回取締役会で選任し、2年目以降は各年次株主総会において選任します。会計監査人は、香港の職業会計士法(Professional Accountants Ordinance)で定められた資格を有する会計士であることが必要です。
香港では日本の監査役に該当する会社の機関は法律で定められていません。

[4] 会社秘書役(Company Secretary)の選任
香港では会社秘書役とういう法定の役職があるため、その選任を行う必要があります。会社秘書役の任務は様々な法定書類が適法かどうか確認、保管することです。香港の法律に通じた香港居住者また香港に設立された有限会社が会社秘書役となることができます。取締役が兼任することも可能です。弊グループ香港法人であります弊社関連の汐留集團(香港)有限公司が会社秘書役とを担当させていただいております。

[5] その他の決議事項
銀行口座の開設、決算日の決定、税務代理人等に係る事項を決定します。また、取締役の詳細や、株式の割当、登記住所、会社秘書役の詳細等については会社登記所に登記する必要があります。

(4)事業登録所に事業登録の申請

香港では事業登録法に基づき内国歳入局(Inland Revenue Department:IDR=税務署)の事業登録所(Business Registration Office)に社名、主な事業目的、登記住所等を登録する必要があります。通常は発起人が代行して申請します。会社設立日から1ヶ月以内に事業登録の申請する必要があるため、実務上は会社設立後、ただちに申請します。

申請後、代理人を通さない直接の窓口申請であれば即日に、郵送申請であれば2営業日後に事業登録証明書(Business Registration Certificate :BR)が発行されますが、代理人を通した場合は通常2週間程度を見込むことになります。

この証明書の有効期限は1年です。毎年更新する必要があります。事業登録証明書発行費は2011年3月末現在の規定で2011年8月からHK$2,450です。

(5)銀行口座の開設手続

資本金の払込、事業資金の入出金などのために銀行口座を開設します。香港ではHSBC銀行、恒生銀行などの口座開設を開設いたします。

(6)資本金の払込

香港では、会社設立前に資本金を払い込む必要はありません。会社が設立された後、最初の取締役会の決議に従って、株主は発起人から譲渡を受けたもしくは新規に割り当てられた株式を引き受けて、払い込むことになります。
資本金の払込期間は特に法定期限はありませんが、割当られた資本金が全額払い込まれるまでは株券は発行されません。

(7)株券発行

会社秘書役は、資本金が払い込まれたことを確認した後、株券の発行を行います。
株券は、株主1人に対して総株数を記載した株券を1枚発行します。株主の変更がある場合は、旧株券はキャンセルされ新たに株券が発行されます。株券の発行をもって一連の会社設立手続きは完了です。
香港には日本の株券不所持制度に相当する制度はありません。

(1) 類似商号の調査(注1)2~3日
(2) 定款の作成、印刷1週間
(3) 登記事項資料の作成(注2)1週間
(4) 登記事項の資料を株主へ送付し回収1週間
(5) 設立証明書(CI)の申請から入手(注3)4営業日
(6) 設立証明書の入手から第1回取締役会議事録・銀行口座開設資料等の書類作成1週間
(7) 事業登録証明書(BR)の申請から取得(発起人による代行の場合)2営業日
(8) 銀行口座の開設手続き(注4)1週間
(9) 資本金の払込(8) の直後
(10) 株券の発行(9) を確認後1週間

(注1)同一商号や類似商号があり、商号の再検討・再調査が必要な場合には、日数が延びることがあります。
(注2)会社名・発起人・取締役・会社秘書役・会社の登記住所・授権資本金・株式の割当に関する書類等の作成のことです。
(注3)手続資本登録料として、授権資本金の0.1%相当額かつ最高額 HK$30,000の‘The Government of the Hong Kong Special Administrative Region`宛ての小切手を申請書類に添付する必要があります。
(注4)銀行により手続き、期間が異なります。

上記手続き(特に株主・取締役との書類のやり取り)がスムーズに行われたとして(1)~(10)まで約2ヶ月かかります。日本での会社に比べて時間を要しますので、余裕をもって会社設立の準備をして頂ければと思います。ただし、お急ぎの場合には(1)~(5)までを約3週間程度で完了することもできますのでお気軽にご相談ください。

シェルフ・カンパニー(Shelf Company)を購入する場合

シェルフ・カンパニーは既に発起人によって会社設立が終了している会社です。よって設立証明書(CI)、事業登録証明書(BR)および定款の発行・作成がすでに終了しているため、いつでも法的に契約当事者となることは可能です。実務上は、発起人から取締役を変更、実質株主への株式配当、銀行口座開設、資本金振込、株券発行等の一連の手続きが行われた後に事業活動を開始することになります。
一般的に、シェルフ・カンパニーの授権資本金はHK$10,000としていることが多くみられます。
なお、すぐにご提供できるシェルフ・カンパニーの在庫がない場合もございますのでご了承下さい。

(1) 社名変更や増資の手続きの必要がない場合

シェルフ・カンパニーの社名、資本金額を変更しない場合は、第1回取締役会議事録、銀行口座の開設、資本金の振込を行えばよく、書類のやりとりがスムーズに行えれば約1ヶ月で株式の発行まで完了することができます。

(2) 社名変更や増資の手続きを行う場合

シェルフ・カンパニー購入後に社名変更や増資を行う場合には、新規設立の場合と同じように、類似商号の調査、定款の変更、社名変更の設立証明書(CI)の申請、事業登録証明書(BR)の社名変更等が必要となり、新規設立の場合と同様の手続きが必要となりますので、手続きが2ヶ月程度見込まれます。

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